村上祥子84歳「大腿骨骨折から10日で退院、2週間で講演のために遠征。<空飛ぶ料理研究家>である私にとってのリハビリは…」
日本全国を飛び回ることから「空飛ぶ料理研究家」と呼ばれる84歳・村上祥子さん。料理研究家人生60年の村上さんは、「いくつになっても『食べること』『たんぱく質』をしっかり摂ること」が大切だと語ります。そこで今回は村上さんの著書『84歳。食べて、歩いて、カッコよく生きる。』より一部を抜粋し、「ちゃんと食べて、カッコよく生きる・ムラカミ流」の極意をお届けします。
【書影】料理研究60年でみつけた、人生でいちばん大切なこと。村上祥子『84歳。食べて、歩いて、カッコよく生きる。』
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すってん転んで、大腿骨骨折!
2023年(令和5年)8月14日、板張りのスタジオで滑って跳ね上がり、ドタンと落ちて腰を打ちました。
目から火花が散ったかと思うほどの痛さです。救急車で運ばれます。
大腿骨骨折でした。
手術を受け、翌日からリハビリが始まり、ステッキがあれば歩けるようになり、10日で退院しました。
翌日には動画を撮影、同じ週の土曜日は…
自宅に帰った翌日は、納品日の迫っていた大阪府堺市教育委員会ご依頼の「早寝、早起き、朝ごはん」の動画を撮影しました。
同じ週の土曜日は、大分県竹田市の「たけた福祉健康フェア〜人生100年時代ちゃんと食べてちゃんと生きる〜」の講演会に。博多駅で新幹線に乗ります。熊本にいる息子からスマホに電話がかかってきました。
「退院したんだってね。時間ができたので福岡まで様子を見にいこうと思うのだけど」
「実は今、新幹線の中」
「どこへ?」
「豊後竹田まで」
「帰りに熊本駅で乗り換えるからそのときに」
豊後竹田駅に到着。肺結核のため23歳で亡くなった“荒城の月”の作曲家、滝廉太郎氏の銅像を駅で仰ぎ見て涙がにじみます。ステッキをついて階段を下ります。
翌日は神戸、京都で講義
講演を終えると、竹田市役所の担当の方が豊後竹田駅のホームで特急“あそぼーい!”の指定席におみやげの「かぼす」を載せてくれました。降車時、2kgのかぼすは骨折した私にはとても運べません。特急の添乗員さんが改札口まで運んでくれ、事なきを得ます。熊本駅のレストランで息子一家と夕食。
「お母さん、折角だから今夜は家に泊まってください」とお嫁さん。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
「泊まりたいのは山々だけど、入院していたから原稿がたまっているの。今晩は帰ります」
翌日は神戸、京都と2カ所のNHK文化センターで講義。新幹線で移動していると、また、息子から電話。車内アナウンスでうまく聞き取れません。
「ごめんね、新幹線に乗っているのよ。降りたら電話するから……」
こんな調子でステッキをついて徳島県の男女共同参画総合支援センター「フレアキャンパス講座〜シンプル家事で充実生活〜」の講演に出かけました。
講演に飛び回るのがリハビリ
後日、支援センター所長からいただいたメールを一部ですがご紹介します。
「前略。講演数日前に骨折されたと伺い、長距離移動がご負担ではないかと心配しておりましたが、お目にかかって、講演に飛び回るのがリハビリと仰る先生のバイタリティーにただただ敬服です。『ちゃんと食べてちゃんと生きる』、空飛ぶ料理研究家として飛び回るっていうことが、まさしく健康の秘訣なんだと、ストンと腑に落ちました」(後略、原文ママ)。
骨折から2週間ほどで、こんなにあちこち出歩く人はいないでしょうが、忙しく飛び回ることが、私にとってはまさにリハビリ。ちゃんと食べて、たんぱく質をしっかり摂っているからこそ動けるのだ、と自負しています。
※本稿は、『84歳。食べて、歩いて、カッコよく生きる。』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
