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勢いの鈍るBEV。今後の読みは?

昨年11月の終わりごろ、JR田町駅にほど近いステランティス・ジャパンに数名のメディアが招集された。社長就任からちょうど1年ということで、打越晋社長の“思いつき”によるラウンドテーブルが開催されたのだ。

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その内容は2023年の振り返りと今後の展望について。そこでは「コロナ後の輸入車の販売は8割がた回復している。あとはこちらがお客様にどういった提案ができるか」といった話があった。


ステランティス・ジャパン開催 2024年4月のラウンドテーブル

実際に打越社長は「エブリバディEVキャンペーン」を“思いつき”、実行に移している。これはステランティスの電動化モデルを購入した方にカスタマイズした旅行をプレゼントするというもの。当時の論調としても、「電動化モデルの普及こそ同社の回復の切り札になる」という感じだった。

あれから5ケ月ほどが過ぎ、再び打越社長を囲むラウンドテーブルが開催された。今回はQ1(第1四半期)の振り返りと展望がテーマということだったが、こちらの興味は電動化に対するスタンスにあった。

電動化の流れはこれまでも度々大きなうねりを伴っているが、ここ半月ほどは「BEVの販売が失速している」といったニュースをよく見かけるようになっている。これに対し日本で展開している7ブランド全てで積極的に電動化を推し進めているステランティス・ジャパンのスタンスに何か変化はあったのだろうか?

小型モデルこそ現状BEVの最適解

ステランティス・ジャパンの7ブランドの電動化モデルはPHEV、BEVなど様々なかたちで日本導入されており、昨年はアバルト500eが話題となり市場の反応も良かった。

「今年のQ3以降で、先ごろ少しお騒がせしてしまったアルファ・ロメオのミラノ改めジュニアと、ジープのアベンジャー、フィアット600e、そしてeDS3を全てBEVモデルとして導入していきます」


ステランティス・ジャパン開催 2024年4月のラウンドテーブル

「お騒がせ」とはミラノという名前で一度発表されたにもかかわらず数日後に変更になったという話のこと。ちなみに世界的にはジュニアだが、日本における正式な名称はまだ決定していないとのこと。

さて本題である。

「昨今の『電動化モデルが足踏みしている』という状況は理解していますが、弊社としてのスタンスは変わりません。というのも私自身はガソリンエンジン車が大好き人間ですけれど(笑)、一方で移動距離が短い普段使いであれば小型のBEVの方が圧倒的に便利で効率がいいという考えだからです」と打越社長。

確かに同社の電動化モデルはフィアットとアバルトの500eをはじめとして比較的小さなモデルが多い。日本のBEVの販売台数はここ2年はサクラの圧勝だが、それこそ普段使いにおける小型BEVのメリットといえる。

「小型車ならBEVがいい。でも週末に遠出するような需要にはPHEVがストレスフリー」というのが打越社長とステランティスの推奨カーライフということになる。滞っているように思える充電インフラ等も含めれば、自宅充電がメインとなる小型モデルは現時点におけるBEVの最適解といえるだろう。

クルマと家電でライフスタイルを提案

だが今後、世界的にさらにBEVが伸び悩む可能性も否定はできないだろう。

「弊社のプラットフォームは全てマルチパワートレイン設計なので、柔軟に対応できます。また新型車が発表されてから日本で導入するまでのタイムラグがあるので、それがどんなモデルを入れるかを検討する時間的な余裕になります。それでも世の中の全体的な流れは、BEVに向かっていくと思っています」


ステランティス・ジャパン開催 2024年4月のラウンドテーブル

全てのクルマが一気にBEVに切り替わるのではなく、メリットを合わせて少しずつ普及していく。としても一度決まったエミッションのルールが今後緩くなることはありえないのだから、電動化は大きな流れなのである。

そんなステランティス・ジャパンは現在、ブランド横断型キャンペーンの第二弾、Go! EV Lifeを展開している。前回は電動化モデルの購入者にカスタマイズ旅行をプレゼントしていたが、今回は二子玉川 蔦屋家電のコンシェルジュがセレクトした家電(25〜36万円相当分)をプレゼントするというもの。

「弊社の電動化モデルを購入されるお客様は日常生活に対しても強いこだわりを持っていると思うので、今回のキャンペーンにも興味を持ってもらえると思います」と打越社長。

これからしばらくの自動車市場はパワートレーンの混在が避けられない。だがそんな変革期でも、ステランティスには自らのライフスタイルにちょうどいい魅力的なラインナップが揃っているのである。