【財務省】税収は5年連続過去最高 野党から減税求める声強まる

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物価高を巡る経済政策で、加藤勝信財務相は今後「蚊帳の外」(財務省幹部)に置かれるかもしれない。7月20日投開票の参院選では自民、公明両党が苦戦し、現在政府が掲げる経済政策は勢いづく野党各党の要求を受けて、大幅に変更を余儀なくされる可能性が高まっているためだ。

 今夏の中央省庁人事で財務省の主要幹部が留任したのも、選挙後に想定される政権枠組みに柔軟に対応するための措置といわれる一方、従来調整能力に疑問符がつきまとう加藤氏の出番は少なくなるかもしれない。

 財務省が2日に発表した2024年度決算見込みで、税収は5年連続で過去最高を更新して75兆2320億円。昨秋の24年度補正予算時点から約1.8兆円上振れしたことを受け、野党からは増収分を財源に減税を求める声が日増しに強まるが、これに先立つ1日の閣議後会見で、加藤氏は「首相からは今回の給付金について赤字国債を発行しないと指示が出ている」と述べるにとどまった。
   

     
      加藤勝信・財務相


 減税より給付金が財政規律に資すると本当に考えるのであれば、財政当局のトップとして意義を丁寧に説明する必要があるはずだ。財務省内でも「選挙中であり、大臣としての立場もあるだろうが、そっけなさすぎて他人事のように聞こえるのでは」(中堅)と懸念がくすぶる。

 参院選で与党が大勝しない限り、衆院で少数与党であるため、今後も政府・与党は立憲民主党国民民主党日本維新の会それぞれが掲げる経済政策を一定程度受け入れざるを得ない可能性は高く、政府は与野党との複雑な調整を強いられそうだ。

加藤氏はトランプ米大統領の高関税政策を巡る対米交渉でも見せ場を示せなかった。加藤氏は「今がピーク」(財務省幹部)ということだろうか。

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