R25世代にとって、身近すぎて深く考えるきっかけがなかったり、つい面倒に感じてしまったりするのが「親」というもの。

一方で、偉大な親を持った人にとっては、その存在が大きすぎて、彼らにしかわからない思いや経験が多いはず。子どものころから親を意識せざるを得なかった著名人に、「親」について語っていただきたい…!

今回登場いただくのは、お笑い界ビッグ3の一人・明石家さんまさんと、大女優・大竹しのぶさんの娘、IMALUさん。

偉大すぎる親と同じ芸能界に入ることを決めたIMALUさんは、どのような「親子観」を持っているのでしょうか?

〈聞き手=ライター・於ありさ〉



ライター・於:
デビューされたとき、ワイドショーがIMALUさんの話題で持ちきりだったのを覚えています。

IMALUさん:
正直、あれは私もびっくりでしたね(笑)。

ライター・於:
でも、ご両親と同じ芸能界に足を踏み入れるなんて、なかなかの決断だったはずですよね。

本日はずばり「親」をテーマにお話を聞かせてください!

普通に育ててくれた両親と、「有名人の娘」として扱う大人たち

ライター・於:
勝手なイメージですが、幼少期から華々しい生活を送られていたのでしょうか?

IMALUさん:
それよく言われるんですけど、普通ですよ! 皆さんと同じような生活をしてるはずです。

ライター・於:
想像ができない…

IMALUさん:
なんでですか!

子どものころは、まわりの女の子たちと同じように、当時ブームだったSPEEDやMAXに憧れてダンスにハマっていました。小学校5年生くらいからは映画にハマって、毎週TSUTAYAに通って海外の映画やドラマを見るのが趣味でしたね。

小学校も公立の学校でしたし…。洋楽とかが好きな、いわゆる海外かぶれな子だったと思います(笑)。

ライター・於:
IMALUさんがTSUTAYA…?(一気に親近感

でも、よく芸能人のお子さんってめっちゃお年玉もらうとか言うじゃないですか。そういうのはあったんですか?

IMALUさん:
あー! それはありましたね。

父の仕事のつながりで、知らない方から「これIMALUちゃんに…」ってもらってました。そのたびにお礼の電話をするよう言われて、誰なんだろうな…と思ってましたね。

ライター・於:
もらった額もすごそう…

IMALUさん:
お年玉はすべて母に預けていたから、どのくらいもらったのかはわからないんです。

そもそも、うち、お小遣い制じゃなかったんですよ。「TSUTAYAに行きたい」と言えば、その分のお金をもらう。必要なときに必要な分だけもらう制だったんです。

お小遣いが月にいくら!」みたいなすごいエピソードがあったほうがテレビ的にはオイシイんでしょうけど、期待されるような話ってないんですよね(笑)。


テレビ的なオイシさを気にするIMALUさん

ライター・於:
なるほど…。なんか、そこだけ聞いていると私の幼少期とそんなに変わらない気がします。

IMALUさん:
そうなんですよ。かなり“普通”に育ててもらったなって思います。

ただ、子どものころはやっぱりまわりから「有名人の娘」として扱われて、ちょっと嫌だったこともありました。

ライター・於:
たとえば、どんなことがあったんですか?

IMALUさん:
運動会のお弁当タイムに、「写真撮ってください」って、うちのシートのところに来る子がいっぱいいたんですよ(笑)。

あと、小学校とか中学校に入学すると、みんながすでに私のこと知ってるんです。

小学1年生のときに、隣のクラスの知らない子から「友だちになってください!」って言われたこともありましたね。

ライター・於:
ええ…! なんて返したんですか?

IMALUさん:
正直に「友だちって自然になるものだから、おかしいでしょ?」って返しましたね。

子どもなりに、“親が芸能人だから近づいてくる人”には敏感だった気がします。



IMALUさん:
今思えば、少しツンツンした子だったんですよね。バリアが固いというか。

親の知り合いにも、やっぱり「さんまさんの娘だから」「しのぶさんの娘だから」ってめっちゃ気を遣われるんです。

一方で、同じ人が部下を雑に扱ってるとこを見ちゃって、「大人ってウソくさい。なんか嫌だ」って思ってました。

ライター・於:
達観してらっしゃる…

IMALUさん:
だから余計、アメリカの文化がかっこよく見えたのかもしれないです。

MTVとかを見てると「アワード」を受賞したアーティストが、思ってることを自由にスピーチしてるんですよ。

日本の芸能界とは違うぞ!と。「かっこいい! 私もハッキリ言いたいことを言える人になりたい!」って思って、それでカナダの高校に進学しました。

母・大竹しのぶ「好きなことをとことん極めなさい」

ライター・於:
カナダへの留学を決めたのは、ご自身の意志だったんですね。

IMALUさん:
そうです!

