NASA(アメリカ航空宇宙局)は日本時間2026年4月2日に、有人月ミッション「Artemis II(アルテミスII)」の大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」の打ち上げを実施しました。1日目に実施される地球周回軌道上での作業を前に、有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」を搭載したSLSロケットの上段(2段目)とコアステージ(1段目)の分離が行われたことを、NASAが報告しています。


打ち上げに関する情報は以下の通りです。


打ち上げ情報:SLS(Artemis II)

ロケット:SLS(スペース・ローンチ・システム)Block 1打ち上げ日時:日本時間 2026年4月2日7時35分発射場:ケネディ宇宙センター39B射点(アメリカ)ペイロード:Orion宇宙船「Integrity(インテグリティ)」、CubeSat 4機

Artemis IIについて

Artemis IIは、SLSロケットとOrion宇宙船の有人飛行試験となるミッションです。月着陸こそ行わないものの、1972年12月の「Apollo 17(アポロ17号)」以来およそ半世紀ぶりに、有人で月周辺の飛行を行います。


Orion宇宙船に搭乗しているのは、NASAのReid Wiseman宇宙飛行士(コマンダー)、Victor Glover宇宙飛行士(パイロット)、Christina Koch宇宙飛行士(ミッションスペシャリスト)、CSA(カナダ宇宙庁)のJeremy Hansen宇宙飛行士(ミッションスペシャリスト)です。


日本時間2026年4月2日7時35分にケネディ宇宙センター39B射点から打ち上げられたSLSは、リフトオフから約8分20秒後にコアステージ(1段目)と上段の分離が行われました。


分離後は軌道を安定させるために、近地点と遠地点(※軌道上で地球から最も近い点と最も遠い点)を上昇させるためのSLS上段エンジンの噴射を合計2回実施。その後、上段から分離したOrion宇宙船は将来の月着陸船とのドッキングを想定して、上段をターゲットにした近傍運用のテストを実施しています。


打ち上げ後に記者会見を開催したNASAによると、Orion宇宙船は4基の太陽電池パドルの展開が予定通り完了しており、クルーの健康状態と精神状態は良好です。近地点上昇噴射直後、衛星のハンドオーバー中に一時的にOrion宇宙船から地上への通信が途絶えたものの、会見までに復旧しています。また、船内のトイレの不具合などの問題も確認されていますが、テスト飛行で想定される範囲内であり、地上チームと協力して対処中だとNASAは述べています。


ミッション2日目となる日本時間2026年4月3日には、いよいよOrion宇宙船のエンジンを用いた月遷移軌道投入(TLI)が実施される予定です。Artemis IIミッションについては随時お伝えしていきます。


関連画像・映像

【▲ ケネディ宇宙センター39B射点から打ち上げられたSLSロケット。NASAのライブ配信から引用(Credit: NASA)】
【▲ 2基の固体ロケットブースターを分離して飛行を続けるSLSロケット。NASAのライブ配信から引用(Credit: NASA)】
【▲ SLSロケットのコアステージ(1段目)と上段(2段目)の分離の様子。NASAのライブ配信から引用(Credit: NASA)】
【▲ Orion宇宙船のカメラが捉えたSLS上段(2段目)からの分離の様子。NASAのライブ配信から引用(Credit: NASA)】
【▲ 近傍運用の実証中にOrion宇宙船のカメラが捉えたSLS上段(2段目)の様子(左)と、船内の様子(右)。NASAのライブ配信から引用(Credit: NASA)】

 


【更新:2026年4月2日12時10分】ミッションの進捗に合わせて記事を更新しました。


文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部


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