この記事をまとめると

■HARDCORE TOKYO×TRA京都が作った「Baby R32」が注目の的だった

■ベース車両はスズキのツインでボディはほぼワンオフ製作されている

■まるでチョロQを思わせる実物大のオモチャのような出で立ちはインパクト大だ

ひと目見ただけでわかる可愛らしさと面白さ

 今回の東京オートサロン2026の会場には、自動車メーカーのスペシャルモデルから、カスタムカーショップが心血注いで仕上げたモデルまで、じっくり観ていたらとても1日ではまわりきれないほどの台数のカスタムカーが勢揃い。アレもいいし、コレもいいな……とウロウロしていたところ、目の端にかなりの違和感を感じたのだ。気になって近付いてみると、そこには「デカいチョロQ!?」と口走ってしまいそうになる車両が展示されていた。

 この、強く押したら転がってしまいそうな丸々としたフォルムのマシンは、「HARDCORE TOKYO(ハードコア・トウキョウ)」と「TRA京都」がコラボして製作したという「Baby R32」。TRA京都といえば、「ROCKET BUNNY(ロケットバニー)」や「PANDEM(パンデム)」などのエアロパーツブランドを展開するカスタムメーカーで、代表の三浦氏のつくり上げるワイドフェンダーを中心とする外装アイテムは、その硬派な切り口からサムライ的と評されることもある。

 今回はご自身がプロデュースしたサーキットアタック用の「LOTUS BUNNY 02(ロータスバニー)」をはじめ、PANDEMシリーズに連なるコンプリート車を数台並べていた。

 この「Baby R32」は、そのTRA京都のコマ内に展示されていたことから分かるように、三浦氏とHARDCORE TOKYOのJUN氏がコラボして製作したマシンとのこと。きっかけは三浦氏とJUN氏の日常的会話からで、チョロQやドラゴンボールに出てくるメカみたいなデフォルメされたクルマを作っちゃったらオモシロいね、という軽く発せられたアイディアが、気づけば実現してしまったようだ。

 おそらくその小さなアイディアが、三浦氏の脳内で転がるようにカタチを成していき、試しに3Dデータに落とし込んだら、「これ良いじゃん」となった状況が想像できるだろう。そしてどうせならと、軽自動車のなかでもオモチャのようなフォルムを持つ「スズキ・ツイン」をベースにしたことで、これまで見たことないようなコロンとした印象のマシンに仕上がっている。

ヘッドライトはまさかのワンオフ製作

 よく見ると、キャビンとドアにツインの名残りが見られるが、それ以外はぐるっとワンオフで製作されたボディキットの状態で構成されている。シルエットがまるで違いますが、被せ式のフェンダーやハードな印象のウイングの造形などには、ROCKET BUNNYやPANDEMシリーズに通じる構造と印象です。

 メカニズム的なところは公表されていませんが、リヤウインドウの奥に装着されている装置に「AIRMEXT」のロゴが見えることから、このサイズでエアサスを装備。コロンとしたフォルムでハードな走りを予感させるたたずまいに見せるため、可能な限り車高を下げるのに必要だったのだろう。

 ホイールは、全体の印象からカート感覚の小径サイズに思えたが、実際は15インチと実用的なサイズのワタナベ・エイトスポークを採用。スポークのすき間から高性能なブレーキキャリパーがチラ見えしている。タイヤは、シバタイヤのRYDANZ REVIMAX R23を履いていた。

 ヘッドライトはさすがにR32の流用加工品かと思ったが、よく見ると形状が異なり、どうやらこれもワンオフ製作のようだ。リヤスポイラーも、R32の印象を込めながら、全体のフォルムにアクセントを加える構成にまとまっている。

 コミカルなフォルムのなかにありながら、筋肉質なシェイプが特徴の32GT-Rのフェンダーの印象をうまく落とし込んでいるあたりは、さすが三浦氏の真骨頂といったところだろう。

 いくつものパネルが入り組むリヤのコーナー部のチリの合わせなどは通常かなり難しい部分のハズ。この車両はどうやら短期間の突貫工事で仕上げられたようだが、実際は凄まじいレベルの精度で組まれていて、その技術力の高さに感心させられる。