片山さつき・参議院議員「コロナ禍を乗り越えるためにも病院間の連携、危機管理体制の見直しが必要」
─ コロナ禍が続いており、2021年4月には複数の都市に「緊急事態宣言」、「まん延防止等重点措置」が出されました。今、コロナに関してどういう問題意識を持っていますか。
片山 この病気は、空気感染ではなく飛沫感染だという特性を持っています。その防止には徹底的な除菌をすればいいわけです。そしてマスクの着用は徹底する必要があります。
その上で早期発見、ビッグデータの把握、安心できる医療体制の確保ができれば、患者さんはゼロにならなくても、徐々に社会生活は通常に戻ってくると思います。
なかなか終息しないため、皆さんフラストレーションを溜めておられます。4月に入って第4波が襲来し、しかも感染力の強い変異株が中心になりつつあります。
ワクチン接種も始まっていますが、基本的には公的病院と民間病院の連携を進めることが必要です。また、個人の生活では改めてマスクや手洗いを徹底することが大事だと思います。
─ 医療体制の確保は引き続き大きな課題です。
片山 ええ。昨年末から今年初めにかけての対応には甘さがあったのではないかと思います。スーパーコンピューターによる解析では気温、湿度が下がると、飛沫は飛びやすくなりますし、ウイルスが不活化(病原体の感染性が失われる)するまでに時間がかかりますから、感染しやすくなることはわかっていました。
昨年秋から感染性の強い変異株が出たこともわかっていたのに、病床の確保体制に甘さがあったことが「医療は大丈夫か?」という懸念につながったのだと思います。
ただ、大木隆生先生(東京慈恵会医科大学医学部外科学講座統括責任者)も言われているように、感染が拡大した年末年始でも、都内の病院のほとんどで人間ドックを受けることができました。ですからコロナに対応する医療機関が逼迫し、現場が疲弊した状態になったのは事実ですが、海外で起きているような深刻な医療崩壊は日本では起きていません。
今、病床の確保を進めていますが、私は年内いっぱい「空床補償」をすればコロナ患者を受け入れる病院はさらに増えると思います。
─ 病院間の連携がさらに重要になってきますね。
片山 長年必要性が叫ばれていながら連携ができていなかったことが今の混乱の原因です。医療圏は、1つの県にいくつかありますが、規模によっては県全体でもいいのだと思います。
東京には多くの医療圏がありますが、例えばコロナ専用病院はどこで、困難な手術はどこで、救急医療はどこで、コロナ回復期の患者さんをどう診るのかということを分担して回せば混乱はなくなります。こうした日常的な連携の計画が、ほとんど全ての医療圏でできていなかったのです。
─ 長野県松本市では相澤病院を中心に周辺自治体と連携し、症状によって医療機関の役割を分担する「松本モデル」を構築していますね。
片山 松本モデルは成功事例ですね。他にも千葉県鴨川市では亀田総合病院さんを中心とした、いわば「鴨川モデル」で取り組んでいます。
医療機関同士が情報を共有し、ビッグデータ、AI(人工知能)で管理ができれば、たらい回しもなくなり、効率的運用ができますが、よく言われるように病院間で張り合ってしまって、情報が共有できないという課題があります。
実際、3月に自民党の全ての衆議院議員、参議院議員が地元でヒアリングをしたのですが、皆さん頭を抱えていました。病院同士、日頃はライバルだから連携しないと。
─ 公的病院が中心になってコーディネートするわけにはいかないんですか。
