直6ツインターボ20ps増強 BMW M3 ツーリング(1) 荷室が叶える想像以上の実用性 追求された訴求力
ワゴンでも秀でた動的能力はそのまま
BMW M3のステーションワゴンというアイデアは、以前から存在していたようだが、実現までには長い時間が必要だった。果たして、G80型で叶うこととなったが、サルーンが宿す出色の動的能力はそのままに、素晴らしいMモデルへ仕上がっている。
【画像】家族や荷物と一緒に走れるスーパーワゴン M3 ツーリング サルーンのM3とM4も 全114枚
ベースの仕様でも、屈指の高性能ファミリーワゴンといえる。だが、サーキットを積極的に駆け回りたいという好事家向けに、M3 CS ツーリングも設定されている。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
発売から数年が経ったM3 ツーリングだが、同クラスのベンチマークとしての地位は既に確立している。それでも訴求力を追求するべく、2025年にモデル中期のアップデートが施された。優れたモノを一層良くすることは、簡単な仕事ではなかったはず。
S58型の直6ツインターボは20ps増強
スタイリングに加えられた改良は、非常に僅か。いわれなければ気付きにくいが、LEDヘッドライトの点灯パターンが変わり、M3のロゴも新しい。アルミホイールには新デザインが登場し、ボディ塗装にも新色が追加された。
賛否両論ある縦長のキドニーグリルはそのままだが、見慣れたという人は多いはず。フェンダーが力強くフレアし、やる気に満ちた出で立ちも変わらない。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
注目すべきは、S58型の直列6気筒3.0Lツインターボエンジンが、20ps増強されたこと。66.1kg-mの最大トルクに変更はなくても、最高出力は530psに達している。
これまで通り、可変式の四輪駆動システム、xドライブが標準。お好みで、後輪駆動状態にすることもできる。Mドライバーズ・パッケージを指定すれば、最高速度は249km/hのリミッターが解かれ、280km/hに届く。
上質なインテリアに残る物理スイッチ
インテリアの雰囲気も従来どおり。レッドのマーカーが入った、底部がフラットなステアリングホイールと、新しい形状のエアコンの送風口を獲得した程度。それでもデザインは洗練され、素材は上質で、製造品質に優れ、高級感は高い。
ダッシュボードには、14.9インチのセンター・タッチモニターと12.3インチのメーター用モニターが連なった、ワイドなモニターパネルが鎮座。システムは、最新バージョンのiドライブが稼働する。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
モニターは高精細で見やすく、画面レイアウトは理解しやすい。だがサブメニューが多く、一部の機能の操作時は複雑に感じることがある。
その下部には、独立したエアコンの操作パネルがあり、物理スイッチが並ぶ。センターコンソールに残る、ロータリー・コントローラーもうれしい。
広大な荷室が叶える想像以上の実用性
バケットシートは座り心地に優れ、サポート性も抜群に良い。ただしサイドサポートが高く、乗降時は身体を捻る工夫が必要。ドアを大きく開けない駐車場では、少し苦労することになる。太ももの間の、カーボン製トリムは邪魔に感じるかも。
荷室容量は500Lあり、後席も折りたため、実用性は想像以上。テールゲートはリアガラスのみでも開閉でき、荷物が動くのを防ぐ滑り止めが床面に備わる。バケットシートに座りバックミラーを覗けば、広大な空間が目に飛び込み、不思議な気持ちになれる。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
後席側は、平均的な大人がゆったり過ごせる広さ。バケットシートのシェルはカーボン製だが、後席の人の膝へ当たらないよう、えぐられている。前席に身長の高い人が座っても、窮屈に感じることはないだろう。
気になる走りの印象とスペックは、BMW M3 ツーリング(2)にて。
