なぜ個体差が存在? あると便利な「アシストグリップ」が運転席に無い理由
車内の窓の上についている「アシストグリップ」は、体を支えたり乗降したりする際に便利なパーツのひとつです。
しかし、アシストグリップが運転席に装備されていないクルマもありますが、これには一体どんな理由があるのでしょうか。
アシストグリップは、助手席や後席上部に取り付けられている握り手で、乗り降りするときや体を支えるために装着されています。
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しかし、運転席に装着されていない車種もあります。なぜ、アシストグリップが装着されないケースがあるのでしょうか。
国産メーカーの担当者は以下のように話します。
「車種や用途によって運転席にアシストグリップがないことがあります。
とくに、車高が低いクルマにアシストグリップが装備されていないことが多いです。
車高が低いクルマは、ルーフと頭部が近いため、万が一の事故の際にアシストグリップに頭をぶつけてしまう可能性があります。
事故の際に頭を保護するため、アシストグリップを設定していない車種もあるようです。
運転席のアシストグリップがないモデルは、ボディタイプやクルマの形状にもよりますが、スポーツモデルなどに装着されていないことが多いです」
また、悪路などを走行するような車種においても運転席にアシストグリップは装着されていません。
ジムニーを専門とするカスタムショップは次のように話しています。
「先代モデルでは、運転側にアシストグリップは付いてなかったものの、ネジ穴は存在しました。しかし、現行モデルはネジ穴自体なく取り付けが難しくなっています。
この手のモデルは、悪路走行をする人には頭をぶつける可能性があるのでいらない人もいますが、街乗りメインの人だと乗り降りの際にあると便利でした」
※ ※ ※
アシストグリップは、車内の突起物ともいえます。そのため、スポーツ走行や悪路走行が想定される車種では装着されないケースもあるようです。
アシストグリップの正しい使い方とは?
アシストグリップは、本来どういった目的で装着されているのでしょうか。
前述のメーカー担当者は、次のように話しています。
「アシストグリップは、クルマの乗り降りをするときや乗車中の体の動きを安定させるために装着されています。
クルマに乗り降りする際は、アシストグリップに大きな負荷がかかりますが、車内で荷重テストなどを厳密におこなっています。
ただし、アシストグリップは名前のとおり、『アシスト』するものですので、ほかの用途には使わないようにしてください」
一方で、別のメーカーでは、アシストグリップについて以下のように説明しています。
「アシストグリップは乗降時に使用しないでください。
アシストグリップは、座った状態で体を支えるために使用するものです。乗降時につかむと体重がアシストグリップに直接かかり、万が一、外れた場合に思わぬ事故に繋がる恐れがあります」
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メーカーによって、アシストグリップの目的や用途は、考え方が異なるようです。
また、最近ではアウトドアや車中泊が流行っていますが、その際にハンガーなどをアシストグリップに引っ掛けたままにしている光景が見受けられます。
これは、万が一の事故時にハンガーが当たって怪我をすることや、SRSカーテンエアバッグが正常に作動しない恐れがあるため、走行時のアシストグリップには何も掛けていないことが重要です。