【若尾 淳子】200円台の驚愕価格も!人気スーパーがしのぎを削る「ワンコイン以下かつ丼」大学生の忖度なし実食の「一番人気」
原油問題や円安……あらゆるモノが値上がりする中、奮闘しているのが、スーパーマーケットで販売されるお惣菜・お弁当たちだ。2025年から話題を集めているのが、トライアルで販売される『三元豚のロースかつ重』。なんと価格は驚異の277円(※販売店舗は増えているが店舗によって価格は少し異なる場合も)! 花小金井店では、完売御礼のPOPが出るほど今も人気を集めている。
しかし、スーパーマーケットの取材を重ねていくと、トライアル以外の大手スーパーでもかつ丼・かつ重に力を入れていることが判明した。しかも、どの店舗も独自の味わい、低価格にこだわっている。そこで、都内の人気スーパーのかつ丼・かつ重8種類を並べて食べ比べてみることに。ジャッジするのは、食べ盛りの大学生3名(A君・B君、C君)とスーパー巡りが大好きでお惣菜・お弁当にも詳しい主婦2名(Aさん・Bさん)。
前編では、ジャパンミート、トライアル、いなげや、サミットについてレポートしたが、後編ではマミーマート、まいばすけっと、オーケー、ヤオコーを実食していく。8種食べ終わったところで、総合評価。忖度なしで、徹底レポートする。
※商品名、価格、カロリー表示は2026年4月末現在のものです。重さに関しては編集部でキッチンスケールを用いて測定しているため誤差がある可能性があります。また、店舗によって価格が異なる場合もございます。
隠し味に興味津々 マミーマートのロースかつ重
生鮮市場TOP! 東久留米店
だし香る!ロースかつ重
価格:499円(税抜き)
重さ:425g
カロリー:不明
※かつおとこんぶの芳醇な香り
生鮮市場TOP!は、お惣菜・お弁当で人気を集めるマミーマート系列のスーパーだ。お惣菜やお弁当の数も豊富。試食を始めると、大学生たちから意外なリアクションがあった。
「普通のかつ丼のかつと違って脂身がしっかりあっておいしい」と言いつつ、「なんかこれ、味噌かつっぽくない? かつ丼・かつ重といわれて想像するたれの味とは違う……。でも、おいしい」「かつにはタレがかかってるけど米にはかかってないんだよね。自分は米にもタレがシミシミなのがいいから、かつ丼というよりも別皿盛り的な食感」と、大学生たちは口々に「他とは違う」「知っているかつ丼とは違う」としながらも「おいしい」という。
マミーマートのリピーターで名古屋出身の主婦Aさんは「マミーマートは、揚げ物がおいしい。だからかつも脂っぽくなくてカラッとしている。でも、大学生たちが言うようにかつ部分の遠くに味噌の風味が感じられる。味噌かつ風味があるような」。Bさんは「肉が立派で大きいよね。いわゆるかつ丼のイメージとは違うけど、衣がカリっとしていて味もおいしい。私は一番好きだな」と。ユニークな意見で高評価だった。
大学近くでも購入可 まいばすけっとのロースかつ重
まいばすけっと 早稲田3丁目店
熟成三元豚のロースかつ重
価格:399円(税抜き)
重さ:370g
カロリー:597Kcal
※低温熟成豚ロース使用で柔らかジューシー
他店のかつ丼・かつ重は見た目で肉の存在感や卵の充実感をアピールしているものが多い。ところがまいばすけっとのかつ重は、パッと見てフラットな卵焼きが載っている感じで正直かつの存在感はそんなに重視していない感じだ。試食前は「なんか肉ちっさいな」「見た目イマイチ」と大学生たちの反応も鈍かった。
ところが食べたとたん「うまい!」の声が……! 肉の評価はそれほどでもなかったが、味付けと卵&玉ねぎのおいしさが好評だった。「マミーマートと対極で、米にタレが染みてて『かつ丼食ってる〜』っていう満足感がある」「卵と玉ねぎがちゃんとおいしいのがいい。量もたっぷり。少なめの肉をカバーしてるのかな」と味付けも高評価。
たしかにかつは薄さが目立つが、卵の多さで物足りなさを感じさせないのがいい。主婦Aさんも「とにかく卵がおいしい。出汁巻き卵みたい。『普通のかつ丼はちょっと重いな』というとき、これ選んじゃうかも」と。女性だとちょっとかつ丼・かつ重はヘヴィーすぎるという人にもお勧めといえそうだ。
分厚い肉が食べ応え満点。オーケーのロースかつ重
オーケー 高田馬場店
ロースかつ重(カナダ産三元豚使用)
価格:339円(税抜き)
重さ:482g
カロリー:935Kcal
※発売から10年 5000万食突破
