旧統一教会幹部に一審より重い懲役1年6カ月 ユン前大統領夫人に800万円超の金品供与、教団の資金横領などの疑い

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宗教団体・旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の懸案を請託するため、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の夫人キム・ゴンヒ氏らに金品を提供した容疑で起訴されたユン・ヨンホ前世界本部長が、控訴審で一審よりも重い刑を言い渡された。

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ソウル高裁・刑事6-1部(キム・ジョンウ部長判事)は、請託禁止法および政治資金法違反、業務上横領などの容疑で起訴されたユン前本部長の控訴審で懲役1年6カ月を言い渡した。これは一審が言い渡した懲役1年2カ月より4カ月加重された刑量である。

控訴審裁判部は、ユン前本部長の容疑を有罪と認めた。裁判部は「大統領の就任前後であっても、当選者やその配偶者に請託するために、贈り物という名目で団体の資金を使用することに対し、まだ公職者の配偶者ではないという“時期的な偶然性”によって請託禁止法が成立しないとし、業務上横領についても一審のように判断するのは不当である」と判示した。

続けて「将来、大統領の職務に属することになる事項を請託するため、旧統一教会の資金を用いて当選者の配偶者に金品を提供した行為が、請託禁止法違反を構成せず、斡旋増賄の処罰規定がないために刑事犯罪にならないとしても、法秩序の観点からそのような行為を容認することはできない」と明らかにした。

そのうえで「この事件は、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁を頂点とする旧統一教会が第20代大統領選挙を教勢拡大の機会と捉え、友好的な候補を支援することでその候補が当選して新政権が発足すれば、旧統一教会の政策プロジェクトへの国家支援を受け、政治的影響力を拡大する目的で犯した犯行である」と指摘した。

裁判部は「公職者の公正な職務遂行を保障する請託禁止法の立法目的を損ない、政教分離という憲法上の価値を毀損した」とし、「旧統一教会の要望事項が実現したか否かに関わらず、犯行自体によって公正な執行に対する国民の信頼が深刻に侵害されており、厳重な処罰は避けられない」とした。

ただし、韓総裁の海外遠征賭博疑惑に関連する警察の捜査情報を「国民の力」クォン・ソンドン議員から入手し、関連の証拠を隠滅した容疑については一審同様に公訴を棄却した。この容疑については、特検チームの捜査対象ではないという判断からだ。

また、量刑の理由については「旧統一教会側からの有形・無形の圧力にも関わらず、自身の知る範囲内で事実に即して供述し、誠実に捜査に協力した」と説明した。

(写真=サーチコリアニュース編集部)

ユン前本部長は、旧統一教会の懸案を請託する目的で2022年7月、“コンジン法師”ことチョン・ソンベ氏を通じてキム・ゴンヒ氏に6220万ウォン(日本円=約673万円)相当のグラフのダイヤモンドネックレスと、1271万ウォン(約137万円)相当のシャネルのバッグを渡した容疑(請託禁止法違反)に問われている。

また、第20代大統領選挙を控えた2022年1月、韓総裁の指示を受け、尹前大統領の当選直後に請託名目で「国民の力」のクォン・ソンドン議員に1億ウォン(約1082万円)を渡した容疑(政治資金法違反)もある。

さらに、これらの金品を用意するために旧統一教会の資金を横領した容疑(業務上横領)も含まれている。

一審は今年1月、ユン前本部長の請託禁止法違反および業務上横領の容疑に対して懲役6カ月を、政治資金法違反の容疑に対して懲役8カ月を言い渡し、計1年2カ月の実刑を宣告していた。

一審裁判部は、ユン前本部長がキム・ゴンヒ氏に提供したシャネルのバッグ購入資金を横領した容疑について、不法領得の意思(他人の物を自己の所有物と同様に利用・処分しようとする意思)がなかったと見て、無罪を言い渡していた。

当時は尹前大統領が就任する前であり、キム・ゴンヒ氏が公職者の配偶者という身分ではなかったため、バッグの供与が請託禁止法に該当しないという趣旨だ。また、これに関連する旧統一教会の資金の使用も違法ではないと判断していた。

(記事提供=時事ジャーナル)