[3.31 KIRIN WORLD CHALLENGE 日本 1-0 イングランド ウェンブリー]

 聖地ウェンブリーで刻まれた歴史的勝利。今回の活動で日本代表のチームキャプテンを託され、そのピッチでキャプテンマークを巻いたのがMF堂安律(フランクフルト)だった。右ウイングバックとして先発し、後半29分までプレー。攻守とも我慢の時間帯を乗り越えて1-0の勝利を収め、仲間と喜び合った。

 試合後は反省点も口にした。「もう少しボールを持てるかなとは思った。後半の難しい時間帯にイニシアチブを持ってボールを保持できたら、と試合後に話した」。その言葉通り、日本にとって我慢の時間が長かった。それでもボールを握られる展開の中で、堂安は「少し苦しい時間帯はあるというのを覚悟した上で開き直りながらやれた」と冷静に振り返った。

 最終的には前半23分の三笘薫のゴールが決勝点になったが、堂安自身も右サイドで攻撃に厚みをもたらした。伊東純也とポジションを入れ替えながらチャンスに絡み、後半には鋭いシュートも放った。「守備的な時間が多かったので自分の特徴が出たかと言えばクエスチョン」としながらも、「限られた時間の中で違いを作れている」と自信を深めた部分もある。

 昨年のブラジル戦に続きワールドカップ優勝経験国を撃破したが、これはあくまで親善試合。それでも視線は常に次へと向いている。「ブラジル戦の時よりも、今日の試合後は勝ったことでよりもっとこうしていこうという話し合いがあった。あまり喜びすぎないチームになってきている」。そんな風にも言う。

 ミックスゾーンでは堂安らしい一幕もあった。この日は負傷離脱中のMF遠藤航、MF南野拓実が観戦に訪れており、最後は円陣にも加わって喜びを分かち合っていたが、どちらもキャプテンとして強豪国を破った2人。「僕が巻いて負けたって言われるの嫌なんで。(遠藤)航くんはずっと勝っているし、(南野)拓実くんはブラジルに勝っているし、でも俺が一番ハードル高いよなって」とおどけながら語ると、堂安も報道陣も笑顔になった。

(取材・文 矢内由美子)