「最初は冗談だと思いました。亡くなる前日も、19時ごろに彼と電話したばかりだったんですよ。彼は『明日もトレーニングだ』と言っていました。なのに、翌朝6時に共通の知人から訃報が入ったんです。あれが、最期の会話になるなんて……」

 そう絶句するのは、元サッカー日本代表・奥大介さん(享年38)の友人だ。10月17日早朝4時25分ごろ、奥さんは宮古島市の県道を軽自動車で走行中に電柱へ激突。救急搬送されるも、そのままこの世を去った。彼は約3カ月前から宮古島の高級リゾートホテルでアルバイトし始めたばかりだったという。

 奥さんにとって、それは第二の人生のスタートだった。昨年1月にサッカー選手を引退。その直後の6月、02年に結婚した女優の佐伯日菜子(37)への脅迫容疑で逮捕されてしまう。翌7月には、離婚が成立。起訴は取り下げられたが、2人の娘の親権は妻に渡った。

「離婚の際、大介さんは多額の財産分与や養育費の支払いにも応じました。また、彼は佐伯さんのもとに近づかないという約束をしましたが、子供たちに会えない状態となったことが何よりつらかったようです」(芸能関係者)

 9月と10月には、愛する娘たちの誕生日があった。いつもなら、みんなでお祝いをしていたはず……。一時の間違いが、それをできなくしてしまった。会いたくても娘たちには会えない。そんな思いから、彼は宮古島へと向かったのかもしれない。前出の友人は、離婚後の奥さんの様子についてこう振り返る。

「彼は、娘たちのことをかわいがっていました。今年も娘の誕生日が近づいて来ると『もうすぐだなぁ』と寂しがっていました。宮古島に行ってからも、現地でサッカーをしている子供を見かけたら教えてあげていたみたいです」

 新天地でも消えなかった悲しみ。だが、そんななかでも彼は前に向かって歩み始めていた。勤務先のホテルでは皿洗いや食器の準備などに従事。周囲には「将来は、飲食店を開きたい」と夢も漏らしていたという。再起を図っていた矢先に起きた、非業の死。遠い宮古島に渡った大介さんは、早朝の車中でいったい何を思い描いていたのだろうか――。