完全デジタル教科書、文科相「小4以下は適当ではない」…国語・社会・道徳は「全学年で認めるべきではない」
政府が正式な教科書として2030年度の小学校から順次導入を計画している「デジタル教科書」について、松本文部科学相は24日の衆院文部科学委員会で、小学校4年生以下は完全デジタルの教科書使用を「認めることは適当ではない」との考えを示した。
また、国語と社会、道徳の3教科については、学年を問わず「当面認めるべきではない」と述べた。
文科省は、学習用端末などを用いて読む完全デジタルの教科書について、小学4年生以下の全教科と、全学年の国語と社会、道徳の3教科は教科書検定の申請を受け付けない方向で検討する。
現在、小中学生に無償配布されている正式な教科書は紙のみだ。デジタルも正式な教科書に位置付けられると、教科書は▽紙のみ▽紙とデジタルを組み合わせた「ハイブリッド」▽完全デジタル(デジタルのみ)――の3形態になることが想定されている。
松本氏は、完全デジタルを制限する理由として、「学校現場の実態を踏まえ、小学校低学年(1、2年)や中学年(3、4年)では慎重に考えるべきだとの意見が多く出されている」ことを挙げた。
文科省の有識者会議は今月から、デジタルを導入できる学年・教科を示す指針の策定作業を始めた。認知科学などの知見を踏まえた議論など、10項目の論点が示されている。松本氏は、特定の学年や教科で完全デジタルを制限する方向性を明らかにしたが、今後、「ハイブリッド」の教科書に占めるデジタルの比重や適否についても慎重な検討が必要となる。
衆院文科委員会はこの日、デジタルの正式教科書化に向けた学校教育法改正案などの関連法案を、与野党の賛成多数で可決した。28日の衆院本会議で採決される見通し。
