【令和コメ騒動の今】コメ価格下落傾向で県内小売り店舗には山積みも…消費者・生産者それぞれの声は(静岡)
13日、静岡市内のスーパーを訪れてみると…。
(高山 基彦 アナウンサー)
「騒動の時は売り切れも目立っていたコメ売り場ですが、今は山積みになっています。価格は、5キロで税込みで3000円台前半です。騒動の時とは状況が変わっています」
商品棚には10品目以上、40種類のコメがずらり。年明けになってからこうした状況が続いているといいます。
「2月ぐらいからいろんな種類が出てきたりだとか、条件等が出てきてだんだん下がっている。すごく体感として2月から下がっている感じ」
先週、農林水産省が発表した4月5日までの1週間に全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、前の週より2円値下がりし、5キロあたり3933円で、8週連続の値下がりとなりました。銘柄米の平均価格は、3983円と、2025年2月以降、57週ぶりに3000円台となりました。日本の主食・コメ価格の下落傾向に買い物客は…。
(客は…)
「やっぱりうれしい。ものの値段が上がっているし。コメは家族が好きなので、とても助かっている」
一方で…。
(買い物客)
Q値段は下がってきた?
「ちょっとだけ感じる。ただ、まだきついですね」
一時に比べ、価格は落ち着いてきてはいるものの、まだまだ値段は高いという意見もありました。
こうした中。このお店では…。看板料理であるステーキとエビフライ。欠かせないごはん。定食についている1杯に加えおかわりが………2杯無料だといいます。
おかわりしたお客さんは
(利用客)
「おかわり無料の旗があったので、このご時世うれしいなと思って行ってみたいなと思ってきた」
(利用客)
「うれしいですよね。ご飯にお肉は必須のアイテムなので」
元々このお店は、ごはんが食べ放題でしたが、コメの価格高騰を受け、このサービスを停止していました。
(グルメ亭 静岡丸子店 片山 雄喜 店長)
「オープンした時の(コメの)値段と比べると、一番高い時は2.3倍ぐらい。今現在で、安い業者さんが売り込みに来てくれて、なんとか。それでも2倍」
しかし、客からもう一度やってほしいという声が寄せられたことなどから、おかわり2杯まで無料というサービスを再開したといいます。おコメの価格が一番高かった時よりは下がったものの…。
(グルメ亭 静岡丸子店 片山 雄喜 店長)
「もうちょっと下がっていただかないと経営的には苦しいです。10年内になんとか元の値段に近い数字が出れば、食べ放題を早く再開したい
少しずつ値段が下ってきているコメの価格について専門家は。
(話・日本国際学園大学 荒幡 克己 教授)
「今、市場に出回ってるのは。昨年の秋に取れたおコメなんですけどね、これがかなり豊作になる。明らかに市場、マーケットの方は過剰基調になっておりまして、値段が、価格が下がっても当然の状況にあります」
スーパーからコメが消えた「令和のコメ騒動」。
政府による”備蓄米”放出で、コメの価格は一時的に下がったものの、新米が出回ってもなお、値段の高止まりは続いたことで買い控えする客も。こうした背景から、いわゆる“コメ余り”の状態になっているといいます。
(話・日本国際学園大学 荒幡 克己 教授)
「過剰基調は続いてますのでね、じりじりと下がることは続くと思います。おそらくね。で、続くと思いますが。本来もっとですね、下がってもいいんですけど、仕入れ価格とか高く仕入れちゃってるもんですからね、そんなには下げにくいという側面が逆にありますよね。そうは言っても下げたくても下げられない。なかなか関係の業者の方々ですね、色々苦労されてると思います」
こうした状況に、富士市でコメ農家を営む仁藤さんは、次の新米に向けて、ゴールデンウィーク明けから田植えを始めますが、“コメ余り”の影響で、今後値下がりして、収入が減る可能性がある一方で、イラン情勢に伴う燃料費の高騰などが合わさり、まさに二重苦となっているといいます。この…直売するときに必要なプラスチック製の袋も…。
(コメ農家 仁藤 丈也さん)
「だいたい100円くらいの袋を使って産直でおろさせてもらってるんですが、今この袋自体がまったく入ってこなくて、同じタイプが5月に納入する分から3割上がるといわれているので130円になっちゃう。資材の価格は上がっているのにコメ自体は下がっていくというのはこちらとしても困るのかなと」
コメ農家にとっては、不安な日々が続くと話します。
(コメ農家 仁藤 丈也さん)
「我々作る方としては厳しい状況ではあるが、なるべく味を変えないように、品種を変えたりいろいろ工夫しながら頑張っていきますので、皆さんに理解してもらって応援してもらいたいなと」
(スタジオ解説)
(澤井 志帆 アナウンサー)
去年、新米が豊作と言われてからようやく値下がりといった感じもありますが…津川さん、この動きをどう感じますか?
(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
これは経済学部の1年生が最初に勉強する価格理論ですけど、豊作になれば値段が下がって凶作になったら値段が上がると。しかし実際には流通の段階で仕入れて販売する中で、品薄だと、どうしても高く買わなきゃいけない。高く買った以上は高くするしかないということで…なかなか下がらない。それがようやく下がってきたというところだと思うんです。消費者としてはうれしいですが、どんどん下がってしまって、生産者は大丈夫かなと。今4月ですけれども、新しい年のお米がどうなっていくのか…ちょっと心配ですよね。
(澤井 志帆 アナウンサー)
そうですよね。ここで青山さんにうかがいたいのが、今後のコメ政策です。
(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
高市政権になってから、コメは需要に合わせて生産するという方針に変えたんです。増産すると言っていた石破政権から政策を転回させたんです。お米の値段はようやく少し下がりましたけど、まだ以前ほど安くない。なのでまだ買い控えてる人もいるし、VTRに出てきた食べ放題も2杯までとか、つまり需要を減らしている部分は間違いなくあるんですよ。そうすると、「じゃあ生産を減らしましょう」ってことになるわけですね。そうすると…また猛暑とか天候不順など何かあった時にはおコメの値段がバーンと上がるリスクもあるわけです。また「食料安全保障」といって、日本人は何かあった時におコメを食べて生きていくしかない。さきほどイランのホルムズ海峡の話でもあったように、例えば台湾海峡が、もし封鎖されたらトウモロコシとか小麦とか大豆とかが日本に入ってこなくなる可能性もある。なので、おコメは国策として一定量作らなきゃいけないんじゃないか。あとは値段をどうするかなんですが、そこは政府が…今、資材も値上がりしていたりとか、原油で運搬費も上がったりするところを農家に直接補填すると。需給調整よりも農家の支援の方に政策の舵を切っていかないと、需要と供給のバランスで価格をコントロールしようとすると、いわゆる減反が続くんじゃないかってことを私は危惧しています。
(レギュラー コメンテーター 津川 祥吾 氏)
でも、かつての、いわゆる食管制度までやってしまうのは、やりすぎじゃないかという議論もあります。
(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
食管制度は減反政策で生産量をコントロールして、需要に合わせて値段を安定させるやり方です。そうではなく、増産して、価格が下がった場合に一定程度農家に補助金を出すと。そして余ったお米は輸出や、ほかの用途に回すというやりかたですね。ただ、補助金で弱い農家というか、零細農家まで守ると構造改革が進まないので、集約化を進めるところに重点的に補助金を出しながら、コメ農業の体質転換も進めていくというのも大事な視点かと思います。
(澤井 志帆 アナウンサー)
コメは日本人の主食だからこそ…、長い目でコメとのつきあい方を考えていきたいですよね。
