王座陥落・武居由樹が繰り返した「すいません」の理由 号泣からの再起へ「新しい武器を」八重樫トレーナー
武居由樹がメディナに4回TKO負け
ボクシングのWBO世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチ12回戦が14日、名古屋市のIGアリーナで行われ、王者・武居由樹(大橋)が同級1位クリスチャン・メディナ(メキシコ)に4回1分21秒TKO負け。自身3度目の防衛戦で、王座を陥落した。失意の武居は会見で謝罪の言葉を繰り返した。戦績は25歳のメディナが26勝(19KO)4敗、29歳の武居が11勝(9KO)1敗。
「すいません……」。武居は試合後の会見中、何度も謝罪の言葉を繰り返した。ボクシング転向後12戦目で初の敗戦。自身3度目の防衛戦での完敗に「まだ現実を受け入れられていないという気持ちです」と呆然とした表情を見せた。
初回からメディナが見せる豪打に会場からも「おぉ!」という驚きの声が漏れる中、残り40秒過ぎに右フックが武居の顔面を直撃。ダウンを喫する。続く2回、3回もロープを背負いながらの戦いを強いられる苦しい展開となった。
決着は4回。コーナーに追い詰められた武居の顔面をメディナの右アッパーが何度も襲う。7度目の強打の直後に、レフェリーが試合をストップ。金星を挙げたメディナが歓喜する中、会場は悲痛な空気に包まれた。武居はリング上で号泣。両手を合わせ、観客席に礼をしながらリングを下りてからも、何度も涙を拭いながら、花道を戻っていった。
初回のダウンについて「正直覚えていない」と語った武居。立ち上がりの出来について問われると、「どうなんだろう……あんまりわからないです。すいません、すいません……」と繰り返した。敗因については「対策されていたのかなと。自分のパンチが読まれていた。まだまだです」と絞りだした。
今後について「正直まだ受け入れられてない。ゆっくりしてから」
再度謝罪の言葉が口をついたのは、リング上で見せた涙について問われた時だ。「本当にただ悔しくて……。応援してくれている皆さんの前であんな姿をみせてしまったことが申し訳ないです。すいません」。世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の前座試合として注目の高い一戦。見守った1万6000人の観衆や応援してくるファンへの想いを口にした。
かねてよりWBC世界同級1位・那須川天心(帝拳)と、王座統一戦での対戦を熱望。またWBA同級休養王者となっている堤聖也(角海老宝石)にも対戦を呼びかけるなど、王座をかけた日本人対決実現にファンの期待が高まっていたが、今回の敗戦で白紙に。武居は今後について「正直自分の中でまだ状態が受け入れられてないので、ゆっくりしてからちゃんと答えを出します」と、明言を避けた。
チャンピオンとして注目される中、メディナの緻密な研究、対策に屈する形での敗戦。武居を指導する元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーは「もちろん世界チャンピオンなので、世界中のボクサーから注目、研究されるのは当たり前のこと。さらに裏をかく動きだとか、新しい武器を身に着けていかないといけない」と前を向いた。
キックボクシング時代も、プロデビュー2戦目から2連敗しながら、K-1世界王者へと這い上がった。武居は、ボクシングでの初黒星を糧に、群雄割拠のバンタム級での再起を目指していく。
(THE ANSWER編集部)

