写真・時事通信

 福島第1原発の処理水放出をめぐる元法政大学教授・田嶋陽子氏の発言に、非難の声が集まっている。9月24日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)に出演した田嶋氏は、処理水の海洋放出について、

「海が汚れるとか、魚の形態が変わってくるんじゃないのかとか、私は個人的には無知も含めて気持ち悪いですよね」

「安全基準なんて満たされてないじゃん。トリチウム以外もいっぱいいろんなもの入ってんだからさ」

 などと発言。処理水の処分方法をモルタル固化式に即刻変更すべき、との自説を主張した。田嶋氏はほかにも、

「IAEA(国際原子力機関)だって、原発ありでやっていることだから。来た人だって顔色悪かったじゃん」

 と、7月に来日し、原発の処理水施設を視察したIAEAのグロッシ事務局長を揶揄するかのような発言があった。

 SNSではこれらの発言に対し、

《元参院議員だそうだが、聞いて呆れる》

《コレは酷い…こんな風評加害者TV出したら駄目だわ。ホントあり得ない…》

《とんでもない言いがかりです。グロッシ事務局長への中傷、さらには福島の水産物に対する深刻なデマです》

《この発言はあまりにもひどいです。東北の方々がどれだけ頑張っているか。今頃また、風評を助長している》

 などの批判的な意見が多数みられる。田嶋氏は2001年に社民党から参院選に出馬し、当選。任期中の2003年、神奈川県知事選に立候補し、参院議員を失職している。

 実業家のひろゆき氏は、9月25日、自身のX(旧Twitter)を更新。田嶋氏の発言を報じた「ハフィントンポスト」の記事を引用し、

《処理水放出に反対して、福島県に寄り添うように見せつつ「魚の形態が変わってくるんじゃないのか」とか、福島県の漁業のイメージを悪くするデマを流してる人ってどういう思惑なんだろう。。。?思惑もなく、単に頭が悪いだけなのかな、、、?》

 と批判した。

 SNSには、このような発言を放送したテレビ局に対する批判も多い。

《これが、元社民党参院議員で法政大学教授。82歳にもなって何の教養も常識もない。番組に出演させる事自体テレビ局の非常識(そこまで言って委員会)》

《田嶋氏の誤認は論外として、こういった情報を垂れ流すメディアの体質はどうなのよ。バラエティだから、で済ませる話ではないだろう》

 作家の乙武洋匡氏も、自身のXに

《この番組は生放送でないにもかかわらず該当箇所をカットしなかったということは、読売テレビも「処理水は安全基準を満たしていない」という認識なのでしょうか?読売テレビさん、見解をお願いします》

 と投稿。番組への疑問を呈している。公共の電波を使って「なんでも言っていい」わけはないだろう。