すでに山形への来季加入が内定していた市立船橋の永藤は、決勝でライバルの流経大柏から勝負を決める3点目を奪った。写真:田中研治

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 第94回全国高校サッカー選手権大会の地区予選は11月15日までに終了し、全48代表校が決定している。来季のJクラブ内定者および有望視されているタレントたちが所属するチームは、順調に勝ち上がったのだろうか。実力だけでは推し測れない面もある選手権。この冬、どれだけの逸材たちを選手権のピッチで見ることができるだろうか。
 
【写真】2016年プロ入り内定&有望選手

 
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神谷優太(青森山田/3年/MF)
→湘南ベルマーレ内定
 
 21年連続出場を決めた青森山田の攻撃を牽引する存在だ。決勝では八戸学院光星に1-0と決して楽な戦いではなかった。しかし、今季のプレミアEAST首位の実績が象徴するように、確実にそしてしたたかに代表校の座をモノにした。柴崎岳に憧れを抱き、今年1月に東京Vユースから転入。全国では持ち前のフィニッシュワークで驚きをもたらせるか。
 
 
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常田克人(青森山田/3年/DF)
→ベガルタ仙台内定
 
 神谷とともに青森山田の「攻守の二枚看板」を形成する189センチの超大型CBだ。空中戦の強さに加えて、左足のキック精度にも磨きがかかっている。首位を走るプレミアEASTでも守備の柱として、Jクラブユース相手に存在感を発揮。夏のインターハイでは無念の2回戦敗退を喫しているだけに、選手権本大会には目の色を変えて臨んでくるはずだ。
 
 
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永藤 歩(市立船橋/3年/FW)
→モンテディオ山形内定
 
 千葉予選で順当にベスト4入りした市立船橋は、11月7日の準決勝で中央学院と激突。これを2-1で制すると、決勝では昨年逆転負けを喫した宿敵の流経大柏に3-0の完勝。2年ぶりの全国出場を決めた。決勝ではダメ押しの3点目を決めた永藤は、一瞬のスピードが魅力で、敵を置き去りにする加速力は超高校級だ。フィニッシャーとしても、チャンスメーカーとしても機能するFWは、U-18日本代表にも選出されており、間違いなく世代屈指のタレントと言える。
 
 
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椎橋慧也(市立船橋/3年/MF)
→ベガルタ仙台内定
 
「堅守・市船」を象徴する存在と言えるボランチ。読みを活かしたボール奪取力はもとより、対人プレーの強さ、リーダーとしての統率力には目を見張るものがある。夏のインターハイでは惜しくも準優勝に終わったが、決勝の東福岡戦でもその守備力と奪ってからの長短織り交ぜた配球力には特筆すべきものがあった。流経大柏との千葉決勝では、怪我の影響によりベンチスタートとなっていたが、再び全国でその雄姿が見たい選手だ。
 
 
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小川航基(桐光学園/3年/FW)
→ジュビロ磐田内定
 
 桐光学園の不動のエースは、先月U-19アジア選手権の一次予選を突破したU-18日本代表のエースでもある。同選手権の直前合宿では、磐田からのオファーが明らかとなり、その後来季の加入が内定した。神奈川予選では、準々決勝でライバルの桐蔭学園を延長戦の末に自身のゴールによって1-0で撃破。準決勝も湘南工科大附を1-0で破ると、市立東との決勝では自身の2ゴールで2-0と勝利を収め、全国出場を決めている。
 
 
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光崎 伸(東海学園/3年/MF)
→清水エスパルス内定
 
 181センチの大型ボランチは精度の高い左足のキックで決定的なチャンスを演出する。足もとの技術が高く、安定したボールキープは、かねてからJスカウトたちの目を惹きつけ、10月に清水への来季加入が発表された。愛知予選では、準々決勝で刈谷に1-1からのPK戦で4-5と敗れ、残念ながら夏のインターハイに続く全国出場は叶わなかった。
 
