美少女モデルのファン急増!? 美しきヌード写真を撮り続ける“村田兼一”の魅力【写真12枚】
村田兼一という写真家がいる。
村田兼一ワールド全開! “美少女モデル”フォトギャラリー【写真12枚】
村田兼一の写真作品は、ある意味、観る者を選別すると言っていい。それは、村田が魅せる写真世界が人形愛、そしてエロスとタナトスがテーマだということが関係している。
村田は美少女を被写体とする。だが、写真に閉じ込められた美少女に命ある人間としての生の息吹は感じ取れない。魂のない人形が置かれている写真、としか見えない。その人形の衣服は脱がされ、無垢な裸体となっている。しかも秘められた部分まであらわにする。猥雑なエロスにタナトス(死への誘惑)が漂い、その独特な世界に観るものはいつしか虜になっていく。
人が「村田ワールド」と評する、この甘美な世界観に魅了されるのは男性だけではない。少女もまた、心酔して村田のモデルになることを夢見るのだ。
現在、日本国内で刊行されている村田兼一の写真集には、『眠り姫〜AnotherTaleofPrincess』(2013年/アトリエサード)、『パンドラの鍵』(2014年/アトリエサード)、『さかしまのリリス』(2015年/アトリエサード)の3冊がある。
僕が村田兼一を知ったのは2013年ごろ。それ以前の村田の作品は実はよくわからない。僕が知っている村田のモデルは、村田タマ、口枷屋モイラ、七菜乃の3人だった。しかし、2015年に発表した『木枯らしの少女』では北見えり、吉岡愛花、月乃ルナという3人の美少女がモデルとなっている。
村田ワールドの少女たち
北見えり
村田ワールドの新たな住人となったモデルの女の子はどんな子たちなのだろう? 北見えりと吉岡愛花に話を聞いてみた。
●北見えりさんが思う、村田さんの作品の魅力は?
「『かわいい』ですね。女の子をよりかわいく撮ってくれるから好きです」
●モデルをやられての感想は?
「なんだろう。ザ・村田ワールドに入ったという感じですかね。村田さんは写真を20年くらいやっていらっしゃるんですけど、世界観はぜんぜん変わらないんです。私はその世界観の中ににすっと入っていったという感じでした。村田さんの描く少女像みたいなものに私が当てはめて、すっと入れました」
●前から村田さんの作品は見ていて?
「もちろん、見て知っていました。一度、村田さんにお会いしてご挨拶させていただいたときに、モデルをやる話になって、2015年の1月に撮影していただきました。村田さんの住む大阪には旅行がてらでいって。3回くらい撮影していただいています」
●ヌードの撮影に抵抗はなかったんですか?
「いや、ぜんぜんなかったですね。もともと自分でもモデルとしてきわどい写真は撮っているので。それに村田さんが紳士的というか、優しい人なので。ぜんぜん、なにもないです」
●作品も人間性もわかっているし。安心してということですね。
「そうですね、安心してぱっと(笑)」
●北見さんはモデル活動もされているんですよね。
「モデルとネットのコラムも書いています。あと、自分でも最近、写真を撮りはじめました。撮影会の主催とかグッズ制作とか、もろもろやっています」
●モデルだけでなく、自分でも表現していきたい?
「そうですね。これからいろいろやっていきたいなと思っています。モデルもやるし、自分でも写真を撮っていく。両方やりたいですね。自分を撮るためにカメラを買いました」
●セルフポートレートのために!
「そうです。カメラマンに撮ってもらっていない時間がもったいないないと思って。だったら自分で撮っちゃおうと思って。すぐに歳とっちゃうんで今のうちに撮っておこうかなと思って(笑)」
吉岡愛花
●吉岡愛花さんが思う、村田さんの作品の魅力は?
「完全に村田さんの世界を創り上げるところですかね。村田さんの昔の写真、着色写真のころは、おもいっきりエロい構図で撮っているんです。けれど、写真からはぜんぜんエロさは感じない。
村田さんは『死に対する恐怖がすごかった』と言っていたので、その死に対する抵抗とか、必死にあがいて、あの作品になっているんだなと思うと、その必死さが綺麗だなと思いました。
死を克服した作品。純粋にエロになっているけど、かわいさが残っているというか、成人男性になり切れてない、純粋さというのがあるのかな、と思っています」
●モデルをやられての感想は?
