ビバホームのアークランズは「かつや」も展開している

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ホームセンター運営のジョイフル本田と、「ビバホーム」のアークランズが経営統合することとなりました。売上規模でコメリを抜き、業界4位の巨大グループが誕生します。ホームセンターは市場が横ばいで推移しており、事業推進の効率化を目的とした業界再編が目立っていました。一方、効率化が重視されることで、ブランドの“らしさ”が失われることにもなりかねません。
◆売上4000億円超で業界4位へ

ジョイフル本田の2026年6月期の売上予想は1310億円、アークランズは2026年2月期の売上高が3411億円でした。アークランズは「かつや」などの飲食事業や不動産事業も展開しています。しかし、「ビバホーム」などの小売事業の売上が2767億円であり、ジョイフル本田と経営統合するとホームセンター事業だけの売上で4077億円。現在、業界4位につけているコメリの2026年3月期の売上高は3853億円。今期の売上は4008億円を予想しており、僅差ながらもジョイフル本田とアークランズが上回って4位の座を奪取する見込みです。

ジョイフル本田の業績はやや停滞気味。2026年6月期は2割程度の営業減益を見込んでいます。客数が減少し、売上が伸び悩んでいるのです。2026年1月から4月までの客数は前年同期間比2.0%減、売上高は0.1%の減少でした。2026年2月に2026年6月期通期見通しを修正し、売上高を20億円、営業利益を12億円それぞれ引き下げています。

2025年6月から2026年3月までの既存店の売上において、家具などのインテリア・リビング商品は前年同期間比で3億円、ペット・レジャー商品は4.5億円減少しました。インフレによる節約志向の影響を受けているようで、価格訴求施策である「Get!!得!!(ゲットク)」を実施した2026年3月から既存店の客数が前年同月を上回るようになりました。

ジョイフル本田は特に建設業などのプロ向けの商材に強い店舗展開を行っていますが、中東情勢の緊迫化でナフサ不足の影響が中小の工務店にも出始めています。住宅の納期の遅れや住宅価格が上昇して消費者の目が中古住宅などへと転じられることになると、少なからず影響を受ける可能性もあります。2025年6月から2026年3月までの資材・プロ用品の売上は前年同期間比で2億円減少しました。

◆ホームセンターに待ち受ける「先細りする未来」

アークランズの2026年2月期における小売事業は、売上高が前期比8.4%増の2767億円だったものの、営業利益は19.1%減の45億円。ビバホームにおいては、主力カテゴリーである建築関連資材・用品及びDIY関連の売上が前期比1.9%、家庭用品が0.9%それぞれ減少しました。ホームセンターはコロナ禍のマスク需要や防災関連グッズの売れ行きが好調で、一時は繁栄を謳歌していました。しかし、インフレの到来で取り巻く環境は激変しています。

そもそも、少子高齢化という社会問題や、インターネットショッピングが発達した国内の今の状況において、ホームセンターという業態そのものが中長期的に先細りになるのは明らか。経済産業省の「商業動態統計」によると、ホームセンターの2025年の市場規模は3兆3917億円で、前年比0.2%の減少でした。

◆経営統合の成功例と失敗例は…

経営統合することで、大量仕入れによる原価の低減、システム統合による店舗運営の効率化、同エリアにおける顧客の食い合いの解消など、事業運営の効率化を図ることができます。大成功した例が東急ハンズで、2025年2月期は32年ぶりに最高益を更新しました。東急ハンズは2022年3月にベイシアグループのカインズに買収されていました。利益改善に貢献したのはオペレーションの効率化で、両社で商品を相互に供給しあう、DXで連携を図ったことが奏功。280店舗以上を運営するカインズのチェーンストアオペレーションを取り込むことで、経営再建に成功しています。