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 西武戦の中止を受けて、選手たちは甲子園の室内練習場で黙々と汗を流していた。仕切り直しとなる3日。それは長嶋茂雄さんの命日でもあった。練習後、森下は偉大な先人を思いながら言葉を紡いだ。

 「野球の歴史をつくってきた人。また、今年もいい姿を見せられればなと思っています」

 長嶋さんと言葉を交わしたことはない。それでも映像に残るファンを魅了し続けたプレースタイルや言動にくぎ付けになった。長嶋茂雄さんの「追悼試合」として開催された昨年8月16日の巨人戦では敵地でキャリアハイの17号2ランを放った。同じ大卒入団の右打者。球宴、日本シリーズなど大舞台での活躍が際立つスター性、そして勝負強さが若虎の魅力だ。さらにファンに愛されるなどの共通点もある。

 この日、発表された「マイナビオールスターゲーム2026」のファン投票の中間発表では最速で20万票を突破した。新設された「長嶋茂雄賞」候補の一人にも挙がる。「最終的に結果を見て選んでくれたらうれしい」。2リーグ制以降、球団初の連覇を目指して突き進む中でも名誉ある賞の獲得へ向けても意欲を見せる。

 3日の一戦はリーグ首位を走る西武が相手だ。新人ながら守護神を担う岩城は中大の3学年下。「(大学時代は)今ほど目立った成績とかも残していなかったから、その時の印象とはだいぶん違う」。16セーブを挙げる後輩の成長に目を細めながらも「なるべく(守護神を)出させない展開が良いですけど、出た時には、しっかり打てる準備はしておきたい」と対戦を見据えていた。

 ここまでの勝利打点8は両リーグトップ。勝負を決定づける一打の数は数字で証明済みだ。国民的スター、「ミスター・プロ野球」の背中を追う虎の背番号1がミスター道を歩む。 (石崎 祥平)

 ▽長嶋茂雄賞 長嶋さんの功績を称えるため25年11月に制定され、26年からスタートする表彰。対象選手は「その年の公式戦およびポストシーズンの公式戦において、走攻守で顕著な活躍をし、かつ、グラウンド上のプレーにおいて、ファンを魅了するなど、日本プロ野球の文化的公共財としての価値向上に貢献した野手」。日本シリーズ終了後に選考委員会(王貞治氏、山本浩二氏、岡田彰布氏、栗山英樹氏、松井稼頭央氏)を開き決定。記念品と賞金300万円が贈られる。