「蒲原鉄道」に家宅捜索 責任はどこに…バス会社と高校側の説明“食い違い”部活バス事故【#みんなのギモン】
部活の遠征先に向かう高校生ら21人が死傷したバス事故で、8日、新たな動きがありました。バス会社と高校側との間で説明の食い違いが起きています。
そこで、今回の#みんなのギモンでは、「バス事故“食い違い”責任はどこに?」をテーマに解説します。
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警察は8日朝、高校生らが乗ったマイクロバスを手配したバス会社「蒲原鉄道」に家宅捜索に入り、道路運送法違反も視野に捜査を進めています。
6日、新潟市の北越高校・男子ソフトテニス部の部員20人が乗ったバスが、遠征先の福島に向かう途中に起きた事故では、17人が重軽傷を負い、稲垣尋斗さん(17)が車の外に投げ出されて、亡くなりました。
そして、7日夜、バスを運転していた若山哲夫容疑者が過失運転致死傷の疑いで逮捕されました。
捜査関係者によりますと、若山容疑者は「居眠り運転はしていない」「速度の見極めが甘かった。90から100キロ出ていた」という趣旨の供述をしているということです。
また、若山容疑者は、客を運送して対価を得る「二種免許」を持っていないこともわかりました。
■両者の説明、真っ向から食い違う

鈴江奈々アナウンサー
「現状でまだ捜査が続いている段階ではありますが、なぜこういった痛ましい事故を防ぐことができなかったのか。そのあたりがとても気になります」
なぜ、事故が起きてしまったのか。
バス会社と高校側との間で説明の食い違いが起きています。両者の会見を整理します。
まず、レンタカーを手配したバス会社「蒲原鉄道」の説明です。
手配したのは営業担当で、北越高校側から経費を抑えるため、貸し切りバスではなく「レンタカーを使って送迎したい」と依頼があったという説明でした。
また、運転していた若山容疑者については高校側から、「ドライバーも紹介してほしい」という依頼を受けて、営業担当の知人の知人を手配したと説明していました。
しかし、学校側は、こうした発言はしていないと話します。男子ソフトテニス部の顧問が、バス会社の営業担当者に、人数や時間、行き先を伝えた上で「貸し切りバス」の手配を依頼をしたといいます。経費を抑えたいという発言もしていないと。
さらに、「レンタカーではなく、きちんとしたバスだと思っていた」「運転手もバス会社の社員や関係者だと思っていた」と説明しました。
バス会社側の説明と、高校側の説明が真っ向から食い違っています。
■「白ナンバー」のマイクロバスを使用

山粼誠アナウンサー
「どういったコミュニケーションがとられていたのか、まだわからない部分が多いと思うんですけれども、何かしらのやり取りをした跡というのは絶対にあるはずですので、そういったところから責任の所在がわかっていくというのが求められますよね」
今回、実際に使われたのは「白ナンバー」のマイクロバスでした。
バスのナンバープレートの種類には、「白ナンバー」「緑ナンバー」の2種類があります。
「白ナンバー」は自家用車と同じ扱いですが、「緑ナンバー」はお金を受け取って客を運ぶ車で、厳しい運行管理が求められています。二種免許が必要で、観光バスや路線バス、タクシーなどがあげられます。
もしも、運転手にお金を渡して、「白ナンバー」の車を運転すると、場合によっては、いわゆる「白バス」と呼ばれ、道路運送法に違反するということです。
■金銭の受け取りは…焦点の1つ

こうしたことから、焦点の1つとなるのが、ドライバーの若山容疑者が、今回の遠征でお金を受け取っていたかどうかです。
現在のところわかっていないのですが、バス会社は会見で、ドライバーに対して「始めからいくら出すからやってくれ」という話はしていないと、明確な金銭の話はしていないとしています。
そのうえで、なんらかの金銭は発生する、それが手当なのか、弁当代なのかはわからないが、遠征から帰ってきてから学校にどれくらいか相談するというふうに説明していました。
学校にも、弁当代なり、お願いする話になっていたようだということです。
これについて、元大阪地検検事の亀井弁護士は、「ガソリン代や高速代などの実費は金銭の授受にあたらないが、例えば、数千円のお弁当などになってしまうと、『白バス』に該当する可能性がある」と話していました。さらに、若山容疑者がお金を受け取ることになっていたかどうか、その名目なども今後のポイントになるということです。
鈴江奈々アナウンサー
「バス会社が言っていたように、ドライバーに対して明確な金銭の話は事前にはなかったとすると、ボランティアのような形でもしかしたら運転されていたのかもしれないですけれども、そういったところの事実確認というところが今後の焦点になりそうですね」
■遠征費用はどう支払う予定だったのか

今回の遠征の費用について、高校側はバス会社にどういう支払いをする予定だったのか。
高校側は会見で、遠征が終了したあとで後日、バス会社に代金を払うことにしていたと説明しています。
その上で、バス会社とは古くからの関係で、特にお金の部分で細かく詰めていないということです。
そして、今回に限らず、こうした遠征などでバスを利用する場合は見積もりなどの書面を取り交わすことをしていないとしています。
また、バス会社の会見では、ドライバーの手配などについて、手数料など受け取らない、あくまで“お手伝い”だったと主張しています。
林田美学アナウンサー
「古くからの関係だったとしても、お金の部分を細かく詰めていないというのは少し曖昧で気になりますね」
高校側も実際に、これについてはあり得ない対応だったといっていて、見直ししていくというふうに話しています。
先ほどの亀井弁護士は「書面を交わさず、両者間のやり取りが曖昧な状況で、暗黙の合意のまま進んでいた可能性があり、事実関係を曖昧にしている要因ではないか」と話していました。
鈴江奈々アナウンサー
「曖昧な状況というのが、少しずつみえてきていますが、今回のこういった遠征でバスを利用するというのは、この学校の特異な例ではなく、ほかの教育現場でもみられることなので、曖昧な状況が改善されるということが望まれると感じます」
亀井弁護士は、今後の大事なポイントとして、運転していた若山容疑者の供述、そして、これまでバス会社が高校から依頼を受けて送迎してきた実績、過去にどういう使い方をしてきたか、この2つが重要になってくると話していました。
(5月8日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)【#みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)
