「Switch 2」爆売れでも任天堂がピンチと言われる理由。懸念される4つの“憂鬱”と大きな“金脈”
◆売上高過去最高を記録した任天堂の憂鬱
一般的に株価は半年から1年先を織り込んで動くと言われています。任天堂の株価は、Nintendo Switch 2発売後の昨年8月に終値1万4795円と上場来高値を更新したあと、一時期40%以上下落し、現在は1万円前後。
2月3日に発表された第3四半期決算では、売上高1兆9058億円(前年同期比約2倍)、Switch 2の全世界販売台数は1737万台(2025年12月末まで)と数字的には絶好調でしたが、アナリストなどからは「任天堂は今後苦しい局面を迎えるかもしれない」との声が上がっていました。果たして任天堂は本当にピンチなのか? 任天堂を苦しめるといわれている4つの“憂鬱”を見ていきましょう。
まずもっとも指摘されているのが、素材やパーツの高騰によるハード本体の採算悪化。たとえばNintendo Switch 2には、データを高速処理するための12GBのメモリ(DRAM)やプレイデータをセーブする256GBの本体保存メモリ(NAND型フラッシュメモリ)が搭載されています。こうした記憶装置は、AIデータセンター向けの需要が旺盛で、一般情報機器用のメモリも割を食って供給不足となり、価格が高騰し続けています。
第3四半期決算の数字を見ると、売上総利益率は、前年同期の59.1%から37.4%へと下降。「Nintendo Switchに比べて利益率の低いNintendo Switch 2の販売割合が高くなった」ことが理由として挙げられています。今後さらにメモリを筆頭に部品の値上がりが想定を超えると、利益率の一層の低下は避けられないのは確かでしょう。
◆(2)ハードの値上げに踏み切るのは困難!?
製造コストの上昇に合わせて、ハードの値上げができれば採算は改善しますが、単純な値上げは難しいというのが大方の見方です。
デフレ時代が長かったため、ゲームハードは発売時がもっとも価格が高く、その後しばらくすると値下がりする……といったイメージが値上げの足かせになっていそうです。過去にはWiiが、2006年12月の発売時には2万5000円(税込)でしたが、2009年10月には2万円(税込)に値下げされています。また、ニンテンドー3DSは、立ち上がりの不調を挽回するという狙いではあるものの、発売半年後には2万5000円(税込)から1万5000円(税込)へと、大幅値引きが実施されました。
買いやすい価格になるのを待っているファミリー層も存在するなかで、“値上げは禁断の一手”というのは頷けます。ちなみにPS5の希望小売価格に関していえば、2020年11月発売の通常版(ディスクドライブ搭載型)5万4978円(税込)が、3度の値上げを経て、現在7万9980円(税込)にまで上昇してきており、客層の違いはあるものの、従来よりはゲームハードの値上げに対して消費者の抵抗感は薄れていそうです。
◆(3)キラーソフト不足で本体販売が伸び悩む懸念
ゲームハードが売れ続けるには、そのハードで絶対に遊びたい、いわゆるキラーソフトが重要になります。Nintendo Switchでいえばローンチタイトル『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、ローンチから1ヶ月後にリリースされた『マリオカート8 デラックス』、ローンチ7ヶ月後の『スーパーマリオ オデッセイ』。さらに2020年3月発売の『あつまれ どうぶつの森』がハードを強く牽引しました。
現状、Nintendo Switch 2においては専用ソフトがまだ少なく、ローンチタイトル『マリオカート ワールド』(全世界販売1403万本 ※12月末時点)や『ドンキーコング バナンザ』(全世界販売425万本)、『カービィのエアライダー』(全世界販売176万本)あたりが主力。今後のソフトラインナップも超強力といえるタイトルは確定しておらず、いわゆる“ソフト不足”がハードの足を引っ張るのではないかと言われています。
