ビル・ゲイツ、「Androidの市場を取れなかったことが最大の過ち」と振り返る
Eric Vidal / Reuters

マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が、GoogleがAndroidにより手にした巨大なスマートフォン市場を得られなかったことが「最大の過ちだった」と振り返る発言をしたことが報じられています。ベンチャー企業の創設者を迎えた最近のイベントにて、ゲイツ氏はチケット転売サイトEventbriteの共同創業者ジュリア・ハーツ氏と対談を行いました。

この中でゲイツ氏は過去を振り返り、ソフトウェアの世界では勝者が総取りだとした上で、自分が関わった中で最大の過ちはマイクロソフトがAndroid、すなわち非アップル系電話のうち標準プラットフォームになれなかったことだと発言。それはマイクロソフトが勝ちえて当然のものだったと語っています。



ゲイツ氏は(スマートフォン市場で)アップル以外のOSが1つだけ生き残れる余地があったとして、その価値はG(Google)よりもM(マイクロソフト)に4000億ドルをもたらすはずだったと見積もり。その後悔は、マイクロソフトのWindows MobileがAndroidよりも10年近く先行していながら、自らモバイルの重要性を理解しておらず、十分なリソースが割けなかった経緯を考えれば頷けることと言えます。

しかしゲイツ氏が失敗に打ちのめされているかといえば、むしろ逆。続けて「これだけの最大級の失敗をしながら、さらに独禁法訴訟やその他の困難にさらされながらも、我々のWindowsやOfficeは今も強大なのは驚くべきことです。わが社は今もリーディングカンパニーなんです」と語り、過ちを乗り切ったことを誇らしげに語っています。

ただし「正しい選択をしていれば、わが社は"the company"(より強大な企業)になれただろうと述べており、少しは心残りがあるようです。

ゲイツ氏は約2年前にAndroidスマートフォンに乗り換えたと語っていましたが(ただしiPhoneはまだ買わず)、今回は過ちを悔いるかたちでAndroidの勝利を認めており、徐々に吹っ切れてきたようです。最近のWindows 10はAndroidと敵対どころか「Your Phone」など機能の一部として取り込んでおり、ゲイツ氏の認識もそれに伴って変わってきたのかもしれません。