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システム総合653psのPHEV SUV

2023年には、フェラーリとBMW Mという、2つの名門ブランドからSUVがリリースされる。賛否両論入り乱れるとは思うが、AUTOCARでは既にフェラーリ・プロサングエへ試乗し、素晴らしい仕上がりにあることを確認している。

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フロントに搭載される6.5L V型12気筒エンジンが、素晴らしい役目を果たしていた。おのずと、4.4L V型8気筒を搭載するBMW XMにも期待が高まる。


BMW XM(北米仕様)

遡ること1978年、同社はミドシップ・スーパーカーのBMW M1を生み出した。XMは、それ以来となるブランドの独自モデルに相当する。CEOのフランク・ヴァン・ミール氏は、最高の「X」と「M」を提供できたと自信を隠さない。

XMは、Mモデルとして初のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)であることも注目だろう。内燃エンジンは、S68型と呼ばれるV型8気筒ガソリン・ツインターボ。150psを発揮する駆動用モーターは、ZF社製の8速ATに内蔵される。

システム総合での最高出力は653ps、最大トルクは81.4kg-mを叶えている。ちなみにこのパワートレインは、次期M5にも搭載される予定にある。恐らく、更にパワーアップされたカタチで。

ただしXMにも、748psを発揮する「ラベルレッド」という最強仕様が控えている。モンスター級のアストン マーティンDBX707を上回るパワフルさだ。

駆動用バッテリーの容量は29.5kWhと、このクラスとしては小さめ。電気だけで走れる距離は88kmがうたわれる。英国価格は14万8060ポンド(約2383万円)からに設定された。

インパクトが強いスタイリング

印象的な数字が並ぶXMだが、見た目にもかなりのインパクトがある。写真でも相当だと思うが、実物を目の当たりにすると存在感が半端ない。息を呑むスタイリングとはこのことで、BMW Mの狙いの1つは果たされたといえるだろう。

直線的な面構成で大柄に見えるが、ボディサイズはBMW X5とX7の中間に相当する。全長5110mm、全幅2005mmと、大きすぎることはない。ドアとボディパネルの隙間は極限まで狭められており、シャープな塊感を強調している。


BMW XM(北米仕様)

四角い金属をナイフで削り落としたような面構成は、マッシブでエレガントな従来のMモデルらしさを感じさせるものではない。プロポーションも若干ぎこちないが、オシは間違いなく強烈だ。

エッジーなボディを、ゴールドのトリムが彩る。縁取りされた巨大なキドニーグリルの輪郭は、LEDライトで照らし出される。リアには、6角形の極太マフラーが両サイドに2本づつ、縦に並んでいる。

BMWは、XMの大半が北米と中国市場で売れると考えている。確かにフルサイズ・ピックアップトラックのフォードF-450や、大型SUVのホンチーE-HS9と交差点で並んだら、少し控えめに映るかもしれない。

やや保守的な欧州市場では、BMW X5 Mのように支持を集めるとは考えにくい。読者のご感想はいかがだろう。

知覚品質が非常に高いインテリア

インテリアにもボディと同じデザインテーマが反映されているが、印象はいくぶん穏やか。細かなプラスティック製部品はしっかり金属のように見え、ふんだんに用いられたレザーやアルカンターラと調和している。ステッチは、一糸乱れず並んでいる。

ダッシュボードの上には、大きく湾曲したメーターパネルが鎮座する。その躯体は、マット仕上げのカーボンファイバー製だ。インテリアの知覚品質は非常に高い。BMWは、インテリアデザインを理解している。


BMW XM(北米仕様)

試乗車のダッシュボードには、コーヒーブラウン・ヴィンテージという独特の風合いのレザーが巻かれ、素敵に感じられた。M2のドライバーが望む雰囲気ではないとしても、新しいMのスタイルとして新規顧客の関心を得られるだろう。

充電ケーブルは、ブランド物の高級カバンのようなレザーケースに収まっている。試乗車を受け取ってそれを発見した時は、前に試乗したリッチなジャーナリストの忘れ物かと勘違いした。XMが仕立てられたベクトルを、指し示すアイテムだといえる。

ゆとりのあるリアシート側の空間を、BMW Mは「Mラウンジ」と呼んでいる。確かに贅沢な雰囲気が漂う。ボディのサイドラインが後端に向けて上昇し、サイドウインドウが小さく、隠れ家バー的かもしれない。

上質なシートの座り心地は快適。巨大なルーフパネルは、走行モードによって色が変化する。車内のあちこちに、Mのロゴが散りばめられている。

この続きは後編にて。