大学生たちから肉のボリュームで評価が高かったのがオーケーのロースかつ重。「肉自体がすごくおいしい」と大喜びするものの、これまでの食べ比べで評価軸が増えたのか「ただ少し卵が硬い。卵が半熟じゃないのが残念かも。食べ応えはあるんだけど」「玉ねぎが少なめで、味付けも薄味。量は多いけどガッツリ感が少なく感じる。ただトータルすればおいしい」「味が少し薄いかなー。ちょこっと醤油かけたい気持ちになる」という感想だった。
実際に食べてみると、衣も厚めだが「お肉を食べている」という満足感が大きかった。主婦Bさんからは「子どもに食べさせるなら、いい感じのボリューム。でも私たち世代じゃ食べきれないね」
たしかに482g/935Kcalは、これだけで成人男性の摂取カロリーの約半分を占めるなかなかの高カロリーメニュー。食べ盛り、運動部系にはお勧めできる商品といえそうだ。また、100gあたりでの価格比ではトライアルに次いで高コスパとなった。低価格でたくさん食べたい人にお勧めだ。
甘口好き向き!? ヤオコーの煮込みかつ重
ヤオコー 東久留米滝山店
厚切りロースの煮込みかつ重
価格:498円(税抜き)
重さ:500g
カロリー:900Kcal
※熟成チルドポークを厳選濃厚鶏卵でとじてある
最後はヤオコーの厚切りロースの煮込みかつ重を実食。「家族がヤオコー好きでときどき車で魚を買いに行くのにつきあっている」という大学生のA君だがヤオコーのかつ重を食べるのは初めて。「他の商品に比べて味付けが甘め。甘めの味付けがあまり得意じゃないから、途中でキツくなりそう」との感想。食が細めのC君も甘めの味付けを指摘するが、「でも定番のかつ丼・かつ重って感じ。玉ねぎはけっこう入ってるし、比較して食べているから甘さを強く感じるのかも。普通に出てきたら完食すると思う」。
高評価だったのは見た目。「盛り付けや肉の断面がすごくキレイで思わず手に取りそう」と言いつつ、食べた後は「お米が少し柔らかくいかな。もう少し硬いほうが甘い味付けとマッチングがいい気がした」という声も。
たしかにご飯は少々柔らかめ。主婦2名からも「丼や重ものは、少し硬めのご飯がいいかな……」とご飯に対する意見があったが、主婦Aさんの義父はヤオコーのこのかつ重がお気に入りだという。「高齢の人とかにはこのつゆだく感やお米の感じは好きかも。煮込んであるからお肉も柔らかいし。義父が好きな理由がよくわかった」とのこと。
8スーパー、総合最終評価はいかに!?
8スーパーのかつ丼・かつ重の試食がすべて終わり、大学生たちに「どれが一番おいしかった?」と聞いてみると、一斉に「いなげや!」との回答。たしかに食べている最中から「おいしい」「うまい!」と連呼していた。A君は「食べ比べてわかったけど、かつ丼のキモは玉ねぎ。煮るとちょっと甘くなる玉ねぎあってこそのかつ丼だってわかった。もし、いなげやのかつ重に玉ねぎ増量バージョンが出たら無敵かも」とのこと。
体育会系で腹ペコ度が常に高い一人暮らしのB君は「がっつり食べられるのはオーケー。でも、オーケーより100円安くて税込み300円以内で買えるトライアルも捨てがたいな。しかも、トライアルもおいしかったし。遅い時間になると値引きしているという情報も教えてもらったので、2個購入して食べてもいいなと思った」。物価高のご時世、ワンコインでお弁当だけでなく、ドリンクも購入できてしまうというのは、一人暮らしには神コスパといえる。
かつ丼より天丼派というC君は「やっぱりいなげやが一番だけど、マミーマートは別メニュー的な感じでおいしかった。肉自体がうまいなと思ったし」だそうだ。
主婦のAさんはマミーマート推し。「自分で食べるために買うならマミーマート一択。子どものためのお弁当なら、彼らの意見を重視していなげや、かな」。筆者もAさん同様、マミーマートがおいしかった。主婦のBさんからはこんな意見も。「実家の近くの西友でもトライアルのかつ重が入手できるようになって、実家の母がたまに買っているらしい。『年金生活者にとって出来合のお弁当でこの価格は本当に助かる。しかも、だしが効いて味付けもいい』とシニア世代にも高評価。これからお弁当容器の価格も上がり277円を維持するのは難しいかもしれないが、いろんな世代から支持されているので頑張ってほしいと思っている」と……。
確かに、今回、かつ丼・かつ重のリサーチを進めてみると、さまざまなスーパーがお弁当・お惣菜のバリエーション、味付けなどに工夫を凝らし、さらに驚くほど低価格のお弁当も販売していて、企業努力を続けていることが見えてきた。その象徴的なアイテムが、かつ丼・かつ重なのかもしれない。今回の評価は、個人的な味の好みも正直あると思うのであくまでも目安として、ぜひとも自身の舌で味わってみてほしい。
