県道から丸見えでも「タオルなし」“日本一恥ずかしい露天風呂” の正体 熊本県南小国町の満願寺温泉『川湯』
熊本県南小国町の満願寺温泉に「日本一恥ずかしい」と言われる露天風呂があります。その名は「川湯(かわゆ)」。RKKラジオで熊本県内各地から話題を伝える「ミミーキャスター」のひとり、古戝沙季さんが取材しました。
※とんでるワイド 大田黒浩一のきょうも元気!#2025年12月2日放送回
丸見えロケーションの「露天風呂」
露天風呂といえば、柵で囲われていたり高い位置あったりと、外からの視線が遮られているのが一般的です。
しかし、この川湯は〝開放感が規格外〟。
住宅が建ち並び、その手前には県道が走り、ここに露天風呂があるとは、ちょっと信じられません。
もちろん県道からも「丸見え」です。
源泉が壁から?地元の人はどう使う?
膝下ほどの深さの満願寺川の川べりに、コンクリート製で奥行1m×横4mほどの浴槽が作られています。
湯気が立つ浴槽に腰をかけ、足だけ浸けてみると、短時間でも全身が温まります。
この温泉は地域住民が管理しています。その自治会長の兒玉博昭さんにお話を伺いました。
――この湯はどこから来ているんですか?
兒玉博昭さん「川湯の壁の奥から4か所ぐらい、岩盤から湧き出ています。すぐ隣にある温泉館の下に大きな源泉があり、そこから分かれたものです」
地下が迷路のようになっていて、地元の人でも詳しいことは分からないという神秘的な湯です。
「アベックもそのまま」驚きの日常
これほど開放的な場所を、どのような人が利用しているのでしょうか。
兒玉さん「地元の人に限定されますが、10~20人ぐらいが毎日入っています。他にも、いろいろなインターネットとかに配信されて有名になった関係で、観光客は多いです。今日は誰もいませんが、日中でも何か平然と入っていますね」
驚くべきは、その入浴スタイル。
遮るものが何もないにも関わらず、利用する人は「タオルなし」で入るのが当たり前だといいます。
兒玉さん「アベック(カップル)もそのままですね。何も着ないで入ってるのはよく見ますね」
地元の人達にとっては生活の一部であり、兒玉さん自身も、毎日利用しているそう。
兒玉さん「私は午後8時半から9時の間。人によって時間が決まっていて、夕方6時くらいになると地元の人が徐々に集まってくる」
地域の人が繋がる場としての側面もあるようです。
炊事・洗濯も「川湯」で
この川湯、浴槽は4つに仕切られていますが、全身浴だけが用途ではありません。
一番上流側の槽は野菜や食器を洗う場所として使われ、一番下流側の槽では汚れたものを洗ったり、中にはペットを洗ったりする人もいるといいます。
「そこは規制はしていません。ペットの毛は片付けていただければ構わないと思います」と、お皿洗いからお風呂まで、生活に密着した温泉ならではの使い方です。
野菜が洗えるということは、このお湯は口にできるということでしょうか。
兒玉さん「通な人は、焼酎のお湯割りに使うというのも聞いたことがあります。非常にまろやかになるそうです」
飲用は個人の判断に任せているということですが、入浴だけでなく、生活用水や飲料としても愛される、まさに地元の特権といえる名湯です。
しかし、観光客の増加に伴い、マナーの問題も浮上しているといいます。
地元で守る大切な場所
児玉さん「最低限のマナーというか、公道に面しているので、おおっぴらにさらけ出すじゃないけど、そういうのは控えてもらいたい。隣接する温泉館との往来を裸のままではやめてもらいたい、やはり上がったら拭く。あとは騒いでもらわないほうがいいですね」
地元の人達が毎週当番を決めて掃除をしているため、川湯はとても綺麗に保たれています。
また毎年12月になると、竹提灯を川湯の屋根に飾るそうで、夜には幻想的な景色とおもに露天風呂を楽しむことができます。
「日本一恥ずかしい露天風呂」と呼ばれていますが、地元の人にとっては長年愛してきた大切な場所。観光でもマナーを守って、利用したいですね。
▼満願寺温泉「川湯」
・利用可能時間:午前6時から午後8時半
・入浴料:200円

