転んだ義父の介護で早期退職、地方移住した55歳夫が衝撃受けた義母と妻との「会話」
「食料品アクセス困難者」が増大
2026年のGWは、最大8連休を取ることができる大型連休だ。しかしJTB総合研究所の4月16日の発表によれば、長期の海外旅行よりも、国内旅行もしくは海外でも2〜3泊の近場を選ぶ人が多いという。食品も原油も含め物価高の影響だろう。旅行ではなく実家に帰省するという人も多いだろう。
久々に会った親がいろんなことができなくなる場面にも遭遇するのではないだろうか。農林水産省がまとめた「食品アクセス(買物困難者等)問題の現状について」によると、食品アクセスに困難が想定される人口は、2010 年の382 万人から2025 年には598 万人と56.4 %増加すると推計され、その増加の大部分は都市的地域だという。
2025年には、農林水産省は「買い物難民」の食品アクセスの確保のため、2億4400万円を関連予算として計上した。65歳以上、店舗までの直線距離が500m以上、車がない人は、買い物難民ではなく、「食料品アクセス困難者」と農林水産省の農林水産政策研究所は定義している。
最新の国勢調査(2020年)をベースに推計すると、食料品アクセス困難者は全国で904万人に達し、65歳以上の25.6%に相当する。75歳以上に限れば566万人、全75歳以上人口の31%にもなる。
その割合を市区町村別に示した「食料品アクセスマップ」を見ると、青森県は全エリアが30%以上、秋田県、和歌山県、兵庫県もほぼ全てのエリアが30%以上だ。都市部でも問題が深刻化しており、東京都清瀬市は43.5%、八王子市は39.8%に達していた。今、全国的に多くの高齢者が日常の買い物に困難を抱えていることがわかる。
2025年に行われ、2026年5月29日を皮切りに、2027年11月にわたって発表される国勢調査の結果は、食料品アクセス困難者は過去最大レベルで増えるのではないかと懸念されている。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵で心理カウンセラーの資格も持つ、リッツ横浜探偵社の山村佳子さんは次のように語る。
「高齢者の買い物や、日常生活の手伝いがきっかけとなって浮気相手に出会うこともあります。世話をしている者同士が頻繁に顔を合わせるうちに、恋愛に発展していくケースがあるのです」
山村さんにくる相談の多くは「時代」を反映している。同じような悩みを抱える方々への問題解決のヒントも多くあるはずだ。個人が特定されないように配慮をしながら、家族の問題を浮き上がらせた連載「探偵が見た家族の肖像」、さらにメンタルケアまでつづっている連載「探偵はカウンセラー」より、GWスペシャルとしてお届けする第2回のテーマは、「地方在住の親の介護」。
今回山村さんのところに相談に来たのは55歳の和典さん(仮名)だ。「妻が土曜の昼の数時間、必ず外出するんです。レースの下着を隠して干したり、香水もつけるようになったんです」と山村さんに連絡をしてきた。
早期退職制度を利用して妻の故郷に移住
今回の相談者・和典さんは、大学卒業後、勤務していた証券会社の早期退職制度を利用し、妻の故郷の甲信越地方に移住して1年になります。東京での商談ついでに、私たちのカウンセリングルームに来てくださいました。
「今の仕事は、林業の会社で経営企画と法務、営業です。大学生の頃から、森の保全活動の手伝いをしていたこともあり、現場仕事も楽しくて、枝打ち(余分な枝を切り落とすこと)や下草刈りなども得意です」
そう笑顔で話す和典さんは、55歳の実年齢とは思えないほど、筋肉質でスリム、表情も若々しいです。
「移住のきっかけは、53歳くらいから会社ありきの人生でいいのかと迷うようになったこと。その頃に妻の父が転倒して骨折し、要介護になったんです」
大腿骨を骨折し、リハビリの結果、立ち上がりや歩行は単独でこなせるようになりましたが、トイレや入浴では部分的にサポートが必要。妻の母は健康とはいえ、2人とも80代。老老介護の不安もあり、妻は実家に頻繁に通うようになります。妻の姉2人は海外に住んでいます。
「ちょうどその頃、下の娘が大学を卒業し就職。もう学費を払うこともないので、妻と話し合い、妻の実家に移住することにしたのです」
子どもたちは大手企業に勤務して完全独立
和典さん54歳、妻49歳での移住は、スムーズだったそうです。当時、24歳の長女は大学の同級生と結婚し、22歳の次女は交際相手と同棲をスタート。
