転覆した移設抗議船「不屈」の曳航に向け、ダイバーが準備を進めていた

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〈どう理解すれば良いのでしょうか〉

 3月16日に、沖縄県名護市の辺野古沖で修学旅行中の同志社国際高校(京都府京田辺市)の2年生らが乗船した小型船「不屈」と「平和丸」が転覆し、乗船していた生徒の武石知華さん(17)らが亡くなるという痛ましい事故が起きてから1カ月超が経過した。だが、両船を運用する「ヘリ基地反対協議会」(以下、反対協)はいまだ遺族に謝罪すらしていない。今回、「週刊新潮」はその反対協の幹部を取材。そこで飛び出した“言い訳”とは……。

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【写真を見る】スナックで泥酔する姿も 平和丸の船長

 事故当日、会見に出席した反対協メンバーらは普段着で、中には腕を組んでふんぞり返っているかのような男性もいたことから批判が沸き起こった。亡くなった武石さんの父親は、4月17日に投稿サイト「note」で、以下のようにつづっている。

転覆した移設抗議船「不屈」の曳航に向け、ダイバーが準備を進めていた

〈平和丸の船長、乗組員、ヘリ基地反対協議会その他の関係責任者達 沖縄にいる間、知華や私たちへ対面しての直接の謝罪、面会可否の問い合わせ、託された手紙、弔電、何ひとつありませんでした(中略)私はこれを、どう理解すれば良いのでしょうか〉

 これらの記述を踏まえ、21日には国民民主党の玉木雄一郎代表が会見で、

〈平和というのは人の命が奪われないようにするための運動。その運動で人の命を奪っておいて一言の詫びもないというのは、大人として、人間として、社会人として、そもそもどうなのか〉

 などと、反対協を厳しく批判。また参政党の梅村みずほ議員も24日の参院沖縄・北方特別委員会で、前述したnoteの記述に言及し、「平和丸」の船長や反対協の代表を参考人招致するよう求めたのだった。

“すべての原因は政府にある”

 反対協が運用する船によって死者が出てしまったのは紛れもない事実であるにもかかわらず、なぜ彼らは謝罪することができないのか。反対協の事情に詳しい、『沖縄の不都合な真実』の共著者である評論家の篠原章氏が言う。

「反対協の人たちの認識は“すべての原因は政府にある”というものです。つまり政府が辺野古を埋め立てさえしなければ反対運動など起きなかったという理屈。彼らにとっては“政府が県民に理不尽を強いており、自分たちはそれに抗議して撤回させようとしている”という構図なのです。その過程で亡くなる方が出てしまったとしても、それは最終的に政府の責任だという発想に至るわけです」

 恐るべき理屈だが、最も大切な遺族側への謝罪についても、

「自分たちが前面に出て謝れば抗議活動に非があったと認めることになるという感覚が、彼らにはある。内心ではやはり“原因を作ったのは政府なのだから政府が謝るべきだ”との思いが強く引っかかっているのだと思います。ただし、それを口にすれば世論の猛反発を招くことは分かっており、結果として“簡単には謝れない”という状況になっているのでしょう」(同)

「弁護士に聞いてください」

 果たして、反対協の幹部らは何と答えるのか。会の共同代表である仲村善幸氏と事務局長の東恩納(ひがしおんな)琢磨氏は、口をそろえて、

「弁護士に聞いてください」

 と言うばかり。

 最後に改めて、武石さんの父親の悲痛な叫びを挙げる。

〈私はこれを、どう理解すれば良いのでしょうか〉

 4月30日発売の「週刊新潮」では、複数の識者の見解を交えながら、反対協という組織の“闇”など、辺野古転覆事故について特集する。

「週刊新潮」2026年5月7・14日号 掲載