イラン攻撃、ホルムズ海峡封鎖の衝撃 高市政権が直面する「原油高騰」と「自衛隊派遣」
OBSラジオのコーナー「加藤秀樹が語る 日本の未来構想」の3月9日放送では、「自分ごと」というキーワードを軸に、緊迫する中東情勢が私たちの生活や日本の安全保障にどれほど直結しているか、他人ごとではないか、について語った。
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日常の「ごみ拾い」に見る「自分ごと」
加藤氏は、会社や工場に落ちているごみを拾うか拾わないかという例を挙げ、「他人が落としたごみであっても、会社全体の信用に関わると考えて自ら拾う。それは会社のことを『自分ごと』として捉えているということ。そういった身近なことで良い会社かそうでないかが分かれてくる」と説明する。
これは世の中の出来事や政治に対しても同様だ。加藤氏は前回の放送でも「選挙は『始まり』である」と強調し、圧倒的な議席を獲得した政党と政府の動きを有権者が監視し続ける必要性を訴えていた。
一見遠い世界のことのように見える政治や社会の問題に対し、「自分には関係ない」と無関心でいるうちに、後戻りできない悪影響が自分に及ぶ可能性があると指摘する。
イラン攻撃が招く原油高騰
現在、加藤氏が最も危惧しているのが、アメリカ、イスラエルによるイラン攻撃を端緒とする中東情勢の悪化だ。遠い国の出来事に思えるが、実は日本の生活に極めて深刻な影響を及ぼす。
日本が輸入する原油の約90%は中東(サウジアラビア、クウェート、UAEなど)に依存しており、約75%はイランに面するホルムズ海峡を通過して運ばれる。現在、攻撃の影響でタンカーが通行できなくなっており、原油価格はすでに1バレルあたり62ドルから80ドルへと約15%も高騰している。さらに高くなるだろう。
我々の生活は依然として石油に大きく依存している 。ガソリンなどの燃料費だけでない。農業ならトラクターやハウス栽培の暖房。日常生活でも食品トレーから日用品、建材、衣料品に至るまで、身の回りのあらゆるものが石油から作られている。
原油価格の高騰は、これらすべての物価が跳ね上がることを意味し、食料品の消費税減税といった小手先の対策では到底追いつかない規模の経済的打撃になる。
すでに株安、金利高、円安などに現れているように金融への波及も大きい。日本の場合それが財政へのダメージにもなると加藤氏は警鐘を鳴らす 。
自衛隊派遣を要請されたらどう判断?
さらに加藤氏は、この情勢が日本の安全保障に及ぼすリスクにも言及した。トランプ大統領が、「ホルムズ海峡のタンカー護衛のために自衛隊を派遣しろ」と日本に要求してくる可能性もあると言う。
そうなると高市首相はどう判断するのか。先に行われた選挙で自民党が史上最多数の議席を獲得した結果、自民党のタカ派的立場の議員の声が勢いを増していると指摘。武器輸出の拡大は既に議論されているが、今後、原発から出てくるプルトニウムを活用した核武装、さらには徴兵制の導入を主張する声が勢いづいてくる可能性もある。
加藤氏は最後に、「関係なさそうに見える世界の出来事も、政治の動きも、実はすべて私たちの生活につながっている。だからこそ、世の中のことを『自分ごと』として少しでも考えてみてほしい」と強く呼びかけた。