中学のときも、海外ドラマや洋楽にどっぷりハマっていて、英語だけは授業や宿題をまじめに頑張ってたんです。他の教科は全然でしたけど(笑)。

ライター・於:
勉強に関して、なにかご両親に言われはしなかったんですか?

IMALUさん:
ないですね〜。うちは基本的に教育方針やルールがなく、自由なんですよ。ただ唯一、母から繰り返し言われていたのは「好きなことは極めなさい」ということ。

だから、音楽や映画に使うお金は出してくれましたし、舞台も「行きたい!」と言うと「行きなさい! 行きなさい!」と。「留学に行きたい」と言ったときも、すぐ応援してくれましたしね。


もともと大竹家ではあまり音楽を聴く習慣がなかったが、「IMALUが生まれてから、我が家に音楽が鳴り響くようになった」と言われるようになったんだとか

ポジティブな父・明石家さんまも、礼儀には厳しかった

ライター・於:
さんまさんから何か言われたこと、「教え」はありますか。

IMALUさん:
2歳のときに両親が離婚したので、教えという教えはないんですが、礼儀には厳しかったです。

たとえば、子どものころから、テレビに出ている人には「さん」付けしなきゃいけなかったり…



IMALUさん:
よく、「テレビで出川が…」とか話すじゃないですか。そのテンションで父に話すと、「出川じゃなくて、出川さんやろー!」って(笑)。

基本何をしても怒らないんですが、そこだけは厳しかった

ライター・於:
そうなんですね…!

IMALUさん:
でも、友だちの前で「タモリさん」とか芸能人に「さん」付けしてたら、「え? 会ったこともないのに? 調子乗ってない?」って思われるじゃないですか(笑)。

そこの使い分けは大変でしたね。

ライター・於:
たしかに。「自分が知り合いなのかよ」って思われちゃいそう…

IMALUさん:
あと、1回だけ父に悩みを相談したことがあって。そのときのことが忘れられないんですよね。

ライター・於:
何を相談したんですか?

IMALUさん:
学生時代だったんですけど、ちょっと友だち関係に悩んでいて。

こんなとき、父ならどうするんだろうって思って、泣きながら初めて電話をかけたんです。

そしたら、ずっと大爆笑してるんです!

ライター・於:
それ、自分が親にされたら怒るかも。

IMALUさん:
私も「真剣に悩んでいるのにひどい! 話になんない!」って怒って、電話を切りました。

ライター・於:
掛け直してきたりは…

IMALUさん:
ないですね! もちろんメールもなし! それ以来、相談の電話をするのはやめました

ライター・於:
「ごめん」とかもないんですね。でもなぜ、大爆笑してたんですかね?

IMALUさん:
大爆笑しながら、「何泣いてんねん! 笑えや、笑え!」って言われたんですよ。

今思うと、父親なりに私のことを元気づけたかったんでしょうか。



ライター・於:
なんか、テレビで観るさんまさんのイメージ通り。

IMALUさん:
本当に、すっごいポジティブな人なんです。ご存じかもしれませんが、私の名前も「生きてるだけで丸儲け」っていう父の座右の銘からきてますし…

直接教わったわけではないんですけど、笑うこととか、ポジティブな姿勢は、父の背中を見て学んだのかもしれません

私自身、仕事でもプライベートでもどれだけ笑えるかということを意識しています。やはり、笑えば笑うだけ幸せになれるんじゃないかなと思っているので。

大々的な芸能界デビューは、想定外だった

ライター・於:
そしてカナダ留学から日本に戻って、芸能界入りするわけですよね。なぜ芸能界に進もうと思ったのでしょうか?

