プレーオフを勝ち抜いたスウェーデン。列強にも引けを取らない攻撃陣が最大の武器だ。(C)Getty Images

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 青と黄のシャツを特徴とする北欧の雄スウェーデンは、ワールドカップの歴史を語るうえで欠かせない国のひとつだ。

 第6回大会となった1958年、自国開催のW杯で準優勝を果たし、それ以前にも3位、4位を経験。当時は世界でもトップクラスの実力を持つ国として知られていた。

 しかし、その後は長い低迷期に入る。グループステージ敗退や予選敗退を繰り返し、次第に“古豪”という立ち位置になっていった。

 その流れは1994年アメリカW杯で変わった。トマス・ブロリン、マルティン・ダーリンを中心に、後に国民的英雄となる若き日のヘンリク・ラーションらを擁したチームは3位に躍進。攻撃的で勢いのあるサッカーで世界を驚かせた。

 その後もスウェーデンは周期的に結果を残してきた。ラーションとズラタン・イブラヒモビッチが攻撃を牽引した2002年日韓大会、06年ドイツ大会ではベスト16入り。さらに18年ロシアW杯では、イブラヒモビッチ不在の中で組織力を高め、ベスト8進出を果たしている。

 ただ、その一方で浮き沈みの激しさも。前回のカタールW杯は欧州予選で敗退。今回の北中米W杯予選でも苦戦が続き、途中でデンマーク人のヨン・ダール・トマソン監督が解任された。

 後任として招かれたのが、イングランド人のグレアム・ポッター監督だ。ブライトンやチェルシーで知られる指揮官だが、就任直後はチームの立て直しに苦しみ、予選グループは最下位に終わった。
 
 それでも、ネーションズリーグのランキングによって欧州プレーオフ出場権を獲得すると、そこから一気に本来の力を発揮する。難敵ウクライナ、ポーランドとのプレーオフ2試合で合計6得点を奪い、本大会出場を決めた。

 現在の基本システムは3−4−2−1。最大の武器は、列強にも引けを取らない攻撃陣だ。ウクライナ戦でのハットトリックなど、プレーオフで4得点を記録したヴィクトル・ヨケレス(アーセナル)を頂点に、カメルーンにルーツを持つ快速ウイングのアントニー・エランガ(ニューカッスル)、右からの鋭いカットインを誇るベンジャミン・ニグレン(セルティック)が2シャドーを形成する。

 さらに、プレーオフを怪我で欠場していた大砲アレクサンデル・イサク(リバプール)がプレミアリーグで復帰しており、スタメンでもジョーカーでも脅威となるのは間違いない。あとは個性的なタレント軍団が、目的のために一つになっていけるかが鍵になる。
 
 中盤は俊敏なテクニシャンであるヤシン・アヤリ(ブライトン)や、デュエルに強いイェスパー・カールストローム(ウディネーゼ)が支える。3バックはキャプテンのヴィクトル・リンデロフ(アストン・ビラ)が左側から統率し、中央のグスタフ・ラーゲルビエルケ(ブラガ)、右のカール・スタルフェルト(セルタ)が力強く構える。

 彼らの背後で熟練のGKクリストフェル・ノルドフェルト(AIK)が支えるが、守備の安定は本大会に向けた課題になる。
 
 急造気味ながらも、欧州プレーオフでそれなりの機能性を見せたスカッドに、強力なイサクが加わることで大きなプラスになるのか、それともマイナスに働くのかは分からない。ただ、ハマった時の爆発力は、本大会のグループステージで同組のオランダ以上とも言える。この点は、プレミアリーグでスター選手の扱いに慣れたポッター監督のマネジメントにかかっている。

 まずは、サブリ・ラムシ監督が守備を立て直しているチュニジアを、初戦で打ち負かせるか。それとも苦戦を強いられるのかで、評価は大きく変わりうる。右ウイングを主戦場に、スペイン王者で出番を増やしている20歳の新鋭ルーニー・バルドグジ(バルセロナ)など、若手のブレイクも躍進に大きく影響しそうだ。

文●河治良幸

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