三菱グランディスが13年ぶりに復活……ってミニバンじゃなくてSUVかよ! かつての3列シートミニバンだった三菱グランディスを振り返る

この記事をまとめると
■2000年代のオリジナルのグランディスは3列シートのミニバンだった
■2004年に加わったスポーツEグレードは欧州仕様の引き締まった足まわりだった
欧州で三菱グランディスがSUVとして登場
アウトランダーやデリカミニで勢いに乗る三菱自動車から、欧州市場向けの新型コンパクトSUV「グランディス」が2025年内から欧州で順次販売を開始するという。新型グランディスはスペインのルノー社バリャドリード工場で生産される予定で、アライアンスパートナーであるルノーよりOEM供給を受けるCMF-Bプラットフォームを採用したコンパクトSUV。

1.3リッター直噴ガソリンターボ搭載のマイルドハイブリッドモデルと、1.8リッターエンジンにふたつのモーター、ふたつのインバーターとコンバーターを内蔵したパワーエレクトロニクスボックス、1.4kWhの駆動用リチウムイオンバッテリー、走行状況に応じて駆動を最適化するスマートマルチモードギヤボックストランスミッションを組み合わせたハイブリッドEVモデルをラインアップしている。欧州では13年ぶりの「グランディス」の復活ということになる。

だが、待てよ……グランディスといえば「3列シートミニバンだったんじゃねーの!!」という声が聞こえてきそうだ。そう、グランディスはミニバンをやめ、なんと三菱最新の技術、装備を満載した2列シートのコンパクトSUVに生まれ変わったのである(3列シートはなし)。これも時代の要請だろうか……。
そんなホットニュースはさておき、日本国内でミニバンが盛り上がっていた2000年代、2003年に登場した6/7人乗りでリヤヒンジ式ドアのミニバン=グランディスを覚えているだろうか。デザインは当時の三菱自動車のデザイン本部長であったフランスのカーデザイナー、オリビエ・ブーレイ(Olivier Boulay)によるもので、エクステリアデザインにはフランス人の解釈による日本独特の美をイメージさせる曲線が多く用いられていた。

ボディサイズは全長4775〜4780×全幅1795〜1835×全高1655〜1685mm、ホイールベース2830mm。パワーユニットは新開発のMIVECエンジン(4G69型SOHC)、165馬力・22.1kg-mのユニットを搭載。
駆動方式はFFと4WDを用意し、マルチセレクトと呼ばれる4WDは三菱らしく、インパネに設置されたセレクターで2WDモード、4WDモード、LOCKモードが選べるようになっていた。

インテリアの特徴は、3列目席が左右分割で床下に収納できるシートアレンジ性のよさと、安心素材インテリアと呼ばれる、自動車では初となるタバコ臭などのニオイを吸着、分解する消臭加工をインテリア天井材に採用していたことと、エクステリア、インテリアのスタイル、基調色、2列目席のベンチ、キャプテン仕様を自由に選べるカスタマーフリーチョイスが設定されていたことである。
3列シートのミニバンとして登場するも強力なライバルの後塵を拝す
当時のボクのインプレッションを振り返れば、「ワゴンのように背の高さを感じにくい、親しみやすいスタイリング、乗用車感覚のドライビングフィールが特徴で、走りに振った『スポーツ-E』、全高、車幅をアップしたSUVテイストある『スポーツギヤ』が追加され、モデルバリエーションの豊富さもグランディスならでは」

「走らせれば、デビュー当初からミニバンとしては低重心感覚の走りが自慢で、2005年のMCでは標準車の走りの熟成が図られ、一段と上質で乗用車的な走りを身につけた。2.4リッターエンジン+4速ATのパワーユニットはとくにパワフルではないものの、定員乗車でも過不足ない加速力を発揮」
「特筆すべきは2004年に加わったスポーツEグレードで、欧州仕様の足まわりが与えられ、ソリッド感ある乗り味、シャープなハンドリングを実現。安定感の高さはもとより、ミニバンにして走りの楽しさを味わわせてくれる、走り好きドライバーをも納得させるグレードである。ただし、一世代前のエンジンは、回転を上げると途端にノイジーになるのが惜しまれる」

「パッケージングでは、1/2列目席はクラスの平均値的スペース。が、3列目席はフロアが高いこともあって、乗降性はいまひとつ。スペース的にも余裕があるとはいえない。1/2列目ベストなミニバンと考えたい⋯⋯」、とある。
具体的には、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で、1列目席頭上に90mm、2列目席頭上に70mm、膝まわりに200mm、3列目席頭上に110mm、膝まわりに最小80mmのスペースがあった。ちなみに当時のオデッセイは1列目席頭上に180mm、2列目席頭上に150mm、膝まわりに220mm、3列目席頭上に80mm、膝まわりに130mm(2列目席膝まわり130mmのシートスライドの場合)と、ミニバンとしての1/2列目席は決して広々としたスペースではなかったのだ。

発売当初は月販3000台を目標にしていたグランディスだが、当時のミニバンはトヨタのシエンタ、カローラスパシオ、ウィッシュ、アイシス、イプサム、ノア&ヴォクシー、エスティマ、アルファード、日産のラフェスタ、キュービック、セレナ、プレサージュ、エルグランド、ホンダのモビリオ、ストリーム、エディックス、ステップワゴン、オデッセイ、エリシオン、マツダのプレマシー、MPVなど、多くのモデルが存在し、好みのわかれるスタイリングや2004年のリコール隠しの影響もあって、月間販売台数40台以下という月もあるほど、販売面では成功といえなかったのも事実。日本においては2012年までの9年間、1代限りのモデルとなったのである(欧州、中国では継続)。
しかし、冒頭で紹介したように、まずは欧州でグランディスの車名が13年ぶりに、コンパクトSUVに姿を変え、マイルドハイブリッド、ハイブリットとして復活。デジタル化、Google搭載によるコネクティッド機能、最新の先進運転支援機能などを満載し、なおかつ日本の路上でも大きすぎないサイズだと予想できるため、日本でもグランディスの車名の復活とともに、ぜひとも販売してほしいと願う。

すでに発表されている新型グランディス、内外装ともに相当、カッコいいのだから!! となれば、デリカミニ、エクリプスクロス、アウトランダー、トライトンとともに、三菱らしいSUVのフルラインアップが完成することになる。