IMALUさん:
正直、自分でも想定していなかったんですよね

高校を卒業して、何をしたいかなと考えたときに、音楽と英語ができる仕事ってなんだろうと考えてたら、友だちに「MTVは?」とか言われて。ラジオとか、そういう仕事ができたらいいかもとふわっと考えたんです。

そしたら、母やまわりの大人たちが動いてくれたというか(笑)

ものすごいスピードで雑誌『Zipper』でデビューすることになりました。芸能界デビューというよりも、社会人デビューぐらいの感覚でしたね。



ライター・於:
じゃあ、大々的にデビューするつもりも、特になかった?

IMALUさん:
ありませんでした! デビューがあんなにニュースになるなんて思ってもなかった

朝起きてテレビをつけたら、自分が映っててびっくりしましたね!

ライター・於:
一視聴者のような感覚…

IMALUさん:
面白かったですよ。

こっちは普通の女の子なのに、テレビをつけたらワイドショーに写真がばーんと出ていて、「IMALUはどんな子なのか」「関西弁なのか」「引き笑いするのか」「どっちに似てるのか」ってコメンテーターたちが予想してるんです(笑)。

大きな波にいきなり「ノッてみろ!」ってつき落とされた感覚でしたね。今思うと、いきなり知名度を上げていただけて、ありがたいですけど。

ライター・於:
すでに芸能界で名のあるご両親と同じ道を進むことをプレッシャーと感じてはいなかったのでしょうか?

IMALUさん:
親がすごい人だということはわかっていましたが、視聴者からどう見られるかってあまり考えていなくって。

当時の私は、目立たず、地道にコツコツやっていくつもりだったので、デビューしてはじめて事の重大さに気付いたんですよ。

ライター・於:
IMALUさんからしたら、さんまさんもしのぶさんも芸能人である以前に親ですもんね。

IMALUさん:
最近、木村拓哉さんと工藤静香さんのお子さんがデビューしたじゃないですか

Kōki,さん。

それを見ていて、「ああ、当時の私ってこうやって見られていたのか」って思いますね。



ライター・於:
ちなみに芸能界デビューすることに関して、ご両親は何か言っていましたか?

IMALUさん:
母は、自分と同じ道を選んでくれたことを喜んでくれて、サポートしてくれましたね。

父は…特に反対も賛成もしませんでした。でも「厳しい世界やで」みたいな態度だったので、どっちかというと“反対派”だったのかな(笑)

基本父とは仕事の話はしないんですけど、デビューすることを報告したときに言われて印象に残ってることがあって。

ライター・於:
なんと言われたんですか?



IMALUさん:
親の名前が出たうえでデビューするんだから、人の倍努力しろ」って言われました。

仕事の話をしたのは、それ以来ないです。

今でもたまに思い出して、頑張らなきゃなと思いますね。

もし子どもが「芸能界デビューしたい」と言ったら、まず止める

ライター・於:
最後に…IMALUさんが親になったら、どのように子育てしたいですか?

IMALUさん:
芸能人には絶対なってほしくないですね(笑)。

よく親は許してくれたなって思いますもん。

ライター・於:
なぜですか?

IMALUさん:
IMALUの子、さんまとしのぶの孫としてデビューすることになったらやっぱり大変だと思うんですよね。

だから、私みたいに中途半端な気持ちでデビューしたいって言ったら、絶対に止めますね。好きでやりたいなら応援しますけど!

ライター・於:
好きだったら応援するんですね。

IMALUさん:
自分が母と父から、好きなことをずっと応援してもらったからですかね。

たぶん両親は、今もなお“好き”を突き詰めているんだと思います

父も母もいつも楽しそうに仕事をしていましたし、母なんかいまだに舞台に私と兄が行かないと不機嫌になりますもん(笑)

私もそんな父と母のように仕事を楽しんでいきたいし、自分の子どもにもそうであってほしいですね。



いわゆる“2世タレント”のなかでも、両親の知名度が群を抜いて高いIMALUさん。

インタビュー当日、のどを痛めていたそうで、「のど飴なめてもいいですか?」「お茶飲んでもいいですか?」と逐一聞いてくださる腰の低さに驚きました。

ご両親から受け継いだ「仕事を楽しむこと」「ポジティブでいること」を武器に、これからも活躍を続けてほしいと思います!

〈取材・文=於ありさ(@okiarichan27)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=森カズシゲ〉

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