by Camila Plata

一般的なアリとは違い巣を作らず、軍隊のように行進するグンタイアリは、相手を圧倒する膨大な集団で獲物に襲いかかるというどう猛さで知られています。そんなグンタイアリの「戦争」について解説するムービーが、YouTubeで公開されています。

The World War of the Ants - The Army Ant - YouTube

アリは1億6000年前に誕生したとされており、さまざまな環境に適応して地球上の幅広い地域に生息するようになりました。



記事作成時点で1万6000種ものアリが存在するそうで……



個体数は1京匹を超えるとのこと。



なんと世界中のアリを集めた重量は、地球上の全生物を集めた重量の20%に匹敵するほどです。



アリが地球上で繁栄した理由は……



人間と同じく大勢の個体が協力して生きている点にあります。



複雑な巣を構築したり家畜として生物を飼育したりするほか、なんと農作業を行うアリも存在します。



そして、大勢の個体による戦争も日常的に行われているとのこと。



同種であっても大規模な戦争を行うことは少なくないそうで、アリの群れの規模が大きくなればなるほど、死ぬアリの数も増加します。



中でも激しい戦争を行うアリが、グンタイアリと呼ばれるアリです。グンタイアリは世界中に200種類がいるとされており……



巣を作らずに数百万匹の仲間と共に遊牧民のような生活を送っています。



100mもの隊列で狩りを行うこともあるグンタイアリに遭遇すれば、小動物や大きめの昆虫さえあっという間に殺され、バラバラに分解されてしまいます。大きな群れになると、1日の狩りで最大50万匹もの動物を殺すこともあるそうです。



また、シロアリやハチなど、集団で生活する昆虫を標的にするグンタイアリもいます。多くの昆虫同士がぶつかり合う様は、まさに戦争というのがふさわしい状況。



スズメバチは恐ろしい昆虫ですが……



グンタイアリに巣を攻撃されてしまえばひとたまりもありません。



1対1の戦いではスズメバチに軍配が上がりますが、グンタイアリは数にものをいわせてどんどん巣の中に侵入していきます。



そしてグンタイアリは食料となる幼虫を運び出していき、スズメバチの巣に壊滅的なダメージを与えるとのこと。



また、ほかのアリに遭遇してもグンタイアリは容赦なく戦争を仕掛けます。



グンタイアリの中でも戦いを専門とする兵隊アリは、他のアリと比較してもそう大きな体ではありません。しかし、グンタイアリはとにかく膨大な数で相手を圧倒することで戦争に勝利するそうです。



一度戦争が起これば相手のアリにもグンタイアリにも甚大な被害が出ますが、グンタイアリは時に相手を全滅させてしまうこともあります。



しかし、グンタイアリ同士が遭遇した場合は……



戦いに発展することなくお互いにスルーするか、距離をとってぶつからないように調整するとのこと。



この性質は進化の過程で獲得したものだそうで、グンタイアリ同士でも構わずに戦争を仕掛ける種類はお互いに損害を与えあって絶滅し、グンタイアリ同士の戦いを避ける性質のグンタイアリが今日まで生き残ったと考えてられています。



グンタイアリと全面的な戦争に及ばないアリもいるそうで、Pheidole desertorumという種類はグンタイアリの襲撃を受けるとすぐに幼虫などをできるだけ運び出し、群れの生存確率を上げる行動が見られるとのこと。



また、Pheidole obtusospinosaという種類のアリは四角く巨大な頭を持っており……



巣穴を頭でふさいでグンタイアリの襲撃を防ぎます。このように、アリの中にはグンタイアリへの防御機構を備えた種類も多いそうです。



グンタイアリと互角に渡り合うアリも存在しています。働きアリが様々な木に登って葉を切り落とし、次々と巣へと運んでいく性質で知られるハキリアリは、人間に勝るとも劣らない複雑な社会性を持っており……



深さや幅、奥行きともに数メートルの規模の巣穴を作り、高度な分業制を維持しています。



中でも兵隊アリは特に大きな体をしており、働きアリの100倍近い体重だそうです。



兵隊アリはグンタイアリとの戦争に特化した存在であり、襲撃してきたグンタイアリを倒す役割を持っています。



しかし、ハキリアリも安全というわけではありません。アリの幼虫を主食とするNomamyrmex esenbeckiiという種類のグンタイアリでは、兵隊アリが非常に硬い装甲を持っており、ハキリアリとの戦争に勝てる数少ないグンタイアリだそうです。



ハキリアリがNomamyrmex esenbeckiiの襲撃を察知するとすぐさま厳戒態勢となり……



兵隊アリが戦闘地帯にやってきます。



横幅数メートル、奥行き1メートルもの戦闘地帯では多くのアリたちが入り交じりっています。



兵隊アリは基本的に1対1で戦い、相手の首にかみついて殺そうとします。さらに体の小さな働きアリも戦争に参加し、相手の背後に回り込み足をかみちぎろうとすることで自軍の兵隊アリを支援しているとのこと。



Nomamyrmex esenbeckiiの働きアリも、ハキリアリに毒を打ち込むなどして兵隊アリを支援します。大規模な戦争においてグンタイアリの数は脅威であり、Nomamyrmex esenbeckiiとの戦いでハキリアリが劣勢を悟ると……



巣穴に戻って急いでバリケードを構築するそうです。



残念ながらバリケードの構築に失敗すると、大量のNomamyrmex esenbeckiiが巣穴に侵入。



幼虫などを運び出していき、たとえハキリアリのコロニー自体が存続しても、非常に大きなダメージとなります。



グンタイアリとの戦争では、どちらが勝利したとしても膨大な数の死体が戦場に残されるとのこと。



しかし、たとえ深刻な被害があろうともアリ同士の戦争はなくなる気配がありません。熱帯雨林の中だろうとコンクリートに囲まれた市街地だろうと、毎日至るところでアリは戦争を繰り広げています。



人間は戦争を回避しようとする動きを強めていますが、アリたちの世界に平和が訪れる日は遠いかもしれません。