JOCと味の素(株)が共同で行なった、味の素ナショナルトレーニングセンターを利用しているアスリート(柔道、卓球、新体操、ウェイトリフティングなど)110名へのアンケート調査によると、「疲れをためないこと」「ベストな状態にもっていくこと」「調子を崩さないこと」など、多くのアスリートたちがコンディショニングに困難を感じている結果になったとのこと。

 とくに「筋肉をよい状態に保つこと」や「早期回復」が難しいと答えたアスリートは、ともに3割以上。試合でベストコンディションにもっていくために「直前でもしっかりと眠る」「風邪などを引かない」などが多くのアスリートたちの課題になっているという。

 この結果を受けて、杉田氏が重要視しているのは、「疲労回復」「質のよい睡眠」そして「免疫力の維持」だ。

 この3つの面でアスリートをサポートし、パフォーマンスを向上させるために、アミノ酸の利用がいいと考えられている。

 アミノ酸を摂取すると、体調改善と疲労からの早期回復効果がある。それが故障の予防につながり、質・量ともに高いレベルでのトレーニングが続けられるようになる。その結果がアスリートたちの高度で高速度な運動能力となって、記録にあらわれる、というわけだ。

 詳しくいうと、トレーニングによる生理的機能は、疲労(ダウン)-回復(アップ)-超回復(トレーニング前以上に高くなる)-元へ戻る(ダウン)、というサイクルでアップダウンを繰り返している。アミノ酸を長期的に摂取すると、回復から超回復へ向かう速度を早めると同時に、回復の大きさを高める可能性があると考えられているのだ。

 前出のアンケートで8割以上のアスリートが「アミノ酸が体調管理やパフォーマンス向上に重要」と考え、7割が実際に使用しているのは、こんな理論的背景からである。

 味の素(株)イノベーション研究所でスポーツ栄養科学の研究に取り組んでいる尾道一哉氏によると、同社はアスリートのニーズから生まれたアミノ酸やノウハウをJOCに提供している。また、その成果と新しいニーズのフィードバックを受け、それを次のアミノ酸やノウハウに生かして提供している、という。

 例えば、前述の杉田氏が重要視するのは、疲労回復=ロイシン高配合必須アミノ酸、質の良い睡眠=グリシン、免疫力の維持=シスチンとテアニンという3つのタイプのアミノ酸。

 ロイシンは高い筋タンパク合成機能をもっている。この必須アミノ酸は乳清たんぱくには24%含まれているが、味の素(株)が提供するロイシン高配合必須アミノ酸は、ロイシンを40%含有。ヒト評価では、筋肉痛や疲労感、筋の損傷が改善されたという。なお、このアミノ酸については、先日、同社より、ロンドンオリンピック日本代表選手団専用として独占供給の開始が発表されたばかり。今後注目される素材となりそうだ。