総合旅行サイト「エクスペディア・ジャパン」は7月9日、有給休暇に関する国際比較調査の結果を発表した。調査は2019年10〜11月にネット上で実施し、19か国の1万1217人から回答を得た。

日本の有給休暇取得日数は10日、取得率は50%でいずれも19か国中最下位だった。特に取得率では、ワースト2位のマレーシア、オーストラリア(各70%)から大きく開き、世界各国と比べて極めて低い水準であることが分かる。

最下位を争っていた韓国は2015年から35ポイントも上昇


日本の最下位は、2016年以降4年連続。14、15年についてはワースト2位だったものの、09〜13年もやはり最下位だった。ちなみに、14、15年の最下位は韓国だ。14年の取得率は日本の50%に対し、韓国は48%、翌年は40%に落としていた。

ところが、韓国は16年に53%で再び日本を抜くと、17年には67%、18年には世界2位タイの93%にまで上がり、今調査では75%に高止まりしている。対照的に、日本は2015年の60%をピークに、その後は50%で横ばい。韓国にすっかり置いていかれた形と言える。

日本人が休みを取らない理由としては、最多が「緊急時のために取っておく」だった。世界各国では有休のほかに傷病休暇が支給されることも多いが、日本ではあまり一般的でないことが影響しているとみられる。

理由の2位は「人手不足」、3位は「仕事をする気がないと思われたくない」だった。有休を取得する上でも、思わず空気を読んでしまう日本人の気質が伺える結果だった。

香港、台湾は有休取得率2位

一方、19か国中で取得率1位だったのはブラジル、スペイン、ドイツ、シンガポール(各100%)。2位のフランス、カナダ、香港、台湾(93%)も高水準だ。上記のうち、特にブラジル、スペイン、ドイツ、フランスでは、有休支給日数が年30日あり、日本の20日間より多いにもかかわらず、取得率が高い。

3位のイギリス(89%)、4位のタイ(83%)までが8割超。5位以降はイタリア、ニュージーランド、韓国(各75%)、インド、アメリカ、メキシコ(各71%)などが続いた。

また、19か国中で「上司が有休の取得に協力的」と回答した割合でも日本(53%)は最下位だった。上位はメキシコ(84%)、インド(82%)、ブラジル(81%)、スペイン(77%)、フランス(73%)などが並び、韓国(60%)も日本より高かった。