素人っぽくならない“グラフの選び方”と“チャートのつくり方”

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「仮説立案」「構成・文章化」「ビジュアル化」の3ステップ構成。各ステップの講義&練習問題であなたの資料作成力がぐんぐん伸びる。

■グラフ作成

グラフの基本は縦棒グラフ、横棒グラフ、線グラフ、円グラフの4種類です。まずはこれをマスターしましょう。

縦棒グラフは横軸が「連続した特定の量」を表しています。1月、2月、3月、4月……というふうに量(縦軸)の時系列などの変化を表すのが目的なので起点はゼロというのが基本です。にもかかわらず、このスケールをゼロ起点から意図的に変えているケースを見かけます。本当は量的な変動がないのに、変動があるように見せかける狙いですが、目の肥えた読み手はすぐにそれを見破ります。(図1を参照)

横棒グラフは店舗別売り上げランキングなどに向いています。こちらは起点が必ずしもゼロでなくてもいい。資料の種類によって、縦棒タイプか横棒タイプかを選択しましょう。

一番注意が必要なのは円グラフです。これは本来、内訳の割合を面積で表すもので、棒グラフのような推移や比較には向きません。ところが、どんな情報でも「何でも」円グラフしか使わない人を見かけます。1枚の紙に円グラフをいくつも並べて推移比較しようとしても、なかなか理解できません。

最近は立体の3D円グラフもよく見かけますが、これも取り扱い要注意です。円グラフは面積の大小によって視覚的に内訳を比較するので、立体化するとかえって正確な面積が捉えづらくなることがあります。3Dは見た目が派手でカッコいいからと不用意に使うと、逆に素人っぽく思われる危険性もあります。

<図2>はビジネスで使用頻度の高いグラフのテンプレートです。あなたが伝えたい目的から、どのグラフを選べばよいか、見極めてください。

■チャート作成

続いてチャートです。

チャートとは「コンセプトの要素を抽出して関係性を表現したもの」です。個条書きで項目を列記するだけではなく、列記した各項目を三角形などで階層化したり、矢印で手順を表したりすれば関係性が生まれ、晴れて立派なチャートとなります。

チャートづくりの手順をざっと見ていきましょう。以下の4つのステップがあります(図3を参照)。

第1ステップは「体系化」です。ロジックツリーの形式で、一番上にメーンメッセージを、その下にサブメッセージを、さらにその下に主要なキーワードを書くことで、情報を体系化します。

続いて、第2ステップの「表現要素抽出」の作業に移ります。メーン&サブメッセージをもとに強調するキーワードを表現要素として抽出します。必要に応じてキーワードを類似の特徴を持つ別の言葉で置き換えます(アナロジー化)。平たく言えば、比喩を考えるという作業です。

例えば「SNS導入の意義を訴える」というメーンメッセージを受けて、当初「パーソナルプロファイル(つぶやき機能など)」「コミュニティマネジメント(テーマページ機能など)」「イベントマネジメント(カレンダー機能など)」という3つのサブメッセージを掲げていた場合、これらのサブメッセージに「人を知る」「つながる」「集まる」という言葉を新たにつけ足すと、SNSの機能を明確にすることができます。

第3のステップは「関係性設定」です。第2のステップで抽出したキーワードが同列のものなのか、何らかの序列なのか、など様々な角度から関係性を考えていきます。

関係性を考える際にまず意識するのが「ユニット」です。ユニットとは「意味のあるまとまり」のこと。表現要素のユニット数がいくつになるか、レベル感の統一を意識しながら洗い出します。代表的なユニットの4パターンを<図4>にあげます。表現要素のユニット数が2つなら、並列・均衡、対立・比較、二者択一で関係性をつくることができ、3つなら調和や三角関係、三段論法の関係性をつくることができます。

ユニットのパターンを洗い出したら、関係性のパターンとしてどれを用いたら適切かを考えましょう。<図4の右側>に関係性の7パターンをあげました。前出のSNSの案件の場合、「人を知る」「つながる」「集まる」を矢印で結び、互いが「循環」している様子をビジュアル化したものを示します(図3の関係性設定)。直感的に仕組みを理解できるようになったのではないでしょうか。

最後のステップは「加工・強調」です。見た目の印象をより鮮やかなものにするのです。SNSの案件の例では、3つの項目がリンクした様子を色付きのアイコンで強調することで、第1ステップの状態と比較すると、文字が大幅に削減され、「SNSとはユーザーが個人プロファイルと意見を表現しながら、コミュニティを創出する」というメッセージがダイレクトに伝わるようになりました。

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&Create(アンド・クリエイト)代表 清水久三子
1969年、埼玉県生まれ。お茶の水女子大卒。日本IBMグローバル・ビジネス・サービス事業部、ラーニング&ナレッジ部門リーダーを経て、2013年独立。著書に『プロの課題設定力』『プロの資料作成力』などがある。

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(&Create(アンド・クリエイト)代表 清水久三子 構成=大塚常好(プレジデント編集部))