長かった1か月の戦い。そこで起こった印象深き出来事を振り返ろう。 (C) Alberto LINGRIA

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 フランスの10都市を舞台に、約1か月にわたって激しい戦いが繰り広げられたEURO2016。最後に笑ったのは、初優勝を果たしたポルトガルだった。
 
 世界中から注目されるビッグイベントだけに、今回もピッチの内外で様々なことが起こったが、そのなかでも印象に残る事象を、現地で取材にあたったライターに厳選してもらい、ランク付けした。
 
 ここでもう一度、EURO2016の興奮を思い出していただこう。
◇10位
地味なウクライナ、勝点&得点ゼロ…
 
 この大会で一番地味だった国はどこか。オーストリアやロシアも有力候補だが、やはりウクライナで決まりだろう。
 
 24か国中、唯一の得点&勝点ゼロ。この「ゼロゼロ」は、2000年ベルギー・オランダ大会のデンマーク以来となる不名誉な記録だ。
 
 2戦目で格下の北アイルランドに0-2と敗れ、最下位が決まったことでフォメンコ監督が辞任を申し出た。
 
 この早期敗退は、2年前のロシアとの紛争で経済が悪化、国内リーグが弱体化したことと無縁ではない。
 
 
◇9位
選手が次々にすってんころりん!――芝問題
 
 リール、マルセイユ、ニースの3会場はピッチ状況が悪く、転ぶ選手が続出した。
 
 これには、いくつか理由がある。5月からフランス中が長雨にたたられ、3会場で開幕3週間前に芝が張り替えられたからだ。
 
 またマルセイユは、5月中旬のコンサートでピッチが踏み固められてしまった。
 
 特に状況が悪かったリールでは、UEFAとスタジアム管理者が互いに批判を展開。決勝トーナメント直前に芝の張り替えが実施された。
◇8位
個性的で偉大な守護神が起こしたジャージブーム
 
 今大会、ひとつの偉大な記録が樹立された。40歳になるハンガリーのGKキラーイが、元ドイツ代表マテウスが持つ39歳のEURO最年長出場記録を更新したのだ。
 
 キラーイといえば、ゲン担ぎの意味もあるグレーのジャージがトレードマーク。本国ハンガリーでは、試合の日にジャージで出社し、代表チームを応援するスタイルが流行した。
◇7位
辿りつけない、帰れない……ストライキ
 
 フランスはスト大国。大会序盤は大規模なストが起き、外国人サポーター、記者が振り回された。
 
 航空会社やフランス国鉄、バスやトラムが間引き運行を行なったため、スタジアムに辿り着けなかったサポーターが多数出た。
 
 筆者も開幕翌日のボルドーで試合後の足がなくなり、タクシー乗り場の行列に2時間近く並ぶ羽目に。これが毎日続くのだろうか……と暗い気分になったが、次第に収束していった。
 
 
◇6位
ピッチ外ではフェアプレーならず……フーリガン
 
 今大会もフーリガンの衝突により、少なくない負傷者が出た。
 
 その悪しき主役となったのがイングランドとロシア。特にロシア・フーリガンの凶悪さは際立っていた。
 
 酔っぱらって暴走するイングランドとは違い、彼らは格闘技で鍛えられた20代から30代の若者で構成され、組織的な訓練も受けている。そして周到な準備の上でイングランド戦を迎えたことが、当事者の証言から明らかになった。
 
 サッカー界に蔓延する暴力の一掃は、2年後に迎えるワールドカップへの大きな課題だ。
◇5位
一躍フランスの顔に! グリエーズマン、得点王獲得
 
 フランスの決勝進出。その最大の立役者は6ゴールで得点王に輝いたグリエーズマンだ。
 
 ルーマニアとの開幕戦で先発しながら、アルバニアとの2戦目では控えに降格。だが、途中出場となったこの試合で値千金のゴールを決め、一気に波に乗った。