「モデルをやるのに一大決心でもなかったですね。村田さんの写真は見ていました。村田さんの方から『モデルしませんか?』と声をかけて頂きました。『じゃ、やらない手はない』と思った。『やった〜』みたいな感じですね」
●やはり、抵抗はなかったんですか?
「作風がわかったうえでやっていますからね。それに私はただの材料ですから。自分を見せるのではなく、ボディを貸すという感じです」
少女たちを魅了する村田兼一という存在
少女たちが「かわいい」という写真家・村田兼一は1957年、大阪の生まれ。
村田兼一を師として写真をはじめた村田タマは「村田タマによる『村田兼一評論』」のなかで、
「村田兼一の制作は彼自身が昔から語っているように、「死」と隣りあったところから始まった。彼は床に臥し、水すら喉を通らず、外へ出ることが何よりの恐怖で、古い邸に妖しく包み込まれた状態から制作を始めた」と語っている。
吉岡愛花が言う「村田さんは『死に対する恐怖がすごかった』」はこのことを指す。村田の人形愛、そしてエロスとタナトスというテーマは、村田の心の闇から生まれた。
そんな村田の作品に惹きつけられる理由はただひとつ。「わかるものにしかわからない世界というものは、わかるものにとってはとても心地よい世界」だからだ。
村田にとって「少女」とは? そして村田の作品になぜ、「少女」はこうまで惹きつけられるのか? 村田自身に訊ねた。
今までの村田ワールドにはない良さがあるモデルたち
●北見えりさん、吉岡愛花さん、月乃ルナさんの3人の撮影はいつくらいからはじまったのですか?
「北見えりさんは2014年の1月くらいから撮りはじめました。そして月野ルナさんが3月。吉岡愛花さんが4月の終わりくらい。その後、各々2〜3回、撮影しています」
●ほぼ同じ時期ですね。この3人の起用は考えてのことなのですか?
「考えていなかったですね。僕の写真はあまりにもえげつないじゃないですか。だから、僕の方からモデルさんに『お願いします』とは声をかけづらいんですよ。モデルさんの方から『やります』といってくるのを待つ、という感じ。
それでも応募は年間30人くらいあります。でも、モデルさんの採用率は低くて、新人は2年に1人くらいなんです。2012年に七菜乃さんがモデルとして現れてから新しいモデルがいなかった。だけど、2014年はモデルさんの当たり年で、北見えりさん、吉岡愛花さん、月乃ルナさんと3人のモデルが来てくれた」
●3人の起用は偶然だったわけですね。
「吉岡愛花さんが4月の終わりくらいに来たことで、2014年はこの3人のモデルで回そうかなという気にはなりましたね」
●北見えりさん、吉岡愛花さん、月乃ルナさんの3人はとてもフレッシュで、新しい村田ワールドが見れた気がします。
「新しいモデルが3人いるので、そういう意味では新鮮ですよね」
●村田ワールドにある「少女性」が再発見的されたような気がします。村田ワールドにこの3人のモデルがはまっているように思いました。
「僕としては自分の世界にはめているというよりは、モデルの個性を活かしているつもりですけどね。モデルによるんですよ。モデルの持っているものを活かした方がいい場合と、落とし込んでいった方があう場合と。その調節はモデルを見ながらやっていますね」
●三人の特徴を教えてください。
「北見えりさんは、キャラ立ちしているというか、自分でもいろいろと活動している方ですね。彼女のその、メガネキャラを取り入れて、使わせてもらっているというというところです。
吉岡愛花さんは、童女というか童(わらしべ)みたいな感じもあるし、すごく冷たい冷酷な大人の顔にもなる。その変化がすごく面白い方でしたね。自分ではピュアなブラックだといっていますが(笑)。
月野ルナさんは、僕は前まではぜったい、金髪は撮らなかったんです。カラコンも撮らなかった。でも、それでもなんかいいやという気にさせられた。相殺してもいいよさがありましたね」
●3人とも個性的ですよね。北見さんはもう有名なモデルさんだし、吉岡さんには人形的な感じ、少女から脱したい的な感じがある。月乃さんは今までの村田ワールドにないものがありますね。この3人に共通しているのは、自分を表現したいというところなのでしょうね。
『木枯らしの少女』に込めた意味合い
●今回の作品はとても明るいと感じました。なにか村田さん自身に心境に変化があったのでしょうか?
