W杯までに知っておきたいサッカー用語の第30弾。今回は「デュエル」を解説。(C)Getty Images

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 聞いたことはある、何となく意味も分かる。でも、詳しくは知らない。そんなサッカー用語を解説。第30弾は「デュエル」だ。

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 試合中に発生する1対1の直接的な対人戦や競り合いを指すワードで、ロシア・ワールドカップ予選で日本代表を率いたヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、日本サッカーに広めたことでも知られる。

 もともと「決闘」を意味する言葉だが、サッカーではボール保持者と対峙する守備者、あるいは空中戦やセカンドボール争いなど、局地的な主導権をめぐる対人プレー全般に起こる。

 ドリブル突破を仕掛ける攻撃側と守備側の1対1、ロングボールやクロスに対するヘディングでの競り合い、いわゆる空中戦もデュエルだ。こぼれ球に対する反応やポジショニングも含めたセカンドボールのデュエルも、試合の流れを左右する重要な局面とされる。
 
 サッカーの勝負はチーム戦術やスペースの取り合いだけでなく、こうしたデュエルの勝敗が試合結果に直結しやすい。

 マンツーマンを守備のベースとするチームは局面のデュエルが発生しやすいが、ゾーンディフェンスにおいてもボールを奪いに行く瞬間や、相手の侵入を防ぐ瞬間には少なからずデュエルが発生し、その勝敗が得点や失点に大きく影響する。

 デュエルは個人戦術の要素が大きく、フィジカルの強さだけで決まるものではない。事前の間合いや当たるタイミング、身体の入れ方や予測力、さらにはメンタル面も大きく影響する。相手より一歩早くポジションを取ることで有利な体勢を築いたり、ボールの落下地点を正確に読むことで、競り合いを優位に進めたりできる。

「デュエル勝率」や「デュエル数」のようなスタッツが、チームや選手評価の重要な指標として用いられている。特にドイツでは「ツヴァイカンプフ(Zweikampf)」という言葉で、非常に重要なデータとして評価対象になる。

 ドイツのシュツットガルトに在籍していた当時の遠藤航(現リバプール)が「デュエル王」と呼ばれたのは、これらの数字がブンデスリーグでも卓越していたからだ。本人もボランチが個人の評価を高める重要なワードとして意識していた。

 個人の指標でありながら、デュエルに強い選手をどこに配置して、いかに活用するかも監督の判断が問われるところだ。チーム力が拮抗するほどデュエルの勝率が大きく影響するため、デュエルを制するチームが試合を制するといっても過言ではない。

文●河治良幸

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