パン屋さんでパンを買うとき、便利だからと、スライスして袋づめされているものを選びがちではないでしょうか?

「パンは切り口から乾燥して劣化していきます。すぐに食べきれない場合も、丸ごと買って食べるときに切るのがおすすめです」と教えてくれたのは、湘南でパン教室を営む池田愛実さん。
家の包丁できれいにスライスするコツを詳しく教わりました。


切り方でパンのおいしさも変わります

切り方でおいしさが変わる!種類別!パンの切り方ガイド



●切りやすくするには「包丁を温める」

まずすべてのパンに共通して使えるのが「包丁を温める」方法。
これはパティシエがケーキを切るときによく使う方法なんです。

お湯の中に包丁を漬けたり、長さがある包丁の場合は刃の全体にお湯をかけたり、温かいふきんでぬぐって刃を温めると、やわらかいパンもきれいにスライスできます!
サンドイッチ用など薄いスライスも楽々できるので、ぜひお試しを。

●おすすめのパン切り包丁


パンを切るなら「波刃」。パンの表面に引っかかるギザギザした刃が特徴です。
とくに表面積の大きな食パンを切る場合、波刃の方が普通の包丁(平刃)よりも刃渡りが長いので、前後に動かす回数が少なくすむ分、切りやすいのです。

選ぶときは、軽いよりもある程度重さのある包丁がおすすめ。安定感があり、あまり力を入れなくてもスムーズにカットできますよ。
(写真上から平刃包丁、軽めのパン切り包丁、重めのパン切り包丁)

●用途別!食パンのおすすめの厚さ


せっかく自分で食パンをスライスするならば、挟む具材や好みによって厚さを変えてみましょう。
サンドイッチでハムやツナ、チーズなど主張の強すぎない素材を薄く挟む場合、12枚切り(1cm)がおすすめです。パンが主張しすぎずに具と調和して、さっぱりとした軽めのサンドイッチになります。

少し厚めのパンで挟むのが好みでしたら10枚(1.2cm)にしてもいいでしょう。たった2mmですが、2枚使うと4mm厚くなるので、食べたときによりパンの印象が強くなります。パンのふかふかした食感を楽しみたい場合におすすめです。
さらに厚めがお好みなら8枚切り、1.5cmです。

トーストの場合、標準的な6枚切りは2cm。厚切りトーストにしたい場合、4枚切りの3cmにカットしましょう。

●バゲットの切り方


次はバゲットです。丸々1本買ったとき、おいしく食べきるコツはあるのでしょうか?
じつはバゲットは切り方によって表情がガラッと変わるパンなんです。

バゲットの本場フランスでは、縦に切ってジャムなどを塗る「タルティーヌ」が朝ごはんの定番。皮の部分が片側だけになるので、硬いパンが苦手な方でも意外と食べやすいですよ。
「輪切り」にスライスして食べる場合、少し斜めに切ると、やわらかいパンの中身(クラム)の表面積が増えます。薄く切ってカナッペにするときには具が乗せやすく、分厚く切ってフレンチトーストにするときには卵液がしみ込みやすいメリットも。

端っこのカリカリの皮が好き! という方もじつは多いので、カットするときはみんなの好みを聞いてシェアしてもいいですね。

●ライ麦パンの切り方


普段あまり食べ慣れない方も多いライ麦パン。おいしく食べるコツは、薄めにスライスすること!
ライ麦にはグルテンがほぼ含まれないためふくらみにくく、ずっしりした食感なので、ライ麦の配合の比率が多いほど薄くスライスした方が食べやすいです。

比率がわからない場合は、黒っぽくずっしりしたライ麦パンは7mm程度の薄めに。やや白っぽくふんわりしたライ麦パンなら1cm程度がいいでしょう。
バターやチーズの乳製品と合わせたり、ハムを乗せて食べるとおいしいですよ!

同じパンでも、厚さによって食感も合う具材も変わってきます。ぜひパンに適した切り方でおいしく召し上がってくださいね。

●教えてくれた人
【池田愛実さん】


ル・コルドンブルー代官山校パン科卒業。同校のアシスタントを務めた後、渡仏。現地のパン屋2軒で経験を積む。帰国後は都内のレストランでパンの商品開発、製造に携わる。現在は湘南でパン教室「crumb―クラム」
を主催。フランスパンや自家製酵母パン、フレンチ惣菜を教えている。