赤楚衛二が語る、飽くなき挑戦の現在地 「一番は“自分に飽きたくない”のかもしれない」
映画やドラマなど話題作への出演が続く赤楚衛二が、1月12日よりテレ東系で放送がスタートするドラマプレミア23『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』で主演を務める。本作について、「タイトルからは想像もつかなかった」という赤楚だが、台本を読み進めるうちにその面白さに圧倒されたという。ヒロイン役のカン・ヘウォンをはじめ、日韓の文化が交錯する現場で赤楚は何を感じたのか。俳優デビューから10年を迎え、常に「自分に飽きたくない」と語る彼の飽くなき挑戦の現在地に迫る。
参考:赤楚衛二が主演、カン・ヘウォンがヒロインに 『キンパとおにぎり』2026年1月12日より放送
ーー今回の作品のお話を聞いたときは、どのような印象を受けましたか?
赤楚:最初は『キンパとおにぎり』というタイトルだけでは内容が想像できなかったのですが、いざ台本を読み進めていくとめちゃくちゃ面白くて。「こんなに面白い台本に久しぶりに巡り会えたな」と、ワクワクする気持ちが強かったです。
ーーヒロイン役のカン・へウォンさんをはじめ韓国のキャストも多く集まっていて、座組も新鮮ですね。
赤楚:そうですね。今回、世界同時配信も行われるということで、国外の方ともお仕事ができることに意義を感じています。言語は違っても、文化の違いを超えて向き合う中で、アジア全体にその思いが伝わってくれたら嬉しいなと思っています。テレ東さんといえば「食」のドラマも鉄板ですし、そういった要素も含めて楽しみですね。
ーーカン・ヘウォンさんとの共演はいかがですか?
赤楚:現場での撮影スタイル自体は日本と変わらないのですが、彼女が周りの方と韓国語で話していたり、彼女なりの解釈での日本語の言い回しを聞いたりするのは新鮮です。「日本人ならこう言わないかな」という微妙な違和感すらも楽しんでいます。
ーーカン・ヘウォンさんの印象についても教えてください。
赤楚:ふわっとした柔らかい空気感を持っていて、素直な方です。お芝居も、彼女がすごくピュアだからこそ、こちらの熱もしっかり伝わります。僕自身、活動して10年の中でついてしまった“手垢”のようなものがあるのですが(笑)、彼女のような圧倒的な鮮度とピュアさを持つ女優さんを見るのは久しぶりで、刺激を受けています。
ーー現場でのコミュニケーションはどのように?
赤楚:基本、ふざけ合っています。彼女、僕のことを「エイジちゃん」って呼んでくるんですよ。
ーーそうなんですか?(笑)
赤楚:韓国では、名前の最後に「ナ」か「ニ」をつけて呼ぶことがあるそうなんです。例えば「へウォン」だったら「へウォナ」か「へウォニ」みたいに。それを聞いて、「じゃあ『ヌ』『ネ』『ノ』をつけて、『へウォヌ』『へウォネ』『へウォノ』っていう呼び方もあるのかな?」って聞いたら、「そんなのないよー!」ってツッコんでくれたり(笑)。
ーーかわいらしいエピソードですね(笑)。
赤楚:そういう感じでふざけてばかりです。
ーー舞台や映画のプロモーションと並行して撮影が進んでいるそうですが(※取材日は8月)、正直、ハードではないですか?
赤楚:正直に言うと……ハードです(笑)。 人に聞かれたら「大丈夫です」と言ってしまう癖があるのですが、朗読劇が終わったばかりですし、今は本当にハードですね。でも、お仕事が絶えないのはとても幸せなことだと感じています。
ーーその多忙さの中で、本作の撮影にはどう向き合っていますか?
赤楚:2025年の上半期は複数の作品を並行して撮っていた時期もありましたが、今回の現場はこの作品だけにがっつりと時間を割けるので、一つひとつ丁寧に作品作りができる環境の素晴らしさを改めて噛み締めています。
ーー作品が世に出る頃には、ご自身の中では少し過去のことになっているという、俳優特有のタイムラグもありますよね。
赤楚:映画などは特にそうですね。離れれば離れるほど遠い昔のように感じますが、逆に客観的に自分の芝居を反省できるので、そこは助かっています。一方で、撮ってすぐ放送される作品のライブ感もやっぱり楽しいですね。
ーー赤楚さんにとって、テレ東のドラマ出演といえば『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(以下、『チェリまほ』)が大きな節目だったと思います。改めて振り返っていかがですか?
赤楚:『チェリまほ』の広がり方は本当に衝撃的でした。自分の手元から作品が離れていくような感覚を初めて味わいましたね。コロナ禍で自分を認められるようになったタイミングでの作品だったこともあり、今でも大事な一歩です。
ーー以降、毎年のように代表作と呼べる作品が増えていますが、本作もその一つになりそうですね。
赤楚: 僕は毎作品、「全部代表作にするぞ」という心意気で生きています。代表作ができることは、ある種そのイメージが“壁”になることでもありますが、それを塗り替えていきたいですね。
ーー先日放送されたドキュメンタリー番組『その素顔が知りたい。俳優 赤楚衛二』(日本テレビ系)を拝見したのですが、赤楚さんの「飽きられたくない」という言葉が印象的でした。
赤楚:「飽きられたくない」のもそうですが、一番は「自分に飽きたくない」のかもしれないです。ありがたいことに、今は同じような役が続くことがなくて、毎回ジャンルが違うので助かっていて。「今日は探偵をやって、その後ホラー映画で呪われるのか……」と自分でも意味がわからなくなることがありますが(笑)、そっちのほうが楽しいんですよね。自分が飽き性だからこそ、飽きられたくないし、飽きたくないのかなって。そういう意味でも、常に新しい姿を見せていきたいなと思います。
(取材・文=宮川翔)
