【闘病】ただの“ぎっくり腰”だと思ったら『血液のがん』だった… 健康診断を疎かにした後悔
編集部
多発性骨髄腫と宣告されたときは、どのような心境だったのでしょうか?
古田さん
医師から説明を受けたときは、「ポカーン??」としてしまいました。なにしろ、病名すら知らない、聞いたことがないものでしたから他人事のように思えました。告知されたときは、むしろ家族のほうがショックの大きい様子でした。しかし、病気について自分で調べていくうちに、ことの重大さがわかってきました。ただ、同時に「病気になったのは仕方がないから、なるようにしかならない」「もうヤケクソで頑張るしかない」と腹をくくることもできました。
編集部
発症後に生活にどのような変化がありましたか?
古田さん
入退院を繰り返し、通院も続いて体力もガタ落ちで以前のような生活は送れなくなりました。ただ、些細な楽しみや喜びを敏感に感じられるようになり、あらゆることに感謝の気持ちを持って毎日を大切に過ごすようになっています。
編集部
現在も治療中ではあると思いますが、治療でつらかった時期に心の支えになったものは何でしょうか?
古田さん
家族の励ましです。本当によくサポートしてくれました。自宅から入院先の他県の大学病院、転院先の病院までどちらも車で1時間半程度かかります。それでも家族は私の顔を見るために何度も来てくれました。また、抗がん剤治療中は大学病院の近くのアパートまで借りてくれたのには感激して、「こりゃ頑張らんといけん!」と思いました。退院してからも自宅の生活環境をバッチリ整えてくれたので、感謝しかありません。
編集部
予想外の発症だったかと思いますが、過去の自分に伝えられることがあるとしたら何を伝えたいですか?
古田さん
「健康診断の結果を疎かにしないこと」です。私は日々の忙しさにかまけて健診を大事にしてきませんでした。普段健診や人間ドックを受けていない人にも言えることですが、定期的に自分の体をチェックしてほしいです。
編集部
現在の生活の様子や日々取り組んでいることも教えていただけますか?
古田さん
倦怠感はありますが、一応普通といってもよい生活ができています。以前は旅行やスノーボードをしによく出掛けていましたが、今は無理ということで、家で大人しくしていることが多くなったのは残念です。ですが、幼い孫たちが近くに住んでいて顔を会わせることもできますから、それが楽しみになっています。また、できる範囲で家事もして、家族への感謝の気持ちを示しつつ、自分自身の体が鈍らないようにしています。そして、特に気を付けているのは免疫グロブリンが低いことでかかりやすくなっている感染症です。家族も配慮してくれていて、これまでに何度か風邪で発熱したこともありますが、大事には至っていません。家族には感謝しつつ、このまま頑張っていきたいです。
編集部
現在は仕事に復帰しているのですか?
古田さん
仕事は体調面からとても無理なので、軽い掃除や洗濯など、できる家事はしようと心掛けています。趣味として以前からチェスが好きなので、オンライン対戦を楽しむ時間もあります。本当は仕事ができないぶん、もっと散歩などで外に出掛けないといけないとは思っているのですが、難しいところです……。また、骨折予防のためビスホスホネートのゾレドロン酸をしばらく使っていた影響もあり、顎骨壊死のリスクがあるそうです。そのため、最悪の場合は顎の骨が溶ける危険もあるので、口腔衛生に気を付けて定期的に歯科の受診などもしています。
多発性骨髄腫を広く知ってほしい
編集部
多発性骨髄腫について詳しく知らない、わからない人、普段から病気を意識していない人に伝えたいことは何でしょうか?
古田さん
いつ誰がどんな病気や事故に遭うかわからないですから、他人事と考えずに気を付けて毎日を大切に過ごしてください。私自身は「もっと体を大事にして健診も受けていれば」と後悔したからです。
編集部
ご自身の闘病体験を通して、医療従事者に望むこと、期待することはありますか?
古田さん
病院スタッフの皆さま、多忙を極める中、懸命に仕事(治療)にあたってくださり感謝しかありません。むしろ過労で倒れないかと心配です。無理をなさらないでください。強いて要望を挙げれば、もう少しゆっくり病気や薬剤、治療の説明をしていただけると助かります。今でこそ自分で調べて知識を吸収しましたが、医療の知識が全くなかったときは説明を受けても理解できなかったからです。
編集部
最後に読者へ向けてメッセージもお願いします。
古田さん
俳優の佐野史郎さん、経済評論家の岸博之さん、漫才師の宮川花子さんも同じ病気と闘っておられます。多発性骨髄腫患者さんとご家族の皆さまには、とにかく頑張りましょうと言いたいです。そして、患者会への入会を強くおすすめします。いろいろと相談に乗ってもらえて、有益な情報を得られますので。
編集部まとめ
多発性骨髄腫は中高年以上に発症する人が多く、貧血や骨折、感染症といった症状で発見されるケースが多い疾患です。初期症状がわかりにくい血液疾患ですが、日頃から健診をおこなっておくことで早期発見につなげることもできます。定期的な健診を始め、自分自身の体とも真っ直ぐに向き合い、小さな違和感も見逃さないことが大切です。また、多発性骨髄腫のような血液のがんに使用される抗がん剤は高価なことが多いため、がん保険への加入や見直しをしておくことも意識しましょう。
※この記事はメディカルドックにて『【闘病】腰の激痛は「ぎっくり腰」ではなく『血液のがん』のせいだった《多発性骨髄腫》』と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
