「人は何万円でドキドキできるのか？」を実験してみた結果

リムジンに乗らなくたって、こんな変な形の自転車を二人で漕げばいいのだ。




高級メン棒で耳かき。
ささやかな幸せ。こんな暮らしが30年もできるのだ。働かなくても。

そうして30年が経ち、彼女はやがて熟女になった。



熟女になった彼女もステキだ。




「最後の贅沢を君に。いままで30年間ありがとう。残ったお金で買った花束だよ」


ありがとう。

リムジンがなくても、1万円の花束だけで人はドキドキできるのだ。

どんな生活をしてもドキドキは大して変わらない。であれば、ちょっとだけ贅沢な暮らしを長くつづけて、ドキドキする回数を増やしていくことが幸せなんだろう。
実験を終えた啓太はそう思った。



そして実験の成果を活かし、実際に高額当せんくじ「BIG」で6億円を当て、年収2000万円の生活を30年過ごせばいいのだ。





ん……



夢だったのか…

「働こう。そして彼女ができたら、静かに二人で暮らそう」

そう啓太は思った。