「特に心境に変化はないです。自分ではその変化というものを意識していないけれども、指摘されたらそうだなと思いますね」
●過去の作品と比較してもテーマは変わっていないんだけど、写真的には明るくなっている。
「テーマというか、見せ方が変わっています。以前だったらシュチュエーションを見せようとして、あまりモデルにフォーカスしていなかった。
だけど、カメラがデジタルに変わると、撮り方も変わりましたね。中判の大きいフイルムのカメラで据えて撮っていると、どうしてもシュチュエーションの作り込みから入る。それが手持ちのデジタル一眼レフカメラになると機動的になってくる。だから、モデルにフォーカスするようになってきましたね」
●色彩も明るいし。心境の変化があったのかと思いました。
「撮る時は自然光しか使っていないんです。自然光とレフ版。だからどうしても手前が明るくて、バックが暗くなる。だからよけいに明るく見える。前だったらライト使ったり、レフランプとか当てて、部屋の隅まで全部、明るくしていたんです。そしてプリントの時に周りをグッと暗く焼き落す。その違いが出ているかもしれませんね」
『木枯らしの少女』というタイトルに込めた意味合いとは?
「2014年末くらいから庭の枯木で菜乃さんとかを絡めて撮影していて、そのまま2015年も何故かモデルさんと枯木を絡めて撮っている。枯木になんだか自分を投影しているみたいで、僕も結構老人だし、何だか谷崎潤一郎の『痴人の愛』っぽい世界かな?」
●『木枯らしの少女』というタイトルが素敵ですね。
「タイトルは苦し紛れ(笑)。木枯らしの少女というのは、スウェーデンのポップ・ミュージックグループABBAの前の男2人、ビョルン&ベニーのヒット曲『木枯らしの少女』が好きだったから(笑)。あと、2015年はずっと、枯れ木を使ってばかりで撮っていたからですね。
庭に生えていたけど、立ち枯れたやつを切り倒して、それを撮影に使えるだろうと思って取っておいた。使っていたらなんとなく、そればかり使っていた。
前は蔦を使っていたんです。蔦が絡みつく感じが多かった。でも、僕にはもう蔦のような生命力なくて、枯れ木のようになってきたから、まあ、枯れ木をモチーフにして、枯れ木が老人で、老人が若い女の子に襲い掛かっているようなイメージだとか。なんか、そういう老人とした枯れ木、イコール自分みたいな感じで(笑)」
●枯れ木がすごくいい感じになっていますね。
「14年末に菜乃さんで一度使って忘れていた。ルナちゃんの時にまたモチーフとして持ち出しました。15年3月の終わり時点から枯れ木を使うようになった。3月、春だというのに枯れ木だという(笑)」
●ありがとうございました。
※村田兼一写真展『木枯らしの少女』(2015年11月20日〜12月6日/神田・神保町画廊)にて。
写真家・村田兼一の新たなスタート
なぜ少女たちは写真家・村田兼一のモデルになって撮ってもらいたいと思うのだろうか? ひとつにはモデルに志願する少女たちは「自分を表現したい」と思っている子が多いからだ。その表現方法とは、自分の個性を殺し、村田の素材になろうとすること。
しかし、村田はそのなかから個性を探り、自分の作品に重ねていく。村田とモデルの関係は写真家と被写体という関係を超えて、人間と人間の信頼性の中で向き合い、作品世界を作り上げていく。そこに少女たちはエクスタシーを感じているのかもしれない。
ヌードとしての表現の可能性
今年、2016年は村田兼一の作家生活20周年となる。記念した個展が、乙画廊(大阪)にて4月22日〜30日に、神保町画廊(東京)にて5月27日から6月12日に開催される。この20年の村田の集大成となる予定だという。
村田兼一写真展『春風の少女』
2016年4月22日〜30日 日曜定休
乙画廊
大阪市北区西天満2-8-1大江ビルヂング101
TEL06-6311-3322
※詳細はギャラリー公式HPを参照ください。
『作家生活20周年を斜めから観る』展
5月27日〜6月12日 月火定休
神保町画廊
東京都千代田区神田神保町1-41-7安野ビル1階
TEL03-3295-1160
※詳細は神保町画廊公式HPを参照ください。
※詳細は村田兼一公式HPを参照ください。
