クマの目撃情報があった場所

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秋田県で今月324件の目撃情報

 4月の県内のクマ目撃情報が例年と比べて大幅に増加している。

 読売新聞が入手した秋田市牛島地区の住宅街の防犯カメラ映像には、クマが道路を走り去った約15秒後に通行人が現れ、出合い頭に接触しかねない状況が記録されていた。今年はまだ人身被害は発生していないが、専門家は「いつ市街地で被害が出てもおかしくない」と警戒を呼びかけている。(夏目拓真、菊池蓮)

 「うわっ。本当にクマが映っている!」。19日午前7時過ぎ、自宅に設置した防犯カメラの映像を確認した秋田市牛島東の男性(49)は驚きを隠せなかった。県の情報マップシステム「クマダス」からメールが届く設定にしているという三浦さんは、19日午前5時半頃に牛島地区でクマの目撃が相次いでいたことを知った。

 クマダスによると、この日は午前4時45分頃に同市茨島地区で目撃があり、同5時25〜45分頃には、牛島地区で4件の目撃があった。午後には東方向の上北手地区などでも多数の目撃が確認された。

 男性の自宅玄関付近に設置された防犯カメラには、19日午前5時42分頃、西側から道路を堂々と歩くクマが現れ、ペースを上げたり、止まったりして一度後ろを振り返り、東側に駆け抜けていった。クマが映像から消えた直後にクマが振り返った先の角から人が現れ、西側に歩いていく様子が映っていた。

 クマが向かった先には、保育園や城南中があり、牛島小や秋田南高も近い。男性は「日曜日の早朝だったので被害がなかっただけ」と話す。

「今年はいきなり市街地に現れる」

 クマ対策を担当する秋田市農地森林整備課の今野工課長は、市内では4月中旬から目撃情報が増え始めたとした上で、例年との違いを語る。

 これまでは目撃情報が山から市街地へ徐々に近づいてくる様子が見られたが、今春は突然市街地で目撃される傾向があるといい、「車庫や小屋の扉を開けたままにしたり、ゴミを外に放置したりしないようにしてほしい」と呼び掛ける。

 県によると、4月の県内のクマ目撃数は2023年は27件、24年は70件、25年が85件と月間で100件以下だったが、今年は27日時点ですでに324件に上っている。県は14日、過去最も早く「ツキノワグマ出没警報」を発令した。

 NPO法人日本ツキノワグマ研究所の米田一彦所長は、市街地近くで越冬した個体が増加している可能性を指摘し、「これから繁殖期を迎え、クマの気性も荒くなる。大型連休中の外出に注意してほしい」と話した。