アレン・マイナー  株式会社サンブリッジコーポレーション 代表取締役会長兼サンブリッジグループCEO。日本オラクルの初代代表に就任し、今日の日本オラクル社の急成長の礎を築きあげる。1999年に設立したサンブリッジの代表取締役として、数多くのベンチャー企業への投資に加え、株式会社セールスフォース・ドットコムをはじめとする海外クラウドベンダーの日本におけるジョイントベンチャーの設立にも携わる。2011年より新たに、初期段階からグローバルを視野に入れるベンチャー企業を支援する「グローバルベンチャーハビタット」を立ち上げる。著書に『わたし、日本に賭けてます。』(翔泳社)がある。

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今回の対談相手は、日本のインターネットビジネス黎明期からベンチャー投資業界を牽引してきたベンチャーキャピタル「サンブリッジ」の創業者、アレン・マイナー氏。彼は、1999年に創設したサンブリッジの代表取締役として、アイティメディアやセールスフォース・ドットコム、等のベンチャー企業に投資し、IPOを実現させてきた人物。日本語を話し、日本の文化を知るマイナー氏は、大学卒業後に入社したオラクル2年目で、驚きの提案を行う。「偶然の出会い」がもたらしたものとは?

ベンチャーキャピタリストではなく
宣教師として日本へ

武田 今回は、日本のインターネットビジネス黎明期からベンチャー投資業界を牽引してきたベンチャーキャピタル「サンブリッジ」の創業者、アレン・マイナーさんにお越しいただきました。サンブリッジは、日本のベンチャーにシリコンバレーの風と勢いをもたらしてくれた企業です。

 実はエイベック研究所も、サンブリッジに投資していただいたベンチャー企業の1社で、もう15年の付き合いになります。アレンが「なぜ日本に来たのか」などの経緯はうかがったことがありませんでしたね。今日はそのあたりから、お話しいただければと思っています。

マイナー 僕は、モルモン教の本部があるユタ州で生まれました。モルモン教徒の男性は19歳になるときに、どこか別の国に宣教師として赴くのが通例なんです。行き先は協会が決めるのですが、通知する手紙に「日本」と書いてあったときはうれしかったですね。子どものころから日本を紹介する絵本を読んでいて、日本に関心があったんです。行き先は、神様のお導きだと思っていました。そうして北海道に2年間、宣教のために赴任しました。

武田 2年の期限が終わったら、どうなるんですか? そのまま宣教師になるのでしょうか。

マイナー それは決められていないんですよ。僕は、アメリカに戻って大学に行きました。高校生のころからコンピュータプログラマになりたいと思っていたので、コンピュータサイエンスを勉強して、並行して哲学の授業もとっていました。2年生になってからはアジア文化学を自由科目で受講したんですけど、それがおもしろくて。中国、日本、インドなどの宗教、文学、歴史、音楽などをすごいペースで学ぶんです。

武田 でも、そういった仕事には就かなかった。

マイナー そうですね、新卒でオラクルに入社しました。僕が大学を卒業した1986年に、オラクルが新卒採用を始めたんです。当時の全社員の10%、約45人を新卒で採りました。たまたまそのときに、オラクルの営業本部長が熱心なモルモン教徒だったんですよ。

武田 へえ!

マイナー だから、45人中3人はモルモン教の大学出身者だったんですよ。オラクル創業者のラリー・エリソンらは、ハーバードやMITではなく、どうしてそんな地味な大学から採るんだと聞いたらしいのですが、その本部長は“Trust me!”と言ってそのまま採用したそうです(笑)。

武田 そのなかにアレンもいた、と。いろいろな偶然が重なっていますね。

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