NASA「アルテミスIII」ミッション用SLSコアステージの主要部分がケネディ宇宙センターに到着
アメリカの現地時間2026年4月27日、「Artemis III(アルテミスIII)」ミッションで使用される大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」のコアステージ(1段目)主要部分が、フロリダ州のケネディ宇宙センターに到着しました。
アメリカが主導する有人月探査計画「Artemis(アルテミス)」最初の有人ミッションであり、およそ半世紀ぶりに人間が月周辺を飛行した「Artemis II(アルテミスII)」の帰還からまだ半月余りですが、NASA(アメリカ航空宇宙局)は次のミッションへ向けて歩みを進めています。

ニューオーリンズから900マイルの船旅
ルイジアナ州ニューオーリンズのミシュー組立工場で製造されたコアステージ主要部分は、NASAのロケット運搬用はしけ「Pegasus(ペガサス)」に積み込まれ、2026年4月20日に出発。約900マイル(約1450キロメートル)の航海を経てケネディ宇宙センターに到着し、4月28日にはVAB(ロケット組立棟)へ搬入されました。
今回輸送された主要部分は、推進剤(燃料の液体水素と酸化剤の液体酸素)のタンクを含むコアステージの上部5分の4にあたります。4基の「RS-25」エンジンが搭載される下部のエンジン部分は2025年8月に先行して統合作業が済んでおり、今後はVABで主要部分とエンジン部分の結合作業が行われ、高さ212フィート(約65メートル)のコアステージが完成することになります。


効率化のためSLSロケットの製造工程を一部変更
NASAによると、Artemis III用のSLSロケットからは製造工程が一部変更されています。
Artemis IとArtemis IIで使用されたSLSは、エンジン部分も含めたコアステージ全体の統合作業がミシュー組立工場で行われていました。一方、今回主要部分が輸送されたArtemis III用のSLSからは、最終的な統合作業はケネディ宇宙センターで行われます。
この変更によって複数のコアステージを同時に製造できるようになり、Artemis計画全体のスケジュールを効率化できるとNASAは述べています。

固体ロケットブースターなども続々到着
Artemis IIIミッションに向けて、他の重要なハードウェアもケネディ宇宙センターに集結しつつあります。
SLSコアステージ主要部分の到着に先立つ4月13日には、打ち上げ時の推力の75パーセント以上を生み出す固体ロケットブースターの一部がユタ州から到着しました。現在は専用施設で検査が進められており、2026年夏には他の部分も到着する見込みです。
2027年に予定されているArtemis IIIミッションは、新型宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」を用いた地球周回軌道で行われる有人テスト飛行ミッションです。アメリカ企業SpaceX(スペースX)とBlue Origin(ブルー・オリジン)で開発が進められている月着陸船とのランデブーやドッキングの実証などが行われます。
Artemis計画で最初の有人月面着陸を目指す2028年の「Artemis IV(アルテミスIV)」ミッションに向けて、アメリカでは準備が着実に進められています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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