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森島 司(四日市中央工/3年/MF)
→サンフレッチェ広島内定
 
 今年はJ1広島の特別指定選手として登録されていたが、そのまま来季の加入が実現した。名門・四中工では1年時からレギュラーとして君臨し、国立でのプレーも経験。広い視野を活かした多彩なパスセンスと個の打開力で、決定的な仕事ができるボランチだ。三重予選では準決勝で三重を3-0で破ると、決勝では海星を4-2で撃破。2年ぶりの全国大会に駒を進めている。
 
 
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一美和成(大津/3年/FW)
→ガンバ大阪内定
 
 高校2年の5月にCBからFWへと転向。それからわずか1年でU-18日本代表まで上り詰めた注目のストライカー。元々の足もとの技術、身体の強さに加え、徐々にFWとしての素質も花開きつつある。FWとしてのキャリアが浅いぶん、その将来性や伸びしろには大いに期待できるだろう。大津は順当に熊本予選を勝ち進み、濟々黌との準決勝では10対0の圧勝。決勝では東海大星翔との乱打戦となり、これを7-4で制して全国出場を決めた。
 
 
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野田裕喜(大津/3年/DF)
→ガンバ大阪内定
 
 すでに高校2年時にJ2熊本の特別指定選手としてJ2リーグ戦のピッチに立ったCBは、3年となった今年も4試合に出場した。うち3試合は先発フル出場を果たすなど、同世代では桁外れの実力と経験値を持っている。U-18日本代表でも不動の存在となっているだけに、あとは大津での最後の大会で結果を残すのみ。夏のインターハイではベスト16と不本意な結果に終わっているだけに、全国の舞台で期するものはあるはずだ。
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山本 蓮(久御山/3年/MF)
→未定
 
 いまだ正式内定は出ていないものの、Jクラブのスカウトたちが継続的に追っている注目のアタッカー。柔らかいボールタッチとドリブルスキルの高さに加え、豊富なアイデアで多彩な仕掛けを見せる。夏のインターハイでは初戦で桐光学園、2回戦では青森山田と強豪校を連破。3回戦では準優勝した市立船橋に2-4で敗れたものの健闘が光った。京都予選では準決勝で、京都3連覇中の京都橘と激闘を繰り広げた末に3-4で敗戦。冬の檜舞台に立つことはできなかった。
 
 
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林 大地(履正社/3年/FW)
→未定
 
 いずれもG大阪ジュニアユース出身で1年時からレギュラーを張り続けてきたDF安田拡斗、MF川畑隼人、牧野寛太とともに、この2年の履正社の躍進を支えてきたひとり。ゴールへの飽くなき執着心で相手ディフェンスの壁を突き崩す突破力は、Jクラブとの練習試合でもたびたび威力を発揮している。しかし大阪予選では、11月3日の準々決勝で興国に0-0の末にPK負け。今冬の選手権では履正社の白いユニホームは見られない。
 
 
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伊藤涼太郎(作陽/3年/FW)
→浦和レッズ内定
 
 岡山決勝では玉野光南に後半ロスタイムに追いつかれ、さらに延長後半ロスタイムには世界で話題となった鮮烈なボレーに沈み、全国出場は夢と消えてしまった。しかし、伊藤のプレーは高校サッカーファンの脳裏にしっかりと刻まれている。前回大会の選手権1回戦・流経大柏戦では、DFを股抜きでかわし、さらにループシュートでネットを揺らすハイレベルなゴールを披露。敗れはしたものの4強入りした流経大柏を相手に2得点の活躍ぶりで、これが伊藤の評価を高める試合となった。
 
 浦和加入の記者会見では、「周囲の方からは、やはり浦和レッズで出るのは厳しいと言われたが、僕はそう捉えてはいない。浦和レッズで試合に出られれば、日本代表、世界というものも見えてくると思う」と答え、向上心の強さを見せている。