「娘たちは大手企業に勤務しており、親の役目は終わった。結婚25年を機に、親業は終わり、夫婦として生きる。そこで金の計画を立てたら、夫婦2人なら年収300万円でも十分やっていける。それなりに資産もあり、地方の生活なら余裕です」
そこで、東京23区内にあったマンションを売却し、その一部で妻の実家をリフォーム。
「私は今の仕事を見つけ、妻はそれまで勤務していた派遣の仕事を辞め、食品関連会社に事務職の契約社員として雇われたのです」
他にも飲食店や繁忙期の旅館の手伝いなど、日当1万円程度の細々とした仕事は多く、移住後の生活は充実していたそうです。
「僕は妻の両親も実家も好き。義母や義父から“こっちに来てくれてよかった”と言われ、妻にも感謝され、本当に充実した一年を過ごしていたんです」
食料品アクセス困難者たちからも大歓迎
妻は愛情深く人の世話を焼く。実家の近隣に住む高齢者の手伝いなども行っているそうです。
「僕たちが住んでいるエリアは、最寄りのコンビニまで1キロ、スーパーやドラッグストアまで3キロもあり、車がないと買い物が難しい。いわゆる食料品アクセス困難者が多いのは、免許を返納しないとならないほどの高齢者が多いからなのです」
近隣には20世帯ほどしか住んでいないので、移動販売も来ない。高齢者たちは、ネットスーパーも利用していますが、どうしても急ぎで必要なものがあると、妻に頼む。幼い頃から知っている気安さもあるのでしょう。朝になると、近隣のお年寄りから、「猫のエサとフケ予防のシャンプーを買ってきて」「誕生日だからあの店のショートケーキが食べたい」などのLINEが届く。妻は仕事が終わった後に、それらを届けて回るとか。
「お礼として野菜や産みたての卵をいただいたりしています。マフラーや帽子を編んでくれる人もいるんですよ。妻は届がてら話し相手になったり、ちょっとした仕事を手伝ったりして、お小遣いをもらっているみたいです」
2ヵ月ほど前からおかしい
妻は生まれ育った土地で、仕事にプライベートに充実した毎日を送っています。
「誰かのために動く妻のことを尊敬しているのですが、2ヵ月ほど前からおかしいのです。以前は高齢者と長話をしたとしても、20時には帰ってきていたのに、最近は“お酒をいただいたから”と泊まりがけになることもあるんです」
妻は高校卒業まで地元で過ごし、大学から東京です。つまり約30年間も会っていなかった人の家に泊まるのはおかしい。
「“代行を頼めばいいじゃない?”と言うと、“お金がもったいないし、泊まれって言うから”と言葉を濁す。“おばあちゃんの一人暮らしだし、可哀想だから”と言うのですが、自分の父親が要介護1なのに何をやっているんだ、と思うんです」
妻の父は、現在、入浴の介助が必要だといいます。
「同性だから僕がやるのはいいんです。僕の両親は60代前半で病死しているので、できなかった親孝行をしているような気分なんですよ。義父も感謝してくれてはいるのですが、妻が他人の家で遊んでおり、“やって当たり前”と開き直っているとしたら面白くない」
「キスしたの?」
ところがある日、決定的なことが起こります。和典さんは早帰りになり、帰宅。その時、義母と妻の「キスしたの?」、「うん。キュンキュンした」などと言うやりとりを聞いてしまったのです。
「妻と義母は、女友達のような関係で、昔から何でも話しているんです。義母も三姉妹の末っ子の妻が可愛いのでしょう。会話のトーンから、彼氏の相談をしている高校生という雰囲気でした。このやりとりで、浮気を確信。あとは、妻がレースの下着を隠すように干していたことを見てしまったこともあります。今までボロボロの下着を着ていたんですよ」
さらに、香水も隠し持っていた。妻はそれまで香水をつけたことがなかったそうです。和典さんの予想では、妻は同じ居住地区内のどこかの家の男性と浮気をしている。
「相手の男が誰かは今はわかりませんが、おそらく妻の幼なじみではないかと思います。あと、僕が狩猟の後継者見習い活動で不在になる土曜の昼に必ず出かけている。浮気をしているんですよ。男女関係は、深くなると家庭が破綻する。その前に妻と相手を別れさせたいのです」
◇親孝行で、高齢者の多い地域での生き生きとサポートをしている人気者の妻。彼女を誇らしく思う気持ちがありながら、「多分浮気をしているであろう」という怒りを抱える複雑な心境に和典さんはありました。前に進むためには真実を知る必要があります。
では妻は誰となぜ浮気をしているのか。調査の結果は後編「妻の実家のために早期退職して地方移住から1年。55歳の夫が直面した妻の「4回目の浮気」」にて詳しくお伝えします。
