普通預金に「500万円」を“貯めっぱなし”の息子。NISAでなくとも「せめて定期預金に」と伝えましたが“面倒だからいい”とのこと…「普通預金・定期預金・NISA」でどれだけの差になりますか?
500万円を10年間預けっぱなしの場合、普通預金と定期預金でどれだけの差になる?
2025年12月の日銀による追加利上げを受けて、メガバンク3行は2026年2月から普通預金金利を0.2%から0.3%へ引き上げました。一方、メガバンクの1年もの定期預金の金利は0.40%で、普通預金よりも高い水準に設定されています。
預金の利息には一律20.315%の税金がかかるため、手元に残るのは税引後の金額です。500万円を普通預金(年0.3%)に10年間預けた場合、税引後の利息合計はおよそ11万9000円になります。定期預金(年0.40%)であれば税引後で約15万9000円となります。
つまり、メガバンクの普通預金と定期預金では、500万円を10年預けた場合に受け取れる利息に約4万円の差が生まれます。「面倒だから」と普通預金に放置しているだけで、定期預金に預け替えた場合との差が10年で4万円になります。
預金金利は今後の日銀の政策次第で変動する可能性があり、現在の水準が10年間続く保証はありません。それでも、少なくとも「使う予定のないお金」は定期預金に移すだけで、ノーリスクで受取利息を増やせます。
NISAってやっぱりいいの? 制度をおさらい
NISAは、投資で得た利益が非課税になる国の優遇制度です。通常であれば、株式や投資信託で得た配当金・売却益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座を使えば非課税で利益をまるごと受け取れます。
2024年1月からスタートした新NISA制度では、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類が併用できるようになりました。年間の投資上限額は合計360万円で、生涯を通じた非課税保有限度額は1800万円まで拡大されています。
さらに、非課税保有期間が無期限化されたため、期限を気にせず長期で運用を続けられるようになりました。NISA口座は、国内の18歳以上であればだれでも1人1口座を開設でき、「投資は怖い」と感じる人でも、少額から始められる点が魅力と言えるでしょう。
500万円を年間50万円ずつ10年投資すると、10年後に普通預金・定期預金と比べてお金はどう変わる?
NISAで投資信託を運用した場合、預金との差はどうなるのか見ていきましょう。金融庁のデータによれば、国内外の株式・債券に分散投資して20年間保有した場合の年率リターンは2~8%の範囲に収まっています。
NISAは制度上500万円の一括投資ができないことに加え、投資の基本である時間分散(リスク軽減)の観点から、今回はつみたて投資枠に年間50万円ずつ10年間にわたって積み立て、計10年投資できた場合を想定します。
上記の条件で年利3%の複利運用を10年間続けると資産は約586万円まで増え、利益は約86万円です。年利5%であれば約648万円となり、利益は約148万円にまで達します。NISA口座であれば運用益は全て非課税なので、利益をそのまま手元に残せるのも大きなメリットです。
普通預金の税引後利息が10年間で約11万9000円、定期預金でも約15万9000円にとどまる一方、NISAの年利3%運用なら約86万円の利益になります。預金とNISAの差は、70万円以上になる計算です。もちろん、NISAには元本保証がなく、市場の変動によって一時的に資産が目減りするリスクもあります。
ただし、金融庁のデータが示すように、長期・分散投資を前提にすれば元本割れのリスクは低減する傾向にあります。預金とは性質の異なる金融商品であると理解した上で、まずは少額から検討してみる価値は十分にあるでしょう。
まとめ
500万円を10年間預けた場合、普通預金と定期預金の利息差はおよそ4万円です。一方、NISAで年利3~5%の運用を続ければ、利益は86万~148万円にもなり、預金との差は70万円以上に広がります。
「面倒だから」と普通預金に放置し続ければ、10年後に100万円以上の機会損失を生むかもしれません。まずは使う予定のないお金を定期預金に移すだけでも、ノーリスクで利息を増やせます。余裕があればNISAの活用も視野に入れ、「お金に働いてもらう」一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
出典
NISA NISAを知る
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
