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大型連休観光地や高速道路のサービスエリアでは、トイレに長い列ができることが少なくない。とりわけ男性用より女性用のほうが列が長くなりがちだ。

男性用に比べて個室が少なく、「男女のトイレ格差」という問題も指摘されている。国土交通省は今年3月、女性用トイレを増やすためのガイドライン案を示している。とはいえ、すぐに解消されるわけではない。

我慢の限界に近づいた女性が、思わず男性用トイレに駆け込んでしまったら--これは罪に問われるのか。SNS上では、過去に「今だけ男」と称して男性用に入ってくる女性が話題になったこともある。刑事事件にくわしい寺岡慎太郎弁護士に聞いた。

●緊急避難で許される場合も?

──女性が男性用トイレを使った場合、何か罪に問われるのでしょうか。

切羽詰まった状況はつらいものですが、法的には問題になり得る行為です。

まず考えられるのが、刑法130条の「建造物侵入罪」(※)です。トイレは不特定多数の人が使う場所ですが、男性用・女性用と分かれている以上、異性用への立ち入りは管理者の意思に反すると評価される余地があります。

ただし、別途「緊急避難」(刑法37条1項)が認められれば、違法性が阻却されます。これ以上我慢できないといった切迫した状況で、近くに他のトイレもなく、ほかに手段がないというようなケースでは、成立する余地があるでしょう。

もっとも「並びたくないから」という程度では認められません。安易な利用は法的リスクを伴います。これは男女逆でも同じです。

女性用トイレに長蛇の列ができているのをよく目にするので、早く改善されると良いですね。

(※住居侵入等) 刑法第130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。

【取材協力弁護士】
寺岡 慎太郎(てらおか・しんたろう)弁護士
法政大学法学部、同大学院法務研究科を修了後、第二東京弁護士会に弁護士登録。
弁護士業の傍ら、同大学院法務研究科にて支援弁護士として憲法、行政法を教える。
主な取扱い分野は離婚・男女問題、ネットトラブル、刑事事件。愛車はマツダRX-8。最近、油物を食べるのがキツくなってきた。
事務所名:あかがね法律事務所
事務所URL:https://culaw.jp/