柏戦のアディショナルタイム、冷静にGKをかわして決勝弾を決めた松村。写真:永島裕基

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[J1第24節]鹿島 3−2 柏/7月20日/メルカリスタジアム

 鹿島アントラーズは7月20日、J1第24節で柏レイソルとホームで対戦。2−2で迎えた後半アディショナルタイムの劇的なゴールで、3−2の勝利を収めた。

 この一戦で殊勲弾を決めたのは松村優太だ。

 90+4分、GK早川友基からのロングフィードはタッチラインを割り、柏のスローインとなったが、リスタート直後の相手のパスミスを見逃さず、ペナルティエリア内でルーズボールを収めた松村が、GKをかわして左足のシュートをネットに突き刺した。

 直後のゴールセレブレーションでは男泣きする姿や、スタンドに向けて手を合わせて謝るような仕草を見せていた。

 そこにはどんな想いが込められていたのか。

 松村はまず得点シーンについて、「意外に冷静でした」と以下のように振り返った。

「鬼木(達)監督が先発もサブも関係なく、全員で総力戦と言っていたように、(相手のパスミスが生まれた)あのシーンも田川(亨介)選手がしっかりとプレスをかけてくれた結果、自分の前にこぼれてきたと思います。相手を外してというのは自分の得意な形でもありますし、本当に決められて良かった」

 サポーターへ手を合わせたのは、76分に瀬川祐輔に決められた失点シーンの反省が込められていたという。

「僕のせいで失点してしまって…このまま終わることはできないと思ってました。(得点を決めた直後も)ごめんなさいっていう気持ちだけでした。本当にゲームを壊してしまうところでしたし、そこは反省しないといけないと思います」
 
 また、柏戦のゴールは松村にとって2023年のJ1最終節、横浜FC戦以来のリーグ戦での得点だった。

 その23年シーズンは20試合に出場(5試合に先発)するなど、レギュラーの座を掴みかけていた時期だった。しかし翌24年シーズンは先発出場がなく、ベンチ入りもままならない状況に陥っていた。

 松村は24年当時、「何がいけないのか正直分からないこともある。だけど、出場できないのは自分に何かが足りないのだと思う」と思い悩んでいたこともあった。

 それでも、チームメイトだった仲間隼斗(現・柏)が一時はスタメンから外されても、再び主力に返り咲いた姿を目の当たりにし、「もっと練習から戦う姿を見せ続ければ自分も隼斗くんのようにピッチでチームに貢献できるチャンスが来るはず」と秘めた決意を明かしてくれていた。

 その後に東京Vへの半年間の武者修行期間を経て、今季再び鹿島でプレーする背番号27。柏戦でのゴールには、苦しい期間を経験したからこその想いが詰まっていたのだろう。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

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