学生の窓口編集部

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就職や進学を目前に引っ越しの多い3月。すでに一人暮らしをしているひとは2年ごとの「更新」があるので、なにかとオカネがかかる時期でもある。

もし更新を機に、アパートの家賃が大幅値上げされたらどうすれば良いのか? そんなの払えない!と放っておけば家賃の滞納になってしまい、退去を言い渡されても反論できない。どうしても納得できない!と思うひとは、妥当と思う金額を「供託(きょうたく)」し、裁判で決着をつけることもできるのだ。

家賃は、「相当」と思う金額を払えばOK?

アパートやマンションを借りるには事前に契約書を交わすのが一般的で、入居してから家賃の値上げを要求されても、この金額で契約してるでしょ?と言い返すことができる。ただし、更新を機に「値上げします」はまったくの合法で、支払えない/納得できない入居者は更新せずに引っ越しても構わない。

ところが、住み心地が良い、学校や職場の近くで便利など、引っ越さずに済ませたいひとにとっては悩みどころで、「こんなに値上がりするの!」と思いながらも、しぶしぶ更新するケースも多い。

もし家賃の大幅アップを要求されたら、どうすれば良いのか? 近くに新しい駅ができて相場が上がったなど、納得できる要素があれば「しかたない」と応じるのも良いだろうが、どう考えてもボッタくりでしょ!な場合は、「これぐらいが妥当と思う金額」を支払えば良いのだ。

これは借地借家(しゃくちしゃっか)法・32条「借賃増減(しゃくちんぞうげん)請求権」で、「相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる」と定められている。たとえば、

・今までの家賃 … 10万円

・値上げ後の家賃 … 15万円

の場合、値上げはしかたないとしても12万円ぐらいでしょうと思うなら、それが「相当と認める額」なので12万円を支払えばOKなのだ。

■決着までの家賃法務局に預ける

ただし、この方法は最終手段であって、いきなりおこなうべきではない。まずは大家さんに「こんなのムリ!」と値下げ交渉し、それでも決着しなかった場合に「裁判」を起こすのが前提の方法だからだ。
納得できないからと家賃を支払わなければ滞納と同じなので、これを理由に退去を求められても文句は言えない。そこで相当と思える家賃を、大家さんではなく法務局に支払うのだ。これは供託(きょうたく)と呼ばれ、「家賃を踏み倒す意思はありません」の意味でもある。

1円の値上げも納得できないなら従来の家賃を、プラス1万円が妥当と思うならその金額を供託すれば良い。

裁判で妥当な新家賃が決まった後は、供託金と比較し、過不足を精算する必要がある。先の例で、

・値上げ後の家賃 … 15万円

・供託した家賃 … 12万円

・裁判で決まった家賃 … 13万円

なら、(1万円)×(決着までの月数)を追加すれば良い。ただし、過不足どちらも年に1割の利息をつけることと定められているので、あまり安い金額を供託すると、かえって高額になってしまう可能性もある。

裁判には時間も労力も要するし、大家さんとの関係も難しくなってしまうので、できれば避けたい方法でもある。どう考えても「あり得ない」「悪徳!」と感じたときの最終手段だと考えたほうが良いだろう。

■まとめ

家賃の値上げを要求されたら、「相当」と思う金額を支払うことができる

・相当と思う家賃は、「供託」のかたちで法務局に預ける

・裁判で新家賃が決まったら、供託したお金をもとに精算する

・あくまで裁判が前提なので、「最終手段」と考えるべき

(関口 寿/ガリレオワークス)