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ジロリアンとも呼ばれる熱狂的なファンがいるラーメン二郎。ただし、あまりのボリュームとこってりした味付けに、耐えきれず、完食を断念してしまう人もいる。そんな中、道端に「リバース」してしまうという壮絶な出来事も起きているようだ。

ラーメン二郎 環七新新代田店のツイッター(4月27日)は「近隣の住民の方から ラーメンを吐いている 立小便をしている等の苦情が来ました トイレは前後の人に声をかけて 店のトイレを使ってください 食べるのに関しては 食べきれない様な注文のしかたをしないでください 知らないで頼んじゃった場合は残してください」と呼びかけている。

この店のアカウントは、2016年4月6日にも「またお隣の歯医者さんの裏のマンションの入り口にリバースしたお客さんがいました 周りの関係ない敷地には立ち入らない様にお願いします」と警告している。

もし、道端で嘔吐してしまった場合、法的な問題に発展する可能性はあるのか。西口竜司弁護士に聞いた。

●犯罪が成立する可能性は低そうだが・・・

もし道端で嘔吐してしまった場合、刑事・民事の法的責任はあるのか。

「その前にまずは、モラルという観点から言えば当然『ダメ』ということを確認しておきたいと思います。

では、刑事上の責任はどうかといいますと、軽犯罪法違反などの可能性もありますが、わざとではないのが通常ですから犯罪は成立しないでしょう。

民事上の責任についても微妙なところではありますが、嘔吐によって『損害』が発生したといえるのであれば、損害賠償請求の問題になります。例えば、清掃費用がかかったから賠償してくれという感じです。ただ、実際上このような責任追及をすることはほとんどないと思います」

もし人にかかってしまった場合、クリーニング代などの損害賠償は発生するのか。

「当然のことですが、嘔吐した方には『過失』が認められることになりますから民法709条に基づき損害賠償請求をすることができます」

店のツイッターアカウントによると、以前はマンションの入り口に嘔吐したケースもあるようだが、他人の住宅や店舗の場合はどうなるのか。

「他人の住宅などの場合も同様に民法709条に基づき損害賠償請求が認められます。また、理論上は住居侵入罪や建造物侵入罪に該当する可能性もあるでしょう。

いずれにせよ無理な注文をしないことです。自分の体調を見ながら美味しくラーメンを頂く。これがファンの心得ではないでしょうか。こんなことを書いていたらラーメンを食べに行きたくなりました。二郎は近くにないのが辛いですね」

【取材協力弁護士】
西口 竜司(にしぐち・りゅうじ)弁護士
法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。
事務所名:神戸マリン綜合法律事務所
事務所URL:http://www.kobemarin.com/