「裏山の怪談」[著]吉田悠軌昼間の子供の喧噪も消え、ガランとした空き地に滑り台やベンチなど無人の舞台装置だけが取り残されている。そんな空間を取り囲むように、人気(ひとけ)のない団地が何棟も並んでいる。空漠としたその背後から覆い被(かぶ)さるように襲う、黒い「裏山」。何とも不穏な怪異感を漂わせ、不気味な予感がする。平穏な日常を侵食し、次の瞬間、反転するに違いない空気を醸す本書のカバー